Microsoftが広告事業や地図事業を売却、経営資源の選択と集中が加速中

Microsoftが広告販売事業や地図事業を委託、一部売却したことが明らかになりました。Microsoftの進めてきた構造改革がさらに加速しているようです。

Microsoft Said to Exit Display Ad Business, Cut 1,200 Jobs - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-06-29/microsoft-said-to-exit-display-ad-business-cut-1-200-jobs

Microsoft Stops Collecting Own Map Data, Sells Part of Business to Uber | Re/code
http://recode.net/2015/06/29/microsoft-to-stop-collecting-own-map-data-sells-part-of-business-to-uber/

Microsoftはディスプレイ広告、モバイル広告、動画広告の販売をAOLに外部委託することが明らかになりました。なお、検索広告の販売は引き続きMicrosoftが行うとのこと。BloombergによるとMicrosoftの広告事業に従事していた1200人の従業員がAOLに移籍する見込みです。AOLはTechCrunchやEngadgetなどのネットメディアを保有しておりデジタル広告にも注力していることから、Microsoftからデジタル広告事業を引き継ぐことで事業規模をさらに拡大させる模様。

なお、今回の広告事業引き継ぎに伴って、AOLはサービスで使用する検索エンジンをGoogleからMicrosoftのBingに乗り換えることも明らかになっています。経営資源を集中させたいMicrosoftにとってAOLとの取引は、広告事業を売却できるだけでなく検索エンジンでのパートナーシップを締結できることから互いにメリットが大きいと判断したようです。

さらに、Microsoftは地図サービス「Bing Maps」の一部をタクシー配車サービスUberに売却したことも発表されています。Re/codeによるとMicrosoftはBing Mapsのサービス提供自体は継続するものの、自社での地図データの収集はやめて外注するとのこと。このため、地図データ収集用のカメラなどの資産と共に約100人の技術者がMicrosoftからUberに移籍しています。

Microsoftのサティア・ナデラCEOは「モバイルファースト、クラウドファースト」を掲げてきましたが、広告販売事業や地図情報収集事業などを切り離したことで主力事業に経営資源を集中させることになります。今後もMicrosoftによる選択と集中は続いていきそうです。