「火」とは何なのかを科学的に説明したムービー「What Is Fire?」


「なぜ火は燃えるのか?」や「炎の中で起こっている化学反応は?」など、火に関する疑問を、身近なロウソクを使って科学的に解説したムービーが「What Is Fire?(火とは何なのか?)」です。

What Is Fire? - YouTube


イギリスの化学者であるマイケル・ファラデーは1800年代の中頃、ロンドンの王立研究所で子どもたちのためにクリスマスの講義を行いました。ファラデーのお気に入りだったのが「火」について語ることだったそうです。


「ファラデーが特に興味を持っていたのがロウソクの炎でした。なぜならロウソクの炎は繊細であるにもかかわらず、火がどのような反応を起こすのかを簡単に知ることができたからです」と言いながら、たき火であぶったマシュマロをフーフー。


「火」を化学式で表すと、「メタン(CH₄)と酸素(2O₂)が反応して二酸化炭素(CO₂)と水(2H₂O)に変化する」というように表現されるだけで……


火が燃える際の化学反応は、実際のところチョコチップクッキーを焼く過程と同じとのこと。


ロウソクの炎についてまず知っておくべきことは「炎の色」です。物質が熱を発する際には黒体放射によって熱いものは明るく輝きます。


例えばロウソクの炎の下部は1000~1400度の高温に達するため、青く輝きます。


炎の中央は800~1000度とやや温度が低く、黄色っぽいオレンジ色をしています。


炎の中では、何十連発もの打ち上げ花火のように、化学反応が連続して起こっています。


空気中の酸素と、ロウソクに含まれる炭素と水素は、素の状態では何の反応も起こりません。


しかし、ロウソクに火をつけると……


ロウの固体が気化することで小さな固まりへと分裂し、熱分解を起こします。そして熱された炭化水素と酸素が空気中でぶつかることで、原子の配列が変化。


この状態がロウソクの芯の周りにある黒い円錐部分です。


この時、原子内で電子の配列が変化することで……


ロウソク上部の青い炎が生まれます。


また、ロウソクに含まれる炭素が全て二酸化炭素に変化するわけではないため、余った炭素原子が結合してススが生まれます。


ススが熱されることで、ロウソクの上部がオレンジ色に輝くというわけです。


ススが全て燃え尽きると、二酸化炭素と水が空気中に散らばっていきます。


ロウソクの部分ごとの性質は、ロウソクの炎に金属製品をかざすだけで簡単に知ることができます。例えばロウソクの上部では……


水蒸気とススが金属の表面にくっつきます。


炎の中央部分にスプーンをかざすと……


スプーンに白い線がつき、気化したロウが生じているのが分かります。


次は「炎の形」について。冷たく高密度の空気は引力によって地面に引き寄せられ、反対に温かい空気は上へのぼっていきます。つまり、空気の浮力によって炎は円錐形を保っているのです。


もしも宇宙ステーションのような無重力空間で火をつけたとしたら、炎の形状は地上とは違ったものになります。


火が燃える際の化学的・量子的反応は空気の存在する場所のみで起こります。そのため、炎は円錐形に見えていても、実際には形を変化させることが可能です。例えばロウソクの上から炎を金網で押してみると……


炎はぺちゃんこにつぶれた形に変化しました。火が燃え続ける原因は分子の分裂ではなく、新しい分子の結合であり、分子が結合する際に生じる熱によって反応が持続するようになっています。


ムービーの最後には、火を消したばかりのロウソクにマッチの火を近づけて……


マッチの火がロウソクの芯に直接触れていないにも関わらず、ロウソクに火がともるという実験が行われました。


この実験は、ロウソクの火を消した直後に気化したロウが煙と共に立ち上っているため、煙をつたってロウソクが再点火できるという仕掛けです。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log