劇場版「アングリーバード」予告編がついに公開、しかし開発元は収益減少・社員解雇で経営危機に

モバイルゲーム「アングリーバード」がアニメーション映画になった「The Angry Birds Movie」の予告編が公開されました。映画は2016年7月に公開予定で、着々と製作が進行しているようですが、一方で開発元のRovio Entertainmentは従業員の解雇を重ね、収益も減少傾向にあるようです。

The Angry Birds Movie - Official Teaser Trailer (HD) - YouTube


美しい海の中に浮かぶ島。

南国の美しい自然の中で一人もぐもぐとサンドイッチを食べているのがアングリーバードのレッド。

しかし、レッドの前に座っていた鳥が手を振ってくると……

あたりをキョロキョロと見渡します。

自分にアピールしてきている、と気づいたレッドはウィンク。

「こっちに来て」と言わんばかりにハンドサインを送る鳥に……

すっくと立ち上がるレッドですが……

自分の頭上にいた鳥に踏みつけにされます。

ふらふらと立ち上がったレッド。

木の幹にぶつかり二重苦です。

自分が誘われていると思っていたレッドですが、しかし本当は自分の頭上にいたハンサムが誘われていたようで、レッドを置き去りに鳥たちは去って行きます。

怒りのままにランチボックスを蹴ろうとするも……

ズルッ

ズシャッ

世の中の全てに怒りを抱える、立派なアングリーバードとなったレッド。

朝はズシンズシンという謎の物音で起こされます。

「何だ？」と外に出てみると……

小さな小鳥がサッカーボールを家の壁にぶつけていた様子。

「やれやれ……」といった風な表情を浮かべるレッド。

ボールではなくて小鳥の方を蹴って問題解決です。

自分の怒りをコントロールしようとしてヨガを始めてみることも。

ゲームでおなじみのボムや……

豚の姿も。

どこかにお呼ばれしたアングリーバード。

「幸せに 笑って ようこそアングリーバード」と書かれた看板を見て……

怒りがわき上がります。

爆発寸前に。

しかし、深呼吸を1つしてアンガーコントロール。

いったんスタスタと通りすぎますが……

やはり看板のハッピーで間抜けな顔が許せなかったのでした。

映画はソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが権利を取得し、公開日を2016年7月に控え、キャストもアナと雪の女王でオラフ役を担当したジョシュ・ギャッド氏らが決定しています。

しかし、開発元のRovio Entertainmentは2014年時点で世界中に約800人いる従業員のうち110人を解雇、フィンランドのタンペレにある同社のゲーム開発スタジオも閉鎖することを発表していました。

Towards a simplified organization - Rovio Entertainment Ltd
http://www.rovio.com/en/news/blog/552/towards-a-simplified-organization/

Rovio sharpens focus on core businesses - Rovio Entertainment Ltd
http://www.rovio.com/en/news/press-releases/696/rovio-sharpens-focus-on-core-businesses

また、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Rovio Entertainmentの2014年の収益は1億6900万ドル(約203億円)で、2013年の2億1590万ドル(約259億円)から下がっていて低迷傾向にあるとのこと。

収益の減少を受けてか、Rovio Entertainmentは2015年8月にさらなる人員削減を発表しており、映画の関係者を除いた従業員のうち最大260人が解雇される見込みです。ブログでは人員削減の理由について、「過去数年におけるゲーム以外の分野でのRovioの成長は予想外のものでした。結果として、私たちは多くのことをやりすぎてしまったため、現在の財政状況を考えると、素晴らしいゲームを生み出してファンを喜ばせることと、アニメーション映画を作り出すことに全力を注ぐべきだと判断しました」と語られました。

なお、ゲームの映画化で言うと、日本では2001年にファイナルファンタジーが映画化されましたが、最終的に5190万ドル(約62億円)の赤字となり、「史上最も失敗した映画」としてギネスブックにも掲載されたほど。劇場版ファイナルファンタジーはスクウェア・エニックス(旧スクウェア)に130億円もの負債を残し、その影響で倒産の危機にまで陥りました。