ゲーム

Google Playなどのアプリストアで200本超えのゲームが販売禁止となる

By けんたま/KENTAMA

オーストラリア政府が導入した新たなコンピューターゲームレイティングシステムにより、Google PlayやFirefox Marketplaceなどで取り扱われている200以上のゲームが「不適切なもの」と認定され、オーストラリア国内で販売禁止となりました。

Australian government bans hundreds of mobile and Web-based games | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2015/06/australian-government-bans-hundreds-of-mobile-and-web-based-games/


オーストラリアでは「有害情報からの青少年保護」を目的に、政府の設置した映画及びコンピュータゲームの倫理審査機関である「オーストラリア等級審査委員会(ACB)」がコンテンツを審査し、購入・貸与・鑑賞できる年齢制限の枠である「レイティング」を定めます。ACBは日本のコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)のような機関なわけですが、審査基準は非常に厳しいことで知られています。そんなオーストラリアで、ゲームのレイティングをより効率的に行い、これまでよりも多くのゲームタイトルを検閲するためのシステムが試験的に導入されました。

導入されたのはInternational Age Rating Coalition(IARC)のコンピューターゲームレイティングシステムで、導入が発表されたのは2015年3月、導入の目的についてオーストラリア政府は「オンライン上で配信されている何十万という数のゲームのレイティングを見直すため」としています。

IARCには、北米地域のEntertainment Software Rating Board(ESRB)やヨーロッパのPan European Game Information(PEGI)、ブラジルのClassInd、ドイツのUSKなど世界各国のコンピューターゲームの審査団体も参加しており、ここに新たにオーストラリアのACBが参加した形になります。

IARCに参加したオーストラリアは、IARCのレイティングシステムを3月から試験導入しています。このシステムは、モバイルゲームとオンラインゲームを対象に国や地域の評価基準に適したレイティングを行うためのものです。システムとしては、まず初めにゲーム開発者にアンケートを実施することでゲームに「暴力・犯罪・性・賭博・差別・薬物」などの要素が含まれているかどうかを調査します。そしてこのデータと各国・各地域ごとの年齢制限などを基にして、自動で個々のゲームのレイティングが設定されるようになっています。なお、IARCのレイティングは、設定後に各国・各地域が独自に再設定することも可能となっています。


ABCの報道によると、オーストラリアの司法省がIARCのレイティングシステム導入を決定してから、ACBはなんと15万本超えのゲームタイトルをチェックしており、わずか4カ月で260本ものゲームが販売禁止処分となる「RC」にレイティングされています。この数は1994年から2014年までの期間にACBが販売禁止にしたゲームの本数(50本)の5倍以上の数です。なお、販売禁止となったゲームが実際にアプリストアから姿を消すことになるのは、2015年7月1日からでした。

ACBが販売禁止の「RC」に認定したゲームの一覧は以下のページからチェック可能で、日本語タイトルも多く含まれていることが分かります。ACBは「IARCのシステムはプレイヤー自身に向けてというよりも、その親に向けて(子どもが)『どんなゲームをプレイしているのか』を示すのに役立つものです」とコメントしていますが、ACBの公式サイト上では何百というゲームが「RC」認定された理由までは詳細に書かれていません。ただし、「RC」認定されたゲームのタイトルを検索してみれば、どういった種類のゲームが販売禁止とされているのかはすぐに分かります。

Results | Australian Classification


しかし、「RC」リストをチェックするとPinpointポップペット日本 綺麗なパズルなど、販売禁止となった理由が不明かつ、他の国では厳しいレイティングを受けていないアプリが存在するそうです。また、Ars Technicaはオーストラリアは過去にFallout 3エイリアンVSプレデターなどの人気ゲームのレイティングを「RC」に設定したこともある、とレイティング基準の不明瞭さを指摘しています。

現在のところ、メジャーなオンラインアプリストアとしてはGoogle PlayとFirefox MarketplaceのみがIARCのレイティングシステムを採用しているわけですが、MicrosoftのXbox Liveや任天堂のeShop、ソニーのPlayStation Storeも近い内に参加することになるだろう、と識者は語っています。

なお、IARCのレイティングシステムは12カ月の試験運用の後、オーストラリア政府はシステムをコンピューターゲームのレイティングシステムとして正式に採用するかどうかを決定することになります。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AndroidアプリがGoogle Playで公開される前に審査団体による評価を受けることに - GIGAZINE

中国政府、オンラインゲームを1日3時間以上プレイしたら減点すると発表 - GIGAZINE

ネットの自由を大きく阻害する「最悪のインターネット規制法案」が出現 - GIGAZINE

ゲームに登場する女性キャラはいかにして性の対象として描かれているか? - GIGAZINE

オーストラリアのギラード首相が2012年人類滅亡説をネタにしたムービー公開 - GIGAZINE

旅行へ行きたくなるようなオーストラリアの見所を90秒にまとめたムービー - GIGAZINE

オーストラリアの南端で撮影されたあまりにも美しい天の川の写真 - GIGAZINE

in ゲーム, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.