Windows 3.1の障害によりパリ=オルリー空港が一時閉鎖の事態に

By Alain Bachellier

パリ郊外に位置するオルリー空港ではシステム障害により滑走路が一時的に閉鎖されるという事態が発生していたのですが、その原因がWindows 3.1の障害にあったことが明らかになっています。

Windows 3.1 crash brought a French airport to its knees
http://www.neowin.net/news/windows-31-crash-brought-a-french-airport-to-its-knees

Windows 3.1 Crash Shuts Down French Airport | Digital Trends
http://www.digitaltrends.com/computing/windows-3-1-crash-puts-french-airport-out-of-commission/

パリの中心部から30分~40分の距離にあるオルリー空港では2015年11月7日、パイロットに気候情報を知らせるシステムのトラブルにより、滑走路が約1時間にわたって閉鎖される事態となりました。同空港では、悪天候時にパイロットに対して気候状況を提供する「DECOR(diffusion des données d’environnement contrôle d’Orly et de Roissy:オルリーとロワシーの気候モニタリングデータ伝達システム)」と呼ばれる装置を用いて、離着陸時の安全性を確認するようになっているのですが、この装置に不具合が発生したことがわかっています。

オルリー空港ではDECORを同じくパリ郊外に位置するシャルル・ド・ゴール空港と共用していたのですが、11月7日午前9時30分から10時0分の間にシステムに障害が発生したため、管制官がパイロットに対して着陸に必要な滑走路視距離の情報を提供できない状況が発生。DECORが使えない状況でも、パイロットの視界が確保されている場合は問題なく離着陸を行うことができるのですが、折しも障害発生時には空港周辺に濃霧が発生しており、十分な気候情報が得られないことから離着陸が困難な状況と判断されたため、オルリー空港は障害から復旧した10時30分まで滑走路を閉鎖し、10便がシャルル・ド・ゴール空港へとダイバート(目的地変更)を強いられることとなりました。

By Paul

その後、障害が発生したDECORが1990年代に発売されたWindows 3.1上で動いていたことが判明。フランスの新聞では「オルリーは、先史時代のソフトウェアの犠牲になった」という見出しが踊っています。

Windows 3.1は後のWindow 95の登場につながり、その後のWindowsの大成功の礎となるOSですが、登場からおよそ25年が経過しているために日々のメンテナンスはもちろんトラブル発生時のサポート体制には不安がぬぐえないといえる状況。「いまだにWindows 3.1が動作している」というだけではなく、それがフランスの航空業界の大動脈と言える2つの空港を管理するシステムの一部で稼働している事実に驚きを禁じ得ないところです。

By PCWorld

フランスの管制官で組織されるUNSA IESSAのトップを勤めるAlexandre Fiacre氏は空港が置かれた状況について「パリにある2つの空港を運営するAéroports de Paris(ADP)が使っている機器は4つの異なるOS上で動作しており、そのいずれもが導入から10年から20年が経過しています。ADPのシステムはUNIXで動いているものや、Window XPのマシンも稼働しています」と語っています。

さらに、これらの古い機器を扱うスタッフの減少も問題となっている様子。仮に故障が発生した場合でもパーツの入手が困難なため、ネットのオンラインショップを駆使して代替品を確保しているほか、現在は3名いるDECORのエンジニアも、うち1名は2015年末での退職が決定しているのですが、替わりとなる人員はまだ充当されていないとのこと。

今回のトラブルは、比較的トラフィックの少ないオルリー空港だったために実質的な被害はさほど大きなものではなかったと言えますが、同様のトラブルは同じDECORを使う世界有数の大空港であるシャルル・ド・ゴール空港で発生する可能性も依然として残されています。フランスの運輸大臣はDECORを2017年までに最新の状態に更新すると確約していますが、前出のFiacre氏は「私の見方では早くても2019年、おそらく2021年になるでしょう」と語っているとのことです。

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