コンピューターはアルゴリズムで「クリエイティブな芸術作品」を見分けて格付けできるのか?

by AnEternalGoldenBraid

コンピューターの知能は日々進化しており、ある研究者らによると、コンピューターは今や視覚アルゴリズムを使って歴史的な画家たちの作品をクリエイティブさに基づいてランク付けできるまでに発達したとのこと。ということで、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロモネなどの作品をコンピューターが評価したその内容が公開されています。

[1506.00711] Quantifying Creativity in Art Networks
http://arxiv.org/abs/1506.00711

Computer algorithm picks history's 'most creative' paintings (Wired UK)
http://www.wired.co.uk/news/archive/2015-06/12/art-algorithm

アメリカ・ラトガーズ大学のコンピューター科学者であるアハメド・エルグマル教授とババク・サレハ教授は「クリエイティビティ」を「製品の独創性と価値のある影響力」と定義し、この定義を使って「似通った作品がどのくらい存在するのか」ということをベースに置いた「アートネットワーク」なるものを作成しました。この時、独創性のバロメーターには絵画の持つ色や風合い、被写体など、あらゆる要素が考慮されました。

そして、6万2000万枚もの絵画のデータベースに上記の測定法をアルゴリズムとして適用し、過去から現代までのさまざまな絵画を比較。すると、数々の芸術作品が以下のようにグラフにマッピングされました。なお、グラフの上の方に位置するほど「クリエイティブである」と判断されたもので、「派生的な作品」と判断されればされるほど、グラフの下の方に点が打たれることとなっています。


グラフを見てみると、モネの「シャイイの積み藁、朝日」はエドヴァルド・ムンクの「叫び」やポップ・アートの代表的な画家であるロイ・リキテンスタインの「Yellow Still Life」と共にグラフの上の方に位置づけられていました。これはコンピューターが「クリエイティブな作品」と見なしたということ。


しかし一方で、現在でも高い評価を受けるドミニク・アングルの作品や「考える人」で有名なロダンの作品は「派生的である」としてグラフの下の方に位置しました。


芸術作品の価値を絶対的に測定することは不可能なので、コンピューターが導き出した結果を反証することはできません。また、コンピューターは作品の「本質的な価値」ではなく「独創性」という部分を見ている点にも注意が必要ですが、「コンピューターのアルゴリズムは多くの美術史家が『革新的』で『影響力がある』と考えている作品をクリエイティブであると判断した」と研究者らがコメントしていることからも、芸術の評価を批評家ではなくコンピューターが行う未来が来る可能性も考えられるわけです。

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