Appleから開発者権限を取り上げられてアプリが消滅する原因となった第4世代「Apple TV」バラバラ分解レポート


新端末が発売される度にバラバラに分解して、部品や構造を公開しているiFixitが、2015年10月後半発売予定の「第4世代Apple TV」の分解レポートをアップしたところ、Appleから開発者権限を剥奪されてApp Storeからアプリが削除される事態に陥っています。

iFixit App Pulled from Apple's Store | iFixit
http://ifixit.org/blog/7401/ifixit-app-pulled/

第4世代Apple TVは未発売品ですが、端末のレビュー用としてApple本社からiFixitのもとに送られてきたもので、Appleは端末の分解を許可していなかったそうです。しかしiFixitは「分解は私たちのDNAに組み込まれた作業です。ガジェットを分解して部品を調べることが何よりも幸せなことです」と、リスクを冒してでも分解を強行。数日後に、Appleからメールが届き「分解行為はB2Bプログラムの意図する利用方法から外れており、製品のパフォーマンスを損なう可能性があり、デベロッパー用のApple製品使用規約を破った」ことを理由に、iFixitはデベロッパーアカウントの利用停止措置を受けることになります。デベロッパーアカウントにiFixitのiOSアプリがひもづけられていたため、App Storeでのアプリの配信が停止してしまったようです。


しかしiFixitによれば「アプリの機能は全てモバイル用サイトにあるものと同じなので問題はありません。配信停止になったアプリはiOS 4用に作ったものでかなり時代遅れだったので、今後はアプリを作り直すのではなく、モバイルサイトの開発に注力していきます」と今後の計画を語っています。また、Android用アプリについては開発を続行する予定とのことです。

iFixit: Repair Manual - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.dozuki.ifixit


問題となった第4世代Apple TVの分解の様子は、以下から見ることができます。

Apple TV 4th Generation Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Apple+TV+4th+Generation+Teardown/49046

第4世代Apple TVはデュアルコアの64ビットApple A8チップを搭載していて、802.11a/b/g/n/ac Wi-Fi対応。赤外線リモコンの受信部、HDMIポートを備えています。リモコンはガラスのような手触りで、マイク、加速度計、ジャイロスコープ、赤外線送信部、Lightningコネクタを搭載していて、Bluetooth 4.0に対応しています。


Apple TV本体背面にはリンゴマークが大きくプリントされています。


前モデル(右)と比べると高さが1.5倍ほど高くなっています。第4世代Apple TVではUSBケーブル用の端子が新たにUSB Type-Cに変更されています。


背面カバーのスキマにピックを差し込んで分解開始。カバーと本体はプラスチック製の留め金で固定されていて、接着剤やネジは使われていません。


ヒートシンクを覆っているカバーは六角星型の特殊なネジで固定されているので、Pro Tech Screwdriver Setのドライバーを使ってネジを取り外します。


さらにプラスチックの留め金を外すと、カバーをはがすことに成功。


ボード部分はそのまま持ち上げて取り出せるようになっています。


中央の赤枠部分がA8チップで型番はAPL1011。チップ内部にはHynix製のLPDDR3 SDRAMメモリ(2GB)が搭載されています。オレンジ色がUniversal Scientific Industrial製の339S00045 Wi-Fiモジュール、黄色がSMSC製USB-EthernetコントローラのLAN9730、緑色が2015年製MacBookに搭載されているものとよく似たApple製メモリの338S00057、水色がDP2700A1、青色がTexas Instruments PA61、紫がFairchild製セミコンダクタDF25AU 010D 030Dとなっています。


ロジックボード下部には赤枠で囲われたHynix製32GB NAND FlashのH2JTEG8VD1BMR、オレンジ枠にNXP製1112 0206 5271B4K、黄枠のV301 F 57K C6XF G4が確認できます。


熱を逃がすために本体上部にヒートシンクを配置しているのですが、このヒートシンクの巨大化により、Apple TV自体のサイズが大きくなった模様。第3世代Apple TVは3.4V/1.75Aだったのに対して、第4世代Apple TVでは12V/0.917Aとなっています。


なお、ヒートシンクとロジックボードをつなぐケーブルが見当たらず、iFixitは「何らかの魔法で電力を供給しているのか、ロジックボードを固定しているネジ穴から通電しているのではないか」と分析しています。


続いて付属のリモコン「Siri Remote」も分解していきます。本体背面はiPhone 6sのようなメタル素材で、リンゴマークが描かれています。Siri Remote1台でApple TVの操作と通常のテレビの操作が両方可能とのこと。


まずはiOpenerを使ってSiri Remoteの前面パネルを温めて、接着剤を溶かしていきます。


本体下部のつるりとした部分もボタンとして機能するようになっていて、全面に接着剤がべったりと張り付いているため、やや分解は難航。


なんとか底面とのスキマにピックを差し込んでこじ開けていきます。


ペン状の分解ツールSpudgerを押し込んで、上下のパーツをはがしていきます。


上下のパーツが分かれたところはこんな感じ。6個のボタンは接点が以下のようになっています。


下部分のパーツに搭載されているロジックボードには、黄枠部分にQualcommが買収したCSR製のBluetooth無線チップCSR1010、赤枠部分にARM Cortex-M3プロセッサ搭載のST Microelectronics製のSTM32L 151QDチップ、オレンジ枠部分にはiPhone 5s/5c/iPad Airにも使われているBroadcom製のタッチスクリーンコントローラーBCM5976C1KUB6Gがそれぞれついています。


青枠がInvenSense製ジャイロスコープのITG-3600、緑枠がTexas Instruments製のTMS320C55デジタルシグナルプロセッサ、水色の枠がST Microelectronics製AS5C Y523チップ、紫部分がTexas Instruments製のTI49C37GIとTI55CHL6I。


Lightningポートから伸びているケーブルはZIF構造を用いており、ピックで容易に外すことができたとのこと。


Lightningポートと410mAhのバッテリーを合体させた作りで、iFixitは「ロジックボードにLightningポートが固定されていない点がすばらしい」と評価しています。


iFixitによる第4世代Apple TVの分解難度は10点中8点で、かなり分解しやすい模様。ただしロジックボードに固定されている部品の交換に難アリ、としています。

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