「国際宇宙ステーション」15周年記念、軽妙なカントリーソングをNASAが作成して公開中

地上約400kmの高さを飛ぶ国際宇宙ステーション(ISS)は、1998年に建設が始まり、2000年10月31日に宇宙飛行士の長期滞在が開始して以来15年が経過しました。これを記念して、NASAがISSの実績内容を軽快なカントリーソングに乗せて紹介するムービーが公開されています。

The International Space Station: A Musical - YouTube


「ISSの実績をいくつか紹介するよ」

「ISSには世界の15か国が参加しています」

「建設のために、何度もロケットが打ち上げられ……」

「次々と物資が届けられました」これまでに打ち上げられたロケットの回数は136回にも及ぶようです。

「ISSの大きさは、フットボールのフィールドと同じぐらいの大きさがあります」

「ISS内にはトイレが2つありますが、バスタブはありません」

「90分で地球を一周するスピードで飛んでおり……」

「その高さは地表から200マイル(約320km)以上。重量は100万ポンド(約450トン)にも及びます」

「ISSは人類の利益のために運用されています」

「その実現のため、新しい科学やテクノロジーが生みだされています」

「これまでにISSに滞在した宇宙飛行士の数は200名以上」

「新しい世界への冒険を行う人類のヒーローといえる人たちです」

こんな様子で、NASAはカントリー・ブルーグラスど真ん中な曲調でこれまでの経緯を簡単に振り返っています。何ともアメリカン満点な曲になっているので、気になった人は要チェックです。

◆ホワイトハウスからもISS滞在15周年に寄せるコメントを発表
人類の宇宙滞在が15年にわたって続けられてきたことに対し、政府でNASAの活動に携わる主要人物からの声明が発表されています。

White House, NASA Administrator Statements Mark ISS Anniversary | NASA
http://www.nasa.gov/press-release/white-house-nasa-administrator-statements-on-15-years-of-human-habitation-aboard

ホワイトハウスで大統領科学技術補佐官を務めるジョン・ホルドレン博士は、「ISSは声明や科学における画期的な検証を可能にしてきた施設で、NASAが再び人類を地球の軌道を越えて宇宙へ送り出すための研究環境をもたらしてきました。そしてさらに、ISSを各国が共同で管理してきた国際的なパートナーシップは、人類が平和に力をあわせて成し遂げることの輝かしい実績です」とコメント。また、NASAのチャールズ・ボールデン長官は「ISSは、平和的で地球規模の協力関係のあり方を示すものといえるでしょう。15年以上にわたって、ISSは15か国の何万人という人々が共通の目的のためにどのようなことができるのかを私たちに教えてくれました」と語り、さらにISSが2030年代に火星到達を目指す人類にとって重要な施設であるとしています。

当初の予定ではISSは2016年までの運用が予定されていましたが、すでに2020年までの運用延長が決定済み。さらに、アメリカを中心に火星などの有人探索の研究拠点とする目的で2024年までの延長が検討されていますが、巨額の予算を必要とするために各国からは難色を示す声が上がっていることも事実。今後のISSの行く末が気になってくるところです。

◆おまけ
NASAはISSの大きさを「フットボールのフィールドぐらい」と表現していますが、一歩カナダに足を踏み入れると状況が変わってくる模様。ISSに参加しているカナダ宇宙庁は「ISSの大きさはフットボールフィールドぐらいといわれますが……カナダではアイスホッケーで表現しましょう！」とのことで、ISSの大きさをアイスリンク5個分と説明。アイスホッケーの盛んなカナダならではの内容となっていました。

How big is the ISS? - Canadian Space Agency