アポロ月面着陸の際に撮影された貴重な高解像度画像がFlickrで無料ダウンロード可能に

1961年から1971年にかけて実施されたNASAのアポロ計画では12人の宇宙飛行士が月の大地に降り立ち、人類が地球以外の天体に到達した偉業として知られています。そんなアポロ計画で撮影されたとてつもない数の写真が写真共有コミュニティのFlickrで公開され、誰でも自由に閲覧できるようになっています。

Thousands of Photos by Apollo Astronauts now on Flickr | The Planetary Society
http://www.planetary.org/blogs/jason-davis/2015/20151002-apollo-astronaut-photos-flickr.html

Flickrに膨大な写真をアップロードしたのは、アメリカ在住のKipp Teague氏。同氏は1999年にもアポロ関連の写真をサイト「The Project Apollo Archive」で公開していました。

The Project Apollo Archive

すでに貴重な写真がThe Project Apollo Archiveで公開されていたわけですが、今回のFlickrでの公開はこれを上回るものとなっています。画像はカメラで撮影したフィルムをスキャンしてデータ化されたものなのですが、その解像度は1800ppiとなっており、The Project Apollo Archiveの1000ppiを大きく上回るものとなっています。また、今回の画像は「一切の修正なし」となっており、従来は多少の補正が行われていたものが、今回は完全オリジナルの状態で公開されているとのこと。2015年10月5日時点では、1万1191枚の写真がFlickrで公開されています。

Project Apollo Archive’s albums | Flickr - Photo Sharing!
https://www.flickr.com/photos/projectapolloarchive/albums

Flickrのページでは、アポロ計画で初めて宇宙飛行士を乗せて宇宙に打ち上げられた「アポロ7号」から、同計画最後の打ち上げとなった「アポロ17号」までの写真が分類された状態でアップロードされています。打ち上げごとに「Magazine ◯◯」と分類されているのは、当時使われていたハッセルブラッド社製のカメラに装填されていたフィルムカートリッジの番号を示しているようです。

アポロ計画の写真といったらやっぱりこのあたり。月着陸船「イーグル」から降り立つバズ・オルドリン宇宙飛行士。

By Project Apollo Archive

月に降り立ったことを象徴する月面の足跡。なお、一見すると盛り上がっているように見えるこの写真ですが、実は目の錯覚によるものだとのこと。よく見れば、右下から左上にかけて太陽光が当たって影ができており、足跡がくぼんでいることがわかります。

アームストロング船長が撮影したオルドリン操縦士の姿。ヘルメットのミラーバイザーには、カメラを構えるアームストロング船長の姿が映っています。

こちらは映画にもなった「アポロ13号」の月着陸船の写真。爆発事故の後、「救命ボート」として3名の飛行士を地球まで届けた最後の姿が収められています。

爆発で損傷した機械船の姿。大気圏突入寸前に司令船から切り離された直後に撮影されたもので、酸素タンクと水素タンクを覆っている第3区画のカバーが外れて中身がむき出しになっています。

このように、「Project Apollo Archive」のFlickrページでは1万枚以上におよぶ膨大な写真をつぶさに確認することが可能。数が多すぎて全ては確認できていませんが、いずれの写真もパブリックドメインが設定されているようです。