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取材

引退したご当地キャラがファンの願いにより奇跡の復帰「やななと不思議な世界」舞台 を完全公開


ゆるキャラ人気投票で1位を獲得したこともあるやなな(岐阜県岐阜市柳ヶ瀬商店街)は、2013年の引退後も復帰の署名活動などが行われるなど、ファンの間ではいまだに伝説のご当地キャラとして語り継がれる存在です。そのやななが、2年半ぶりに舞台限定ながら姿を見せるとのことで、その舞台の詳細をまとめてみました。

舞台「やななと不思議な世界」公式HP
http://yananabeat.wix.com/yanana

やななは岐阜県岐阜市柳ヶ瀬商店街の非公式キャラクターとして2008年7月に誕生しました。


岐阜県岐阜市柳ヶ瀬商店街はこちらです。

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自由奔放かつサービス精神が旺盛なやななは、ファンおよび仲間のキャラたちからも愛される存在となり、2009年のゆるキャラランキングでは600体中1位に、ゆるキャラグランプリでは2010年に3位、2011年・2012年には8位になるなど、人気のご当地キャラとして活躍していました。


しかし、「活動のピークで引退することが、一番柳ヶ瀬のためになるって考えたんや」とのことで2012年7月、「2013年3月31日のイベントをもって引退する」と発表します。


この発表に関東では、やななの引退を惜しむ有志が集まり引退イベントが行われました。


埼玉県志木市の市民会館パルシティホールで行われた関東での引退イベントのサイトは、ふなっしー(千葉県船橋市)が作成したものです。2015年8月現在、サイトは閉鎖されています。


2013年3月31日、柳ヶ瀬商店街を埋め尽くすほど多くのファンとやななを慕うキャラたちに囲まれ、惜しまれながらもやななは活動を終えました。


しかし、やななという存在を生かして何かがしたいという話は進められており、引退から2年がたった2015年2月にやななを題材とした舞台「やななと不思議な世界」(中村仁美舞踊研究所企画)が催されることと、出演するご当地キャラクターをオーディションで決めるという企画が発表されます。ただし、発表時点ではやななが舞台に出演するという内容ではありませんでした。


2015年4月18日、やななの舞台に立ちたいとやななを慕うキャラたちがオーディションを受けます。みっけ(大阪府枚方市樟葉)はやななへの思いをアピール、得意のダンスも披露し見事オーディションに合格。他にもミナモ(岐阜県)とさなせなぼな(長崎県佐世保市)が合格しました。


ステージには立てませんが、客席側でダンスを行うサポートメンバーとしてお猿のくぅ(岐阜県高山市)・もとまる(岐阜県本巣市)・レルヒさん(新潟県)・にゃかつがわ君(岐阜県中津川市)・い~わくん(愛知県岩倉市)・とっくりん(徳島県)が選ばれました。


