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映画製作者が「色」で観客の心情を操作する方法とは?


人間は目に映る色から無意識に心理的影響を受けるため、ハリウッドなどの映画製作スタジオでは、映画の演出に合わせて観客の心情を誘導できる「カラーグレーディング」の技術を応用しています。そんな映画における色補正はどのようにして行われているのか、The Vergeのムービーで解説されています。

How filmmakers manipulate our emotions using color - YouTube


映画を製作する上で、「どんな色を使うか」は観客に与える影響を変化させる重要な要素。ジャンルによってよく使われる色がありますが、それは各ジャンルに適した影響を与えることができるためとのこと。


例えばロマンス映画では、暖色系の赤いトーンの色がよく使われています。


ホラー映画では暗い青色で恐怖を演出。


SF映画では青や緑が多用されます。


そして、ジャンルにかかわらず「青とオレンジ」が映画中でよく使われる色として知られています。


色は心理的に人間の感情に影響を与えるため、映画業界では数十年にわたってそれぞれの色が持つ効果が検証されています。


1980年にRobert Plutchikが提唱した「感情の輪」は、映画業界でもカラーグレーディングの指針として重宝されているとのこと。


以前までは映画フィルムのカラーグレーディングはコストのかさむ作業でしたが、現在はデジタル加工が主流になったことにより、低コストでカラー調整が可能になっています。


また、「素晴らしき哉、人生!」のような白黒映画時代に生まれた古き良き名作も……


デジタル加工によりカラー映画となって復活するなど、現代だからこそできるようになったデジタル技術が活用されています。デジタル加工技術の普及に伴って、カラー調整は特別なシーンだけに行うものではなく、いまや映画製作者にとって標準作業の1つとなっています。


中でも、ハリウッドは青とオレンジの調整を重要視する傾向にあるとのこと。


これは青とオレンジの色補正に俳優を背景から浮き立たせる効果があること、カラーホイールで見ると青とオレンジの領域はお互いに補色する関係にあることなどが挙げられます。


従って、俳優をオレンジ系統の色で調整し、背景をオレンジの対角線上にある青系統の色で調整する、といった手法が採用されているとのことです。


また、これらのカラーグレーディングの知識を知っておけば、映画製作者ではなくても、スマートフォンアプリの「VideoGrade」などを使って動画を編集する時にも役立てることができるわけです。


ムービーの最後は「カラーグレーディングがどれほどの効果をもたらすか」ということの実例として、全く同じシーンの色合いを変えるだけで、全く違った印象を与えられることを示しています。以下がベースとなっている、女性がメリーゴーランドを眺めるワンシーン。


メリーゴーランドの黄味を強くすると、思い出のワンシーンのような印象になり……


全体的に色調を暗くすると、今にも事件が起きそうな雰囲気になりました。


黄色や赤色などの明るい色調になると、楽しげなワンシーンに。どれも女性は同じ表情・同じ動きにもかかわらず、色合いによって受ける印象が全く異なることがわかります。

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in 動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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