「地下神殿」こと首都圏外郭放水路の中身をじっくり見られる特別見学会に行ってきた


その見た目から「地下神殿」などと形容される「首都圏外郭放水路」の調圧水槽に加え、普段は公開されていない「インペラ(羽根車)」「ポンプ室」まで見られる特別見学会が開催されたので、見に行ってきました。

首都圏外郭放水路「特別見学会」を開催します | 江戸川河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00733.html

最寄り駅は東武野田線(アーバンパークライン)の南桜井駅。改札を出る前に、このようにバス乗り場の案内が出ていました。


特別見学会のほか、「彩龍の川まつり」「江戸川カッパ市」も開催されています。


南桜井駅の北口にあるロータリー


会場となる龍Q館までは、普段は春日部市コミュニティバス「春バス」の庄和地区ルートが1日3往復するだけですが、この日は臨時シャトルバスが運行されていました。ただ、距離は3kmと歩いても十分に行ける距離だったので、今回は歩いていくことにしました。


駅前の筋を左折してまっすぐ桜川小学校の角まで北上。交差点を左折して「さくら通り」に入ります。


市民センター西側で行き止まりになるので、交差点を右折。


あとは、しばらく道なりにまっすぐ歩いて行きます。途中、国道16号との交点には春日部市の大凧を実寸大で再現した看板が出ています。


さらに道なりに北上すると交差点の北西角にローソンがあります。これが1つの目印。


ローソンをちょっと過ぎたところに、このような案内板が出ているので、案内に沿って右折。


用水路沿いを歩いて行くと、茶色い建物が見えてきます。これが目指す龍Q館(庄和排水機場)です。


あとは案内に沿っていけば、多目的広場に出られます。テントはまだ準備中でした。


ここも遊歩道を道なりに歩いて行けばOK。


目当てのものはコレ。入る前にパネル写真がありましたが、これから実物を見られるわけです。


しかし、その前にギッシリと行列が……。


並ぶと、あっという間に後ろにも人がやってきて、どんどん行列が伸びていきます。


やがて、排水機場の建物の向こう側に、行列の末尾が見えるほどに……。


ちなみに、これがその建物の向こう側の様子。


あまりにも人が多くなったためか、10時開場の予定でしたが、9時40分から入れることになりました。みんな、入口からパシャパシャと写真を撮っています。


ただの階段の降り口ではあるのですが、これが地下神殿の入口かと思うと撮影したくなります。


エレベーターはないため、ここから100段以上の階段を自分の足で降りていきます。そのため、サンダルなど歩けない履き物の人は参加できません。また、未就学児も参加不可。中学生以下は保護者の同伴が必要です。


ひたすらテクテクと下降中。


上からのぞき込むとこんな感じ。鉄製の螺旋階段ではないので、イメージしていたよりは降りやすいです。


そしてゴール。降りきるまでの時間は3分ほど、ワクワクした気持ちで降りているのであっという間でした。


上を見上げるとこんな感じ、ゴールまではぐるっと3周分ぐらい。


いよいよ「地下神殿」です。


いきなり柱がドォーンと現れます。


「うはぁ……」と、言葉を失う光景。イスに座っている人がいるおかげでスケールがわかりますが、一瞬、どんな空間にいるのかわからなくなります。


反対側は吸い込まれそうな闇。


柱は奥の方まで続いています。


はるか上の方には管理用の通路。


先ほど「吸い込まれそうな闇」と表現しましたが、この部分にはインペラ(羽根車)がついていて、今回は特別公開されていました。


進んでいくと、大きなトゲのように飛び出した部分があり……


その上にインペラが。


単体だとサイズがどれぐらいなのか把握しづらいのですが、成人男性4人~5人が肩を組んだぐらいの大きさです。


柱のある空間(調圧水槽)の方が上流側にあたり、このインペラで調圧水槽に溜まった水を吸い出して江戸川へと排水しています。


首都圏外郭放水路は洪水防止を目的として作られています。大落古利根川などの近くに洪水を取り込むための立坑が5つあり、それらを地下のトンネルが結んでいます。第1立坑はこの庄和排水機場にあります。排水機場地下の調圧水槽は、これらのトンネルから流れてきた水の勢いを弱めてスムーズに流すためのプールであり、ここからポンプで水を江戸川へと安全に排水しています。


これまでに100回の稼働実績があるとのことで、最大流入があったのは平成27年9月の台風17号・18号で、約1900万立方メートルの水を排水したとのこと。壁面に目盛りがありましたが、かなり上の方まで水の跡がついていて、どれだけこの施設が役立っているかを静かに物語っていました。ちなみに、直近10年で見たとき、平成27年度は稼働回数がトップというわけではないのですが、調節した水量は10月1日現在で2698万立方メートルと過去最大量。この施設のおかげで、中川・綾瀬川流域の浸水被害はかなり軽減されています。


水が流れてくるのは、この前方から。


その先端は第1立坑につながっています。


柵の向こうには、積もった泥が。


立坑の向こう側から見ると、この開口部はこのように見えるそうです。あの柵の向こうが怖すぎる……。


出口はこの階段。


調圧水槽に水が流入しているときには、この階段も水の底ということですね……。


相当な空間を歩いたので、出口は入口からはかなり離れた場所でした。


ちなみに、この日は特別見学会だということで、一般見学では見られないポンプ室を見ることができました。ポンプ室への入口は建物裏側で、調圧水槽に入るための行列に隠れていましたが、そのおかげで待ち時間ゼロで入れる状態でした。


ここもまた、サイズの感覚を失ってしまいそうな空間でした。


機械を囲むように設置されている赤いものは不活性ガス消火設備の噴射ノズル。火災発生時に二酸化炭素を放出して消火するとのこと。


見えている機械は歯車変速機で、その隣にガスタービン用パッケージが設置されていて、この下にポンプがあります。さきほど調圧水槽で見たインペラは、ここのポンプのもの。ガスタービンは航空機用のものを、プロペラの代わりにポンプを回すように改造しています。排水量は1つのポンプで毎秒50立方メートル、4つのポンプを使うことで毎秒200立方メートルを排水可能。分かりやすくいうと、25mプールを1秒で空にできるパワーがあるということです。


また、ポンプ室ではこの首都圏外郭放水路を支えている現場の人たちが、いろいろな仕組みの説明をしてくれるスペースが設けられていました。例えば、川を流れてくるのは水だけではなく、時にはバイクまで流れてくるそうなので、排水施設のポンプを守るために流入施設には「除塵機」が設けられているとのこと。排水機場だけではなく、その周辺のいろいろな施設が生活の安全を見えないところで支えているというわけです。


壁面に並んだ排気ダクトは消音のためにこの形になっているとのこと。ちなみに、ポンプ室というと機械音がうるさいというイメージがあるのですが、低い機械音はあるものの耳障りなほどではありませんでした。


ポンプ室の出口は龍Q館の中につながっていました。


スタッフの方に聞いてみたところ、このイベントには毎回多くの参加者が集まっていて、海外から来る人も多数いるとのこと。ただ、昨年までは2日間だった会期が今年は1日間で、それもあってか、かなり長い行列が形成されていました。


現地の説明員の方によると、まずポンプ室の見学に行って仕組みを知った上で調圧水槽を見学した方が面白いのではないか、とのことでした。もし来年以降に行く予定の人は、ぜひポンプ室にも行ってみて下さい。

その間にも、ピストン輸送のバスでどんどん人が送り込まれてきます。


あまりにもバスが混雑しているせいか、歩いてくる人も。


南桜井の駅前は大変な混雑になっていました。

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in 取材, Posted by logc_nt