舞台稽古など準備が進む中、やななが「やななと不思議な世界」に登場することが公演2週間前に発表されます。

2015年8月21日、会場の岐阜市文化センターに到着。


開場直前、200名を越えるお客さんが開場を待っています。


チケットは3公演分全てデザインが違っており、並べると1枚の絵になるように工夫されていました。


開場から30分、ほぼ全ての席が埋まり開演を待ちます。


前説が始まります。観劇にあたっての諸注意と、「一切せりふの無いノンバーバル形式で行われる舞台です」との説明がありました。


場内が暗転し、スライドショーで物語は始まります。主人公の少女「ゆめ」が、柳ヶ瀬の小学校転校してきました。


転校して間もないゆめは、助けてくれる友達もおらず、独りぼっち。


柳ヶ瀬商店街でマーメイド像を見つけます。


マーメイド像のイラストを描くゆめ。


突然の風で絵が飛ばされてしまいました。


拾った子供たちは絵を見て笑いながらどこかへ持っていってしまいます。


商店街のマーメイド像に立ち寄ると、そこには自分で描いた絵が捨てられていました。


くしゃくしゃになった絵を見て悲しむゆめ、そこに……


差し出されたのは、緑色のブラジャーを付けた人魚の絵。


クスッと笑うゆめ。


コメントを付けて再びゆめに見せます。


初めて笑顔を見せるゆめ。


これが、ゆめとやななの初めての出会いです。


やななと友達になったゆめは、商店街で一緒に踊ったりとやななとの親交を深めていきます。


やななと過ごす日々はとても楽しい時間でした。


しかし、やななは引退、別れが訪れます。


引退イベントを見に来ていたゆめ。


やななはゆめに自分の顔とそっくりなバッグをプレゼントします。


この日をもって、やななはゆめの前から姿を消しました。


舞台が暗転し、ここからは役者によるステージとなります。再び独りぼっちとなりマーメイド像の前でうなだれるゆめ(岡田歩佳)。


やななと一緒に遊んでいた頃を思い出したりもします。


雨が降り出し、寂しい気持ちになるゆめ。


雨は勢いを増し、川が現れるとともに、「誘い」が現れ何かしらの暗示を始めました。


雷鳴がとどろき、ゆめは思わず持っていたやななのバッグを放してしまいます。


険しい流れの中、バッグを追い掛けます。


たどり着いた先には扉があり、人間が妖精の世界に入ると世界が壊れてしまうため、富平ビエロが「こちらの世界に入らないように」と、ゆめを追い返そうとします。


やななのバッグを取り戻したいゆめは、警告を無視して扉をくぐり、妖精の世界へ入ってしまいました。


流されたやななのバッグは妖精たちが持っていました。取り返そうと必死に追い掛けるゆめ。


追い掛けてくるゆめを少しからかったりしましたが、優しい妖精たちはゆめにバッグを返します。


続いて、魔法の精「メイン」(山下翔吾)が登場。ワイングラスを宙に浮かせたり、シャボン玉を水晶玉に変えるなどの魔法を披露します。


さらにもうひとり、魔法の精「ワン」(酒田しんご)が現れリンゴのジャグリングを披露、7つ同時のジャグリングには観客から歓声が上がっていました。


不思議の世界にすっかりなじんだゆめは、妖精(ゆっこ)と出会いりんごを渡します。


妖精が魔法のスティックを振ると……


オーディションに合格したキャラたちが登場、サポートとして合格したキャラたちも客席の横で踊ります。


みっけの華麗なジャンプ。


妖精とミナモの息の合ったダンス。


さなせなぼなはチーム力を生かしてコントも入れながらのダンス。


このキャラたちのダンスの中に2人のピエロも混じっていました。明るく楽しそうに踊る叶夢ピエロと、正反対に1人で閉じこもってしまっている富平ピエロ、叶夢ピエロが一緒に踊ろうと誘いますが、相手にせずふてくされています。


嫌がる富平ピエロでしたが、明るく優しい笑顔の妖精を見て前向きな気持ちになりました。


周りの勢いに押されつつも、恐る恐る一緒に踊ろうとする富平ピエロ。


踊りの終盤、叶夢ピエロは妖精に花束のプレゼントをしてアピール、妖精は笑顔で受け取ります。


「自分も」と、ひまわりを用意して妖精に渡そうとしますが……


運悪く、差し出したと同時に妖精は帰っていきます。


すぐに追い掛けますが転んでしまい、その間に妖精たちはどこかに行ってしまいました。


落ち込む富平ピエロ。


「独りぼっち」同じ境遇の2人が並びます。


富平ピエロは悲しさを紛らわせるために周りに当たり散らします。


段ボールを頭にかぶり引きこもってしまった富平ピエロの手にはゆめが以前描いた人魚の絵が……


絵を抱きしめると、やななへの思いがこみ上げてきます。


ゆめの「大好きなやなな」への思いと「やななに会いたい」という願いを表現するソロダンスと共に、この舞台では初めて歌詞の入った曲「Lost In Your Eyes」が流れます。


