水を蒸発させてクリーンエネルギーを作り出す装置


地球上の水は常に循環していて、海や陸地から蒸発する水の量は1日に1兆リットルにのぼるという試算も出されています。そんな膨大な量の「水の蒸発」をもとにしたクリーンエネルギーを作り出す試みが、コロンビア大学で行われています。

These machines can capture a new source of clean energy - evaporating water - Quartz
http://qz.com/429309/these-machines-can-capture-a-new-source-of-clean-energy-evaporating-water/

蒸発した水を動力源にしてミニカーを動かしている様子は、以下のムービーから見ることができます。

Capturing clean energy from evaporating water - YouTube



車体に風車のような装置を備えたミニカーが登場。


風車がクルクルと回ると、車輪に動力が伝わってミニカーが前進。風車の回転には、水が蒸発する力を利用しているとのこと。


この技術には、あるバクテリアの「水を吸収すると膨れて、水分がなくなると縮む動きを無限に繰り返すことができる」という特性を生かしています。


バクテリア1個1個の動きは小さいのですが、バクテリアの芽胞を何十億個も集めてプラスチック製のテープに貼り付けることで、バクテリアの伸縮をエネルギーとして取り出すことに成功。


試験管の中につり下げられたテープに水分を含ませると、びよーんと伸びて……


水分がなくなると、テープは縮んでいきます。


バクテリアを貼り付けた大量のテープをひとつにまとめると、大きなエネルギーを生み出すことができます。


研究チームを率いるOzgur Sahin氏は、「水を蒸発させるには光を集めなければいけません。しかし、太陽光パネルを設置して太陽エネルギーを作り出すのに比べれば、この装置を使う方が費用を安く抑えられます」と語っています。水の蒸発をエネルギーに変換する試み自体は新しいものではありませんが、物体を動かすほどのエネルギーを作り出すことに成功したのは今回が初めてのこと。


小さくカットしたテープを風車に取りつけていきます。


風車に水を吹き付けると……


テープ1本1本がくにゃりと曲がります。


風車をミニカーに取りつけて、風車の軸と車輪をゴムで結びます。


すると、ミニカーがころころ……と動き出しました。


研究チームには、エンジニア、生物学者、化学者など幅広い分野のスペシャリストが集まり、水の蒸発エネルギーを回転やピストンの動きに変換する機械を開発。


こちらは板の下にテープを設置してある装置で、テープに水を含ませると……


テープの伸縮にしたがって、板がパタパタと開いたり閉じたりを繰り返します。


チーム内で生体材料について研究しているPeter Fratzl氏は「既存のエネルギー施設に取って代わるようなシステムではありませんが、電気設備の整っていない地域で通信端末を使うためのエネルギーなら十分に作り出せる」とコメントしています。

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in サイエンス,  動画, Posted by darkhorse_log