メモ

飛行機で手荷物を預けるときの料金は実は破格の値段になっている

By █ Slices of Light █▀ ▀ ▀

日本で国内線の飛行機に乗るとき、チェックインカウンターで航空会社に預ける受託手荷物は、日本航空(JAL)や全日本空輸株式会社(ANA)の場合だと、座席のクラスにもよりますが基本的に20kgまで無料で預けることができ、格安航空会社の場合だと、運賃に含まれていない限り別途料金を支払う必要があります。

アメリカでは大手・格安航空会社を問わずに一つ目は25ドル(約3000円)、二つ目は35ドル(約4200円)を運賃とは別に支払う必要があり、大手航空会社の場合は無料である日本と比べると一見高価に思えますが、航空便を利用する場合と比較すると、破格の値段設定になっているようです。

Why Airline Baggage Fees Are Too Low - Flexport
https://www.flexport.com/blog/airline-baggage-fees-are-a-good-deal-for-travelers/

国際貿易を手がける会社にソフトウェアを提供するFlexportのCEOのライアン・ピーターソン氏は、アメリカの国内線における手荷物料金が実は安すぎるとして、その理由を解説しています。

ピーターソン氏が解説に使用したのは、WorldACDが提供する航空貨物の値段のデータ。広大な国土を有するアメリカでは、航空便の値段が出発地から目的地の距離によって大きく差があり、国内線の重量制限である約22kgの荷物を運ぶ場合、最も安いのはハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港からサンフランシスコ国際空港までの約40ドル(約5000円)で、最も高いものはサクラメント国際空港からアラスカ州のテッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港までで約180ドル(約2万2000円)かかります。つまり、国内線の受託手荷物にかかる25ドル(約3000円)は、どの航空便よりも安いことがわかります。搭乗者の荷物と航空便の両方を航空機で運ぶ航空会社の場合であると、受託手荷物を運ぶよりも航空便を運ぶ方が多くの利益をあげられるというわけ。


ただし、約40~約180ドルかかるのは航空便の中でも急行貨物と呼ばれる、いわゆる速達のようなもので、通常の航空便より割高に設定されているものです。ピーターソン氏は次に受託手荷物と通常の航空便の料金を比較。以下のグラフを見ると、受託手荷物が最も安いというわけではありませんが、それでもかなり安く設定されているように見えます。


しかしながら、受託手荷物の重さが22kgではなく13kgだった場合は、一気に航空便のお得感が増します。ロサンゼルス空港からホノルル空港まで行く場合、25ドルを受託手荷物に払うくらいなら、航空便で13.74ドル(約1700円)を払う方が安く済ませられるというわけです。ただし、実際には旅行や出張に行くのに、よほど大きな荷物がない限り、荷物を先に郵送しておくということはなかなかありません。


航空会社は受託手荷物と航空便を貨物室いっぱいに詰め込んで運航すると、利益をより多くあげられるわけですが、マーケティング会社のCAPAによれば、ほとんどの航空会社は貨物室のスペースの平均37%しか荷物を載せないとのこと。これでは貨物スペースの67%に何も入っていないことになり「もっと運ぶほうがもうかるのでは?」と思えますが、ピーターソン氏は荷物をスペースのギリギリまで載せると、利用者が手荷物受取所で待つ時間が大幅に増えてしまうため、客の満足度を優先する航空会社なら当然の対応ではないか、と分析。ただし、「受託手荷物に料金を設定することで、反対に客の満足度を下げてしまうことになるのでは?」とも指摘しています。

国土の広さに大きな違いがあれど、無料で手荷物を預けられる日本の大手航空会社に慣れてしまっている日本人旅行者がアメリカで国内線に乗るときは、預けるのに料金が発生することを覚えておくほうがよさそうです。

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in メモ,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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