2015年10月01日 20時00分モバイル

国内通信キャリアのLTEカバー率＆速度は世界的に見てどれぐらいか、世界のLTE携帯電話網事情はこんな感じ

By Chris Halderman

日本でドコモ・au・Softbankといった主要な3大通信キャリアのスマートフォンを使っていると、都市部であればほとんど全てのエリアがLTE通信網でカバーされており、3Gに切り替わることは少なくなっています。世界的にもLTEカバー率は増加しており、国によっては30Mbps以上の高速LTE通信網が利用できるようになっているわけですが、3G・LTE・Wi-Fiエリアを測定・表示するアプリの「OpenSignal」が、アプリから収集した匿名データを分析し、日本を含む「世界のLTE携帯電話網事情」を明らかにしています。

The State of LTE September 2015 - OpenSignal
http://opensignal.com/reports/2015/09/state-of-lte-q3-2015/

◆LTEカバー率＆速度の総合スペクトラム
以下の図は世界中のユーザーが測定した2015年6月～8月の3か月間の匿名データを元に、世界のLTE速度を縦、LTEカバー率を横で表示したもの。色のついた点はそれぞれ通信キャリアを表わし、点が右上に付いているほど速度・カバー率ともに優れていることになり、逆に左下に寄るとLTE状況があまり良くない、ということを表わします。

世界で最もLTE速度が速いのは、シンガポールの通信キャリア「StarHub」。LTEの下り速度は38Mbpsと爆速で、なおかつカバー率も77％を誇っています。シンガポールはStarHubを含む主要3大キャリアが全て右上に位置しており、国全体でLTE環境の整備が進んでいる模様。

世界で最もLTEカバー率が高いのは、韓国の通信キャリアであるLGテレコムで、なんとカバー率100％を達成しています。韓国の3大キャリアのLTE速度は26～34Mbpsにとどまっていますが、いずれもカバー率は96％以上とほぼ全てのエリアでLTEが使えるようになっています。

なお、図の右下から表示させたい国や通信キャリアだけを選択可能で、日本の通信キャリアだけを表示させるとこんな感じ。世界的に見ても国内通信キャリアは非常に優れたLTEカバー率を持っていますが、LTE通信速度はアメリカ・ヨーロッパよりは上なものの、トップレベルには至らない平均的なレベル。なお、国内最速の通信キャリアはSoftbankの20Mbpsで、次いでKDDIが14Mbps、NTTドコモが12Mbps。カバー率トップはKDDIの94％で、NTTドコモが91％、Softbankが80％と続いていました。

◆LTEカバー率比較
LTEカバー率は同じ国でもキャリアによってばらつきがありますが、国ごとに展開している通信キャリアのカバー率を統合して比較した図がコレ。すると世界1位はLTEカバー率97％を誇る韓国ですが、2位はカバー率90％で日本がランクインしています。なお、世界ワースト3は後ろからスリランカ(38％)、エクアドル(39％)、フィリピン(39％)です。

各国の通信キャリアのLTEカバー率を比較した図では、世界トップ3を韓国が占めるという結果に。KDDIのLTEカバー率が世界第4位となっていました。

◆LTE速度比較
国ごとに展開している通信キャリアのLTE通信速度の平均値を比較した図では、1位が下り36Mbpsのニュージーランド、2位が下り33Mbpsのシンガポール、3位が下り30Mbpsのルーマニア。人口よりも羊の生息数の方が多いと言われるニュージーランドでは、ユーザー数の少なさが一端を担っていると考えられますが、どの国も爆速。日本の平均値は下り14Mbpsなので、今後の改善に期待がかかります。ワースト3は後ろからイラン(3Mbps)、コスタリカ(3Mbps)、パキスタン(4Mbps)。

キャリア別に比較すると、1位がシンガポールのStarHub(38Mbps)、2位がルーマニアのVodafone(36Mbps)、3位がデンマークのTDC(35Mbps)です。

◆LTE対Wi-Fi速度比較
以下は全世界のWi-Fi・2G・3G・LTEのダウンロード速度を比較したもの。最速なのはなんと12.6MbpsのLTEで、Wi-Fiは5Mbpsにとどまっており、固定されたWi-Fiスポットを使わなくても、携帯通信網に接続すれば世界最速で通信できることを表わしています。これは北米や東アジアでは、自宅やオフィスのWi-Fiだと50Mbps以上の速度を出せることもありますが、コーヒーショップなどで提供している、無料で低速のWi-Fiスポットなど全ての数値が含まれているため、とのことです。