テレビカメラを全て「iPhone 6」に置き換えることに決定したスイスのテレビ局、実際の取材風景はこんな感じ


スイス・ジュネーブの地方テレビ局である「Léman Bleu」は、プロのカメラ機材の使用を中止して撮影機材をiPhoneに切り替えることがわかりました。リポーターがiPhone 6で自撮りしながら現地の様子を実況したり、インタビューを行いながらiPhoneで現場を撮影したりする様子がムービーに収められており、さらにLéman Bleuのディレクターが、今回の決定に関する意向をインタビューで説明しています。

What a TV news channel in Switzerland learnt as they replaced cameras with smartphones | The News Minute
http://www.thenewsminute.com/article/what-tv-news-channel-switzerland-learnt-they-replaced-cameras-smartphones-34655

実際にLéman BleuのリポーターがiPhone 6を使っている様子は、以下のムービーから見ることができます。

LiveU - Léman Bleu Switzerland goes LiveU

Léman Bleu Switzerland goes LiveU

You knew it had to happen, right? A local TV news station in Switzerland has gone “100% iPhone”. Over the summer, Léman Bleu outfitted each of its reporters with an iPhone 6 with LiveU's LU-Smart software and SmartGRIP's to shoot their live stories.

Posted by LiveU on 2015年9月23日

一見普通に現地で状況をリポートしているように見えるニュース映像。


カメラマンや音声スタッフがリポーターの前に構えている光景が想像できますが、これらの映像は全て、iPhone 6を使って撮影しています。


もちろん、通行人や取材を受ける人に向けるカメラもiPhone 6。


LiveUのLU-Smartというアプリと、SmartGRIPというスマートフォンホルダーを使っており、iPhone 6で撮影した映像を中継しています。


道行く人もリポーターの斬新なスタイルに驚きを隠せない様子。


場合によっては、自撮り棒を使ってアングルを確保して撮影するようです。


場面が切り替わり、消防隊員が要請を受けて出動するシーンになりました。


これもリポーターがiPhone 6で撮影している映像。


従来の大型カメラでは消防車内の様子を撮影するのは難しいはずですが、片手で持てるiPhone 6だからこそ、密着した映像が撮影できるようになっています。


外付けレンズをつけたiPhone 6で、取材相手を撮影しながら質問しています。カメラマンを連れて来る必要がないため、特に緊急時には迅速に現場に駆けつけて状況を報道できるわけです。


iPhone 6は撮影するだけではなく、もちろん連絡をとるツールとしても活用可能。


高価なカメラ機材の代わりにiPhone 6を使うのは斬新なアイデアですが、ガイドラインをしっかり定めていけば、画期的なツールになり得る潜在性を秘めています。


編集のいらない簡単な映像や、一刻を争うようなシーンなら、iPhone 6から直接SNSに投稿、といった新しい報道の形が生まれています。


この取り組みに対して、The News MinuteがLéman Bleuでディレクターを務めるローラン・ケラー氏に対してインタビューを実施しており、今回の決定に関する経緯を質問しています。

The News Minute(以下、TNM):
スマートフォンでニュース映像を撮影するという、今回の実験的取り組みを決定した背景や理由について話してください。

Léman Bleu ローラン・ケラー氏(以下、ケラー):
「軽さ」「迅速な対応」「素早いコンテンツの提供」などの要素を追求した結果です。たった1つのツールでウェブ、SNS、テレビという全てのメディアにコンテンツを提供することができるようになります。「スマートフォン」という撮影機材を受け入れることで"生きた"情報を手にすることができ、ジャーナリストはより良い報道が可能になるのです。また、機材費用の節約効果は絶大です。スマートフォンを備えた取材キットは従来の機材より低コストなのは明らかです。

現代のスマートフォンは、うまく使いこなせば十分にきれいな写真を撮影可能です。また、スマートフォンで撮影することにより、映像の内容まで変化します。普段私たちが行うインタビューでは、巨大なカメラを向けられながら話すことになりますが、スマートフォンを向けられた相手は緊張することがなくなるでしょう。

TNM:
デメリットはなんですか?

ケラー:
スマートフォンのカメラは明度の変化に対する反応が良くないこと、そして従来の機材のようにズームできないので、ゴルフやサッカーといった特定のスポーツの撮影が難しいことです。

TNM:
Swisscom(スイス最大の通信キャリア)は今回の取り組みで重要な役割を果たしますか?

ケラー:
今後、私たちが直面する技術的問題の解決策を持っているでしょう。1つはSwisscomが持つ高度な4G技術で、ライブ・ストリーミングを改善することができています。

TNM:
Léman Bleuのような小規模な地方テレビ局のために何かアドバイスはありますか?

ケラー:
品質の低下を恐れないことです。大衆はとても寛大で、対象がしっかり映っていて、正しいアングルで映像を提供している限り、彼らは興味を失わずにいてくれるでしょう。

TNM:
同業者から、または視聴者からどんなフィードバックを受けましたか?

ケラー:
どちらも反応は非常に大きかったのですが、それは今回の取り組みを継続するべきであることを確信できる重要な意見でした。しかし、フィードバックの中には、映像品質の変化や、映像・音声産業の職業の将来に対するためらいが存在することもしっかり理解しているつもりです。

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