メモ

Amazonの検索結果で商標登録されている商品と異なる品が表示された場合の責任はAmazonにあるという判決が出る

by ~ Erebos

Amazonの検索結果は厳密に検索したフレーズに合致するものだけではなく、類似した商品まで表示されることがあります。時には、よく見なければどれが本物でどれが類似品なのかわからないこともありますが、こうした混乱を引き起こしている責任はAmazonにあるという判決が出ました。一審はAmazonには責任がないとする判決が下されていましたが、これが覆されたことになります。

(PDFファイル)United States court of appeals for the ninth circuit - Multi Time Machine, Inc., Plaintiff-Appellant, v. Amazon.com, Inc.; Amazon Service, LLC, Defendants-Appellees.


Appeals court: Amazon can’t dodge trademark suit over watch search results | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/07/appeals-court-amazon-cant-dodge-trademark-suit-over-watch-search-results/

この判決は、アメリカの第9巡回区控訴裁判所での裁判の結果、下されたもので、原告はミリタリー時計メーカーのマルチタイムマシン(MTM)

MTMではアメリカ軍の特殊部隊の協力を得て「MTM Special Ops(MTMスペシャルオプス)」という特殊作戦用ミリタリー時計を開発し販売しています。


しかし、Amazon.comで検索をかけるとMTMだけではなく、競合他社の腕時計も表示されるという状態が続いていました。実際にAmazon.comで「MTM Special ops」で検索をかけてみた結果はこんな感じ。そもそもAmazon.comではMTM Special Opsの取り扱いがないようですが、代わりに別のメーカーの時計が並んでいます。


今回の判決は、仮にユーザーが「自分はMTM以外の時計を買っている」ということを認識していても、検索結果のリストが「購買前の混同(Initial Interest Confusion)」を招くとして、Amazonに責任があることを示したもの。

これまでにも、商標を保有している多くの会社が検索エンジンにおける「キーワード広告」について競争相手に対しての訴訟を起こしてきました。著名な事例としては、GoogleがAdwordsで「Rosetta Stone」というキーワードを第三者に販売したため、当該商標を持つ外国語学習ソフトのロゼッタストーン社が、検索結果に競合他社へのリンクを表示することは商標法違反にあたるとして起こした訴訟があります。ロゼッタストーンの事例は和解で解決しましたが、その他の訴訟の場合はいずれも商標を保有する会社側が敗れているため、MTMの勝訴は重要な前例となるかもしれないとのこと。

ちなみに、巡回裁判官の1人であるバリー・シルバーマン氏は「合理的で慎重な消費者はオンラインでの買い物に慣れているので、こんなことで混乱はしないのではないか」と反対意見を述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ついにAmazonが5つ星レビューをねつ造して販売するステマ連中を訴えたことが判明 - GIGAZINE

Amazonでネガティブ評価をしている匿名レビュアーの情報開示を販売業者が裁判所に要求 - GIGAZINE

Appleが電子書籍価格操作で司法省に真っ向勝負を挑んだ裁判で敗訴 - GIGAZINE

AppleとGoogleの特許侵害裁判が再燃か - GIGAZINE

in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.