タイムトラベルを体感するのにめちゃくちゃ簡単な方法＆理解するのも難しい方法

By JD Hancock

誰でも過去や未来に一度は行ってみたいと思ったことがあるくらいタイムトラベルには知的好奇心をくすぐる魅力が詰まっています。そんなタイムトラベルを可能にする方法を説明した「3 Simple Ways to Time Travel(＆ 3 Complicated Ones)」というムービーが公開されていて、時間旅行を簡単にする3つの方法と、複雑な3つの方法が提示されています。

3 Simple Ways to Time Travel (& 3 Complicated Ones) - YouTube


まずは、タイムトラベルをシンプルに行う3つの方法から。一つ目は「何もしないこと」で、人間のまわりでは常に時間が流れていて何もしないでも未来に進んでいる、つまりタイムトラベルし続けているということ。

ただし、自分と他人での時間の進み方は同じなので、いまいち未来に旅行している感じはありません。また、あまりにもつまらない方法でもあります。

時間旅行は、自分だけが未来に行くからこそ知的好奇心をくすぐるはず。

ということで、タイムトラベルを可能にする2つめの方法は「歩く」こと。

特殊相対性理論では、移動速度が速くなるほど時間の進み方が遅くなると定義されており、歩いている人は周囲の人より時間がゆっくり進むため、時間が経過した未来を見られることになります。

また、100m四方の敷地を1周した場合、家の前に立っている人よりも3フェムト秒だけ若いということに。

3つ目の方法は「立つ」こと。一般相対性理論では、重力が強いほど時間の進み方が速くなるので、立っている人は座っている人よりも、ごくごくわずかですが時間が早く流れるというわけ。

極端に言えば、地球の重心に近い足は頭よりも重力が強いため、約10フェムト秒だけ若いということに。

この重力による時間差により、地球からものすごく離れているGPS衛星は、地球にいる人よりも時間が早く進んでいるというわけです。

しかし、その違いはごくわずかで、タイムトラベルをしたい人はフェムト秒ではなく数年単位でのタイムスリップを期待しています。

ここからは、タイムトラベルを可能にする難しい方法が紹介。その１つ目は「宇宙の自転」です。一般相対性理論では、全宇宙がものすごい速度で自転している場合、宇宙の至る所でタイムループが発生するとのこと。

つまり、同じ期間を何度も繰り返すということです。

この考え方は、365日で同じ場所に戻ってくる地球の自転と考え方が似てるかも。しかし、残念なことに宇宙は自転していないことが過去の研究で判明済みです。

では、回転し続ける無限大の長さのシリンダーを作ってはどうか、というのが2番目の複雑な方法。ただし、無限の長さのシリンダーを作るのは現実的に考えて不可能です。

このシリンダーを実現してタイムマシンに積み込めるような大きさにするには、通常のエネルギーとは逆の符号を持つ仮説上の「負のエネルギー」が必要になります。

タイムトラベルを可能にする3つ目の方法は、「ワームホールを作る」こと。

空間上に存在するある点から、離れた場所にある点へと直結する空間領域のことをワームホールといい、SF映画で見たことがあるという人も多いはず。

ワームホールは仮説に過ぎませんが、作るのは物理的に不可能でないと考えられています。

ただし、問題なのは誰もワームホールの作り方を知らないということ。また、もし作れたとしてもワームホールを維持する方法は謎のままです。

宇宙学者のショーン・キャロルは「ワームホールを開けたままにするには、負のエネルギーが必要」と話したことがありますが、肝心の負のエネルギーの生成方法は判明していません。

タイムトラベルをシンプルに行う3つの方法は、誰でも時間旅行ができるもののフェムト秒という短すぎる時間のみ。複雑な方法は、実現するのにまだまだ時間がかかりそうです。ということで、実際には数年単位でのタイムトラベルを行うのに、もっと先の未来にいく必要があり、その未来に手早く行くにはタイムマシンが必要というわけです。