なぜ「色」を覚えるのは難しいのか?

by Adam

人間は何百万もの色を見分けることができますが、色の濃淡を正確に記憶するのは困難だと言われています。「なぜ色の濃淡を記憶できないのか」という理由が、人間の脳が色を記憶する際のメカニズムによるものであると最新の研究から明らかになりました。

Why It’s Hard To Remember Colors | Neuroscience News
http://neurosciencenews.com/visual-working-memory-color-2083/

ジョンズ・ホプキンス大学で認知心理学を研究しているJonathan Flombaum氏の率いる研究チームは、人間が実際に目で見た色をそのまま記憶せずに、寒色や暖色などの色調をベースにして脳が無意識に「標準的な色」に偏って色を記憶していることを発表しました。

例えば、空色、紺色、コバルトブルー、ウルトラマリンを同時に見た時に、人間は色調の違いを見分けて異なる色として認識することができますが、脳は全ての色を「青」という単一の色として記憶していることが判明しました。また、緑やピンクなど他の色についても同じ現象が起こるそうです。

by Kelli

研究チームでは、色の記憶に関する実験を行いました。まず被験者に180色のカラーホイールを見てもらい、最も「標準的」だと感じる、青、ピンク、緑、紫、オレンジ、黄の6色を選んでもらいます。次に色付きのボードを0.1秒だけ表示してその色を覚えてもらい、カラーホイールの中から覚えた色を探すというテストを実施。

by tiny_packages

実験結果からは、被験者が覚えた色を正確に当てるのは難しく、「標準的」だと感じる色に近い色を選ぶ傾向が見られました。また、ボードで表示された色が「標準的な色」に近いほど、色の濃淡を正確に覚えられることも判明。Flombaum氏は、「人間は何百万もの色を見分けることができますが、脳が色を記憶する際に粗っぽくカテゴリ分けするため、正確な色味を記憶することは難しいのです」と語っています。


さらにFlombaum氏は「『青』や『緑』などの大きなカテゴリに分けて色を覚えることで、過去の記憶から色や物を思い出そうとする時に、記憶を素早く思い出せるようになっています」とコメント。色以外にも、人間は複数の物を一度に見るときに、物を「鳥」や「人の顔」などのカテゴリに分けて記憶することが既に明らかになっています。これは脳の記憶領域が足りないのではなく、目で見た物と過去の記憶を「単語」に基づいて一致させようとするためです。

このため、外出先で部屋の壁やカーテンの色を思い出そうとしても正確な色の濃淡を思い出せず、「お店で買ったカーテンを部屋に取り付けてみたがイメージと合わない……」という現象が起こるとのこと。色を正確に知りたい時には「写真を撮って記録する」ことをFlombaum氏はオススメしています。

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