普通の傘とは真逆の動きを見せる「逆にひらく傘 GAX UMBRELLA」を使ってみた


誰しもがお世話になったことがある「傘」といえばハンドルのある手前側がガバッと開くもので、おそらく世の中の99%の傘がそのような構造になっているハズ。そんな常識を打ち破り、傘の先端がガバッと開く傘「GAX UMBRELLA G-1」(ギャックス アンブレラ)が2015年8月に発売されていたというので、実物を借りて使ってみることにしました。ナナメ上を行く発想で設計された傘ですが、実は従来の傘が持っていた難点を解決する工夫が取り入れられているようです。

逆にひらく傘 GAX UMBRELLA(ギャックス アンブレラ)
http://gaxumbrella.com/

ギャックスアンブレラは、愛知県の株式会社ユートレーディングコーポレーションが開発した傘の名称。従来の傘は、折りたたんだ状態でも雨に濡れた面が外側に出ているため、歩く時にズボンやスカートを濡らしてしまったり、車に持ち込んだ際に車内のカーペットを濡らしてしまうこともありました。そんな問題を、濡れた面を外に出さないようにするという発想で解消しようとしたのがギャックスアンブレラです。


「濡れた面を外に出さないように」といっても、その動きをイメージするのは難しいかも。以下のムービーではそんな傘の動きを見ることができます。

逆に開く傘「GAX UMBRELLA G-1」を開け閉めしてみたらこんな感じ - YouTube


ハンドル部分を持ち、もう一方の手で傘のスライド部分を先端へと押し上げます。


すると、まるでアサガオの花が開くように、傘布の先端が外側に向かってガバッと開きます。


そのままスライド部分を押し上げると傘布が反転し、「カチッ」と音がして傘の拡張が完了。普通の傘とほとんど変わらない見た目になりました。


独創的な傘骨の動きはこんな感じ。スライドを押し上げると、折りたたまれていた傘骨が360度外側に向かって広がり始め……


複雑なリンク構造の傘骨が絶妙に広がりながら、折りたたまれていた傘布を反転させて行きます。ムービーを見ればわかるのですが、かなり複雑な動きにもかかわらず手の動きはワンアクションになっているのが注目すべきポイントといえそう。


そのまま「カチッ」と音がするまで押し上げると、傘布がパンッと張ってごく普通の傘として使えるようになるのでした。


折りたたむ際は、広げる時の動きが逆再生されます。スライド部分を手前に引くと、傘骨が複雑に動き合いながら傘布を畳み……


「カチッ」と音がすると、完全に折りたたまれた状態に。この状態だと外側が全く濡れていない状態なので、手で傘布を丸めてベルトで縛っても濡れてしまうことがないというわけです。


このギャックスアンブレラは、自動車に乗り降りする際に便利な傘としても開発されています。以下の公式ムービーでは、雨の日の乗り降りの際に使いやすい様子を見ることができます。

車で便利な傘 GAX Umbrella - YouTube


ドアを開けて降りる瞬間。雨が降る日だと雨が降り込んできたり、傘を取り出して広げるのも大変な状況です。


ギャックスアンブレラだと、このように車内から傘をつきだして……


ガシャッと広げると、傘が伸びてクルマから遠ざかった位置で傘が広がります。


そして傘が拡張完了。このまま何事もなかったかのように車外に降りることが可能。最初に柄が伸びることで、車体に傘が当たってキズがつくことも防止されています。


逆に、雨の中でクルマに乗り込む時にも本領を発揮。ドアを開け……


傘をさしたままシートにドスン。


スライドを引っ張ると傘が上空でバサッと畳まれコンパクトに。しかも雨に濡れた面が内側に折りたたまれるので、水が車内に垂れて「あーあ」となる事態を避けることもできます。


あとは地面に向けて軽く水を切り、車内へIN。その場合でも濡れた面が外部に出ていないので、車内を濡らしてしまう心配も皆無というわけ。実に理にかなった構造ということができます。


ギャックスアンブレラは、こんなパッケージに入れられて届きました。普通の傘ではまずあり得ない、しっかりとしたボックスに入っています。


ブラックの箱の中は鮮やかなレッド。箱を開けるだけで「わぁ」と思わず言ってしまいました。


箱の中には、普通の傘ではあり得ない物がもう一つ。この傘にはボタンやハンドルの扱い方が書かれた「取扱説明書」が同梱されていました。慣れてしまえば何てことのない取扱いですが、最初は操作の方法に少しだけ練習が必要かも。


大きさはこんな感じ。傘の全長は93cm、広げた布の直径は63cmと少し大きめのしっかりした傘で、重量は630グラムとこちらも大きめの紳士用傘とおなじレベル。


地面に着けて持つと、スカートのように広がる傘布がなんともかわいらしい感じ。


傘骨は6本で、それぞれの骨に2本のアームがつながっています。さらに、傘骨は根元から少し離れた位置で折れ曲がるように部品が取り付けられています。これらのパーツが機械的に絡み合って動くことで、複雑な広がり方をするようになっています。言葉で説明すると膨大な文字数が必要になるので、ムービーを何度も見て理解してもらうのが一番です。


ハンドルにつながる親骨は、傘には珍しい真四角の断面形状を持つアルミパイプとなっています。これは傘の回転防止と1面の面積を広くとることができるためとのこと。さらにアルミパイプにはアルマイト処理が施され、鮮やかなレッドにカラーリングされています。


傘布は内と外の2枚構造。こうすることで、折りたたんだ際の雨水の浸入をさらに食い止めているとのこと。


6本の傘骨は、なんとカーボンファイバー製。安く買える傘でよく見るプレス製のタイプとは全く違い、良い材料が使われていることを感じさせるものとなっていました。


傘骨のパーツは樹脂が多く用いられていますが、成型後にさらに塗装を行うことで見た目の品質がさらにアップされているとのこと。こういった細かな点も、品質の良いものを持つ楽しみや喜びにつながる部分なのかもしれません。


このように、さまざまなこだわりがつぎ込まれて作られたギャックスアンブレラは、10年の歳月と何百本という試作品を経て完成した傘というわけなのでした。


こんなギャックスアンブレラですが、「でも、お高いんでしょう?」という声もどこかから聞こえてきます。その予想は確かに正解で、一本のお値段は3万4000円(税抜)と一般的な傘と比べると超がつくほど高級品といえるもの。しかしこの価格帯の傘としては、イギリス王室御用達というフォックス・アンブレラや、日本の皇室御用達である前原光榮商店などの製品が存在しており、決してあり得ない価格レンジではないことも事実。

今回の記事を作成した編集部員も最初は価格の高さに驚いた一人ですが、いざ実物を見てみると、独自の開発によるメカニカルな構造、そして品質の高さに価値を見いだすのであれば十分に「アリ」と判断しました。自分で買うには少し勇気は必要ですが、ギフトとして贈られても喜ばれる製品なのかもしれません。

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in レビュー,  ハードウェア, Posted by logx_tm