オープニングで流れていたスライドショーも合わせて流れていました。


やななへの強い思いを表現するゆめを見た富平ピエロは心を動かされ、魔法の力を増大させる笛を吹きます。


魔法の精が登場し、アクロバティックな激しい踊りで魔法力が増大した世界を表現。


妖精たちも再び現れ踊ります。


そして、何かを宿した光を掲げながら魔法の精「メイン」と「ワン」も現れました。


魔法の精は、その光をゆめが持っているやななのバッグに注ぎます。


すべての光が注がれました。


すると水の精(塚本明里)が現れ祈りをささげます。


魔法の精に導かれ、やななのバッグは大きな台の上に置かれました。


シーツで隠されます。


シーツが取り払われると……


やななが登場。


踊るやなな


周りの皆とも抱き合い再会を喜び、ゆめを抱きしめます。


ここからしばらくやななの自由時間です。まずはやななのパフォーマンスの1つコマネチを披露。


ゆめもまねします。


ステージを下りて観客ともハイタッチなどふれあいます。再会の感動で涙ぐむ観客も多くいました。


観客席側に居たキャラたちともあいさつし、再会を喜びます。


ステージに戻るとスケッチブックが渡され、やななが胸からペンを取り出しました。


スケッチブックに向かうやななの姿は、引退前に見せていた姿そのものでした。


第一声は「ひさしぶりなの」


ゆめに「けばくなった?」


「やななが8cmやった間」、8cmとは、やななは柳ヶ瀬商店街の水路に8cmの人魚として普段は生息していることから。


「ずっと助けてもらっとったんや」


「ありがとお」


「だから大丈夫やよ」


メッセージを終えたやななは、ゆめを呼び寄せます。


最後の抱擁。


観客席に向かって最後の別れを告げます。


やななは帰って行きました。


ゆめも自分の住む世界に戻ります。


いつもの生活に戻ったゆめ。


ゆめが歩いていると、後ろから走ってきた少年たちの1人がぶつかり転んでしまいます。


思い出のスライドショーの中でゆめ自身が転んだ際には誰も助けてくれませんでしたが……


ゆめは手を差し出し少年を助けます。


少年が応えたところで舞台は幕を閉じます。


舞台が終わった後は、観客からの拍手が鳴りやまずカーテンコールも行われました。


終演後、キャラたちがお見送りをします。やななは舞台のみの出演でここには現れません。


翌日の2回目と3回目の公演の合間のトークショーにて、佐藤マネジャーより「今回の出演はやなな本人が『ファンや関係者への感謝の気持ちをどうしても伝えたい』と強く希望し実現した」こと、そして「本当にこの公演が最後のやななの登場になる」ことが明かされました。


舞台で登場した人魚の像は、柳ヶ瀬商店街の歩道「アクアージュ柳ヶ瀬」にあります。


柳ヶ瀬商店街本通りのアーケードにはやななが書いた落書きが今でも残っていますので、探してみてください。


やななの等身大ペーパークラフト。


2013年3月31日のやななの引退後は、やななの秘書として一緒に活動していたゆっこが柳ヶ瀬商店街のマスコットガールとなり、柳ヶ瀬商店街の魅力を伝えるやななの活動を引き継いでいます。


毎月第三土曜日には「柳ヶ瀬サンド」と題して、キャラたちやゲストを交えたイベントを開催。


太田プロダクションの名古屋の若手芸人たちも、柳ヶ瀬サンドに参加し、一緒に盛り上げています。写真左手前から加藤慶朗(バルバロイ)・近藤大志(カイジルポテト)・加納慎也(カイジルポテト)、右手前から森貴史(バルバロイ)・水上直紀(黄昏魔人)・深沢元貴(黄昏魔人)・中島詩織(スペードの3)


夏休み中にはお化け屋敷も出現。


週末にはなんらかのイベントが柳ヶ瀬商店街で行われおり、やななの活動を手本に新しいイベントを興すことで商店街に人を呼ぶというチャレンジが続いています。


姿は見られませんが、やななは柳ヶ瀬商店街にたくさんの人たちが集まって欲しいとの願いを残し、見守り続けています。


本文中に紹介できなかった写真から、やななとみっけ。


やななとミナモ。


やななとさなせなぼな。


やななとにゃかつがわ君。


やななとい~わくん。


やななととっくりん。


やななとレルヒさん、左はもとまる。


2回目のステージではピンクの尾びれで登場。


妖精(ゆっこ)・水の妖精(塚本明里)


魔法の精「メイン」(山下翔吾)


魔法の精「ワン」(酒田しんご)、2人の魔法の精の名前「main」と「one」のアルファベットを並べ替えると、やななのマネジャー「onimane(鬼マネ)」になるというアナグラムが隠されていました。


ご当地キャラの使命である「地元に人を呼ぶ」の成功例の1つとなっているやななの活動から、「キャラクターおよび周りのスタッフの情熱が、地元の人たちやファンに伝えられるか」という点が重要であることを学ぶことができます。柳ヶ瀬商店街では、今でもやななの活動時の記録などが見られる施設などもありますので、是非訪れてみてください。

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in 取材, Posted by darkhorse_logmk