取材

スポーツカーと最先端デザインのトラクターが異彩を放つ「KEN OKUYAMA DESIGN」の東京モーターショーブース


2015年10月30日(金)から一般公開が行われている東京モーターショー2015のKEN OKUYAMA DESIGNブースでは、ついに市販が開始された2座席クーペタイプスポーツカー「kode9(コード9)」の実車や、同社がデザインしたヤンマーの最先端デザイン大型トラクター「YT5113」の量産モデルなどが展示されていました。

TOKYO MOTOR SHOW WEB SITE
http://www.tokyo-motorshow.com/

TMS44_KOD1028プレスリリース
http://www.kenokuyamadesign.com/main/wp-content/uploads/2015/10/20151028_pressrelease_j.pdf

KEN OKUYAMA DESIGNのブースに到着。


真っ先に目に飛び込んできたのが、鮮やかなライトブルーをまとったクーペタイプのスポーツカー「Kode9」。


クラシカルなフォルムですが大きく盛り上がったフェンダーや、リヤのテールフィンなどの個性を持つデザインが特徴的なクルマです。2013年の東京モーターショーではコンセプトモデルが展示されていましたが、今回はれっきとした市販バージョンをワールドプレミアで展示しています。


2名がスポーツ走行を楽しむために作られたコクピット部分。シートやステアリング、ドアトリムにはステッチ入りの鮮やかなレッドレザーがおごられてゴージャスな雰囲気。カーペットも鮮やかなレッドとなっています。


ドライバー後方に横置きされるエンジンは、スーパーチャージャー付1.8リッター4気筒エンジン。ただしこれは展示車両のスペックで、実際のKode9は車両をオーダーする際にカスタマーの好みに応じてエンジンをセレクトすることが可能。車重わずか810kgという軽量ボディをキビキビ走らせるという、近年の重量級スーパースポーツとは異なる、スポーツカーの原点ともいえる走りを実現しているとのこと。


ホイールもKEN OKUYAMA DESIGNオリジナルのものを履いていました。


Kode9の横には、兄弟車種となる2座ライトウェイト・スパイダーモデルとなる「Kode9 Spyder」のプロトタイプを展示。水色とオレンジの「ガルフカラー」にデザインされていますが、これほどこのカラーリングが似合う車もなかなかありません。


ドライバー後方には2つのロールバーを装備し、エンジンフードはフラットなものになっています。ゴージャス感さえ感じさせるKode9に比べ、Kode9 Spyderは軽量さを感じさせるデザインになっているのが大きな特徴。ボディ後端のぴょこんと跳ね上がったダックテールも、クラシカルなスポーツカーならではのデザイン。


インテリアは、Kode9と同様に鮮やかなレッドとブラックの2トーンに仕立てられていました。


KEN OKUYAMA DESIGNを率いるデザイナーの奥山清行氏は、かつてフェラーリのデザインを担当するピニンファリーナのデザインディレクターをはじめ、欧米の自動車メーカーでデザイナーを歴任した人物。2006年に独立してKEN OKUYAMA DESIGNを立ち上げ、独自デザインのスポーツカーのほか、鉄道車両や航空機などのデザインにも関わっているとのこと。代表的なところでは、北陸新幹線E7系・W7系電車のデザイン監修にも携わっています。


これらスポーツカーの後からにらみを効かせるように鎮座していたのが、ド迫力のにらみを効かせるヤンマーのハイエンドトラクター「YT5113」。トラクターのイメージとはかけ離れた深いメタリックレッドをまとったボディからはプレミアム感すら漂ってきます。


1.5メートルはあろうかという巨大なタイヤを持つ車体はどこから見てもとにかくド迫力。これは決してコンセプトモデルではなく、実際に市販されている車両というのだから驚きを隠せません。


展示中のモデルはフロントバンパーだけがショーモデルとなっていますが、残る部分は市販車そのままとのこと。「なぜKEN OKUYAMA DESIGNがトラクターを!?」という質問をよく問いかけられるとのことですが、実は奥山氏はヤンマーにおいてデザイン担当役員として手腕を振るっているとのこと。どうりでこんな個性的なトラクターが生まれるわけです。


トラクターを操る農家さんにとってトラクターはまさに「相棒」と呼べる存在。10年以上にわたって付き合っていく相棒と言うことで、そこにはやはり深い愛情を注ぎ込むだけの高い品質が求められるとのこと。より良い相棒となるために、ヤンマーでは奥山氏の監修のもとでデザイン面にも力を注いでいるそうです。


ヤンマーのサイトでは、YT5113の魅力を紹介する特設ページも用意されています。

VISUAL BOOK|YT490・YT5101・YT5113|耕うん・管理 - トラクター|農業|ヤンマー
https://www.yanmar.com/jp/agri/cultivator/tractor/yt490_yt5101_yt5113/visual_book/

実際に運転席にも座ってみました。「座る」というよりは、まず「よじ登る」という作業が求められる車体。


ステップもヘビーデューティー仕様。


室内は意外といえるほど快適な空間になっていました。シートはエアサスを内蔵し、乗り心地を追求とのこと。


シートに座ると目の前には大きなハンドルとエンジンのタコメーター。ハンドル中央に据えられたヤンマーのマークが誇らしげ。ガラスの向こうを見ればわかるように、視点の高さが2メートル以上あるので、シートからの眺めは最高。


シート右手には、車体に装備する機器をコントロールするレーバー類や各種情報を表示するカラーモニターなどがまとめられています。


シート左側にはシフト関連のコントロールとドリンクホルダーなど。トランスミッションはオートマチック制御となっているそうです。


ワイパーが見えることからわかるように、車体前方から真っ赤なエンジンフードがフロントガラスを貫通して車内に連続するデザインが取り入れられています。


快適装備も抜かりなく。ドライバーの頭上にはエアコン類のコントロールや……


オーディオ機器など。長時間の作業にあたる「オフィス」としての居心地の良さが重視されているようです。


YT5113は100馬力という大出力エンジンを搭載するハイエンドトラクターということで、その価格はおよそ1000万円クラスとのこと。なかなか「デザイン」という概念が取り入れられなかった農機具の世界にデザインという新しい概念を持ち込んだヤンマーの狙いが実を結ぶことになるのか興味は尽きません。なお、すでに多くの車両が実際に販売されているとのことです。

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in 取材,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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