ハードディスクが物理的にデータを記録している仕組みがわかるムービー「How do hard drives work?」


膨大な量のデータを小型の機体に保存できるハードディスクドライブ(HDD)は、PCに内蔵されていたり外付けのストレージとして使用されていたりと、現代人の生活に浸透しています。そんなハードディスクは一体どのようにデータを読み書きしているのかが分かるムービー「How do hard drives work?」を、教育系ムービーを多数制作しているTED Edが公開しています。

How do hard drives work? - Kanawat Senanan - YouTube


地上から1mmの高さで、25秒で地球を1周する飛行機を思い浮かべてみてください。


この地球を手のひらサイズに縮めたものが、「HDDの世界」です。


一体、どうやって大量のデータを小さな機体に保存しているのでしょうか?


HDDの内部には、高速で回転するディスク(プラッタ)が何枚も重なっています。


それぞれのディスクの表面では、データを読み書きするための磁気ヘッドが動いています。


ディスクは微少な磁性金属の薄い膜で覆われていて、磁性金属の粒が集まってブロック(磁区)を形成しています。


ブロックひとつひとつが、コンピューターの情報量の基本単位である「1ビット」となります。


ブロックごとに磁気の方向が決まっていて……


片方が「0」、もう片方が「1」を表します。


ディスクにデータを書き込む際には、ビット列が電流に変換されます。


磁気ヘッドの先端についている電磁石は、ディスク表面のブロックの磁気方向を変えることができるほど強い磁場を作っており、ディスクに磁気を与えてデータを書き込みます。


ディスクに書き込まれたデータは、磁気リーダーを通して再びビット列に変換することで読み出すことができます。この仕組みは、レコードの溝に針を置いて音楽を奏でるレコードプレイヤーの仕組みとよく似ています。


それでは一体、膨大な量のデータをどうやって「0」と「1」の2種類だけで表すのでしょうか?


答えは「0と1をいくつも並べること」。コンピュータで情報を表す最小単位は1バイト(8ビット)で、0か1を表すビットが8つ並んでいます。例えばアルファベットの「A」は01000001、小文字の「a」は01100001、「B」は01000010、というように8桁の組み合わせで256通りのデータを表すことができます。


写真であれば、平均して1枚あたり1メガバイト(800万ビット)程度のデータ量を要します。


できるだけ多くの情報を1つのディスクに記録するために、ディスクの記録密度を増やして1インチ四方あたりのデータ量を増やす開発が進められてきました。近年のハードディスクの記録密度は1インチ四方あたり600ギガビット程度。


1957年に登場したIBM製の世界初のHDDに比べて、約3億倍の記録密度を誇っています。


磁気ヘッドやリーダーの小型化によって、HDDのサイズ自体もだんだん小さくなっています。


電波のノイズを軽減する数値計算用アルゴリズムの進化によって、ビット同士の距離を近づけて、同じ面積でより多くのデータを書き込むことが可能になりました。


また、電磁石の熱膨張をコントロールするヒーターを磁気ヘッドに取り付けて、ディスクとヘッドのすきまを人間のDNA2個分の5nm以下に収めることに成功。


このような技術進歩のおかげで過去数十年の間、記録密度はムーアの法則に従って約2年ごとに倍増してきましたが、1インチ四方あたりの記録密度が100ギガビットを超えたあたりで、ハードディスクは超常磁性と呼ばれる問題に直面しました。


超常磁性とは、温度変化によってディスク表面の磁化の向きが意図せずして反転してしまい、データが失われるという問題です。


この問題は、磁気を記録する向きを垂直にすることで解決し、さらに記録密度を1インチ四方当たり1テラビットに増やすことに成功。2014年にはついにハードディスク容量が10TBに到達しています。


また、レーザーを使ってディスク表面にピンポイントで熱を与えてデータを書き込む「熱補助型磁気記録(heat assisted magnetic recording、HAMR)」という技術が、実用化に向けて開発中です。


他にも、磁気メディアの表面に凹凸のパターンを加工することで、ビット1個1個を独立させて隣のビットに漏れる磁界を大幅に減らすビットパターンメディア(Bit Pattern Media)という技術も開発されていて、もしも実現すれば1インチ四方当たり20テラビット以上の超大容量記憶装置を作り出すことが可能です。

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in ハードウェア,  動画, Posted by darkhorse_log