Appleのティム・クックCEOによる「自動車業界は大きな変化の準備中だ」などのイベント発言まとめ


自社での自動車開発に備えて広大な走行試験場と交渉していることが判明しているAppleのティム・クックCEOがThe Wall Street Journal(WSJ)が主催する技術カンファレンスに登壇し、注目が集まる自動車開発やプライバシー問題、Appleの企業ビジョンなどについていろいろ語りました。

Tim Cook says car industry is ready for 'massive change' | The Verge
http://www.theverge.com/2015/10/19/9572623/apple-car-tim-cook-interview

クック氏は2015年10月19日から21日にかけて開催されたWSJ.D LIVEに登壇し、今後の自動車業界などの見通しについて、WSJ紙のジェラルド・ベーカー編集局長と対談を行いました。


クック氏は「いま私たちが手がけていることは将来明らかになるでしょう。しかし、自動車業界はいま大きな変化を迎える岐路にさしかかっていると考えています。これは単にこれまでの進化の流れにある変化ではありません」と語っており、これはこれまで続いてきた自動車の進化から別の流れが生まれることを示唆する内容と考えられます。

また、Appleの目標についてクック氏は「iPhoneで得られるエクスペリエンスを自動車でも提供する」と、同社から自動車関連のプロダクトが登場することを感じさせる内容の発言を行いましたが、具体的な内容には踏み込みませんでした。


さらに、「将来の自動車では、ソフトウェアの重要性が次第に増していくでしょう。自律運転が重要さを増して行きます。そして自動車における多くの重要な技術は別の技術へシフトして行くでしょう。これまでの内燃機関に重点を置いた技術から、人々に強い感動を与える技術へというふうに。この業界では、大きな変化が起こるでしょう。大きな変化が」と強調し、来たるべき新しい自動車の世界を示す発言を残しました。

この他にもクック氏が語った内容が以下のページでまとめられています。

Live from WSJD with Tim Cook - The Verge
https://live.theverge.com/wsjd-tim-cook-2015/?_ga=1.140632114.1825815219.1445384180

◆iPhoneに始まり今後登場が予想される自動車まで、Appleは人々の暮らしの全ての要素をコントロールすることを考えているのか?
クック氏:
Appleはユーザーに人生におけるあらゆる次元でのシームレスなエクスペリエンスを提供したいと考えています。また、「仕事」と「ホームライフ」を明確に区別する基準はありません。


◆Apple Watchの売り上げ実績は?
クック氏は「公開する必要のない情報については、明らかにするつもりはありません」と回答をやんわりと拒否。ベーカー氏の「Apple Watchは生活に不可欠というわけではないと思いますが?」というキツい質問に対しては「試すチャンスを与えるべきです。現在はユーザーの満足度が増加しているところです」と語り、苦しさをにじませながらも今後の展望に期待する様子を見せていました。

◆Apple Musicについて
9月末からサービスが正式にスタートしたApple Musicについてクック氏は「非常に好調です」と予想通りとも言えるコメント。有料登録ユーザーが650万人、無料トライアルが850万人にのぼる状況を踏まえ、1500万人もの人がサービスに登録している状況について「とてもファンタスティックに感じています」と語り、先行するSpotifyなどに対しては「人の手でキュレーション(選曲)している」という強みを語っていました。


◆Apple Storeについて
クック氏:
来年末までに、Appleは中国で40店舗以上のApple Storeを展開するようになります。中国はApple全体の利益うち20%台の割合を占めるマーケットです。

◆プライバシー問題について
ベーカー氏が尋ねたプライバシーとソフトウェア機能のトレードオフ関係についてクック氏は「プライバシーは我々にとって非常に重要なもので、企業としてのキーバリュー(鍵となる価値観)です。プライバシーとユーザーエクスペリエンスをてんびんにかけるつもりはありません。両方を実現するのが我々のビジョンです」と語り、プライバシーを守りつつ商品の機能を高めるという姿勢を明らかにしています。さらに「暗号化なしで人々のプライバシーを守る方法など思いつきません」と語り、「今日の世界では、暗号化は不可欠の要素です」としています。


クック氏はまた、Appleは情報を暗号化した状態でもGoogleレベルのインターネットサービスを提供できると語り、ここでもプライバシーに配慮する姿勢を強調。また、他人がソフトウェアの「裏口」から侵入できるバックドアに関しては、「良い人だけが使えるバックドアなど存在しません。全てのバックドアは、悪い人に悪用されるものです」と語った上でApple製品に関してバックドアの存在を否定し、取り沙汰されている安全保証機関の要請に従ってバックドアを実装することへの否定的な見解を述べていました。

このほか、クック氏は「Appleを創業したスティーブ・ジョブズは、技術で世界を変えたいという気持ちで会社を作りました。スティーブは技術を人々が使える商品に落とし込み、ユーザーに力を与えることを望んでいました。研究施設や企業、技術を持つ金持ちから飛び出すこと、それが今でもAppleを動かす力です」とAppleのビジョンを語りました。

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