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「企業の採用担当はアルゴリズムに任せた方が良い」ことが分かる研究結果が公開される

By Samuel Mann

人間は優れた本能や勘を持っているものですが、こと「雇用」に関しては、コンピューターの方が優れた洞察を持っているかもしれません。全米経済研究所(NBER)が人間の採用担当者とアルゴリズムが選んだ求職者における「在職期間」を調べたところ、アルゴリズムが選出した人材の方が長く働いてくれることが明らかになりました。

Machines Are Better Than Humans at Hiring the Best Employees - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-11-17/machines-are-better-than-humans-at-hiring-top-employees


NBERは、例えばコールセンターやデータエントリー業務など、高度なスキルを必要としないサービス事業を展開する15の企業が雇った30万人もの従業員の在職期間を調査しました。採用時、「この人は優れた人材である」として企業の採用担当者にアルゴリズムを用いた各求職者の評価を見せますが、あくまでどの人材を採用するか決めるのは各企業の採用担当者です。

この「アルゴリズムを用いた人材評価」を行うために、求職者にはテストを受けてもらいます。テストでは技術的なスキル、パーソナリティ、認識力、職業に適しているかどうかなどを見極めるための問いが複数設けられており、このテストの回答をアルゴリズムで分析。なお、分析結果は「緑」がポテンシャルの高い人材、「黄」が適した人材、「赤」が低評価な人材、といった具合に分類されます。分析では先行研究をもとにアルゴリズムを構築したようです。

By Samuel Mann

NBERの調査の結果、採用前に「緑」と評価されたグループは、「黄」と評価されたグループよりも全体平均の在職期間が12日長く、「黄」と評価されたグループは「赤」と評価されたグループよりも全体平均の在職期間が17日も長いことが明らかになり、アルゴリズムは正しく動作していることが証明されています。なお、調査対象となったサービス業では、従業員の平均在職期間は非常に短く3か月程度だそうです。調査メンバーのひとりであるミッシェル・ホフマン助教授は「何万人も雇用することを考えれば、この結果はたいしたもの」とコメント。これに対して、企業の採用担当の多くは「うぬぼれ」や「偏見」などから、アルゴリズムが導き出したベストの人材ではない人々を採用したそうです。

現在、「雇用のアルゴリズム」は採用コストや新しい従業員を探す手間が省けるということで徐々に人気を得始めているそうですが、「アルゴリズムの評価が高い人材は生産性も高い」とは言い切れない模様。また、今回の調査は「スキルが高くなくても雇用できるサービス業」をターゲットにしたものなので、「長く働いてくれる優秀な人材」を選出してくれる究極の「雇用のアルゴリズム」が完成するのはまだ先になりそうです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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