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飲酒運転を根絶する車内アルコール検出システム「DADSS」とは?


飲酒して自動車を運転する悪質なドライバーの暴走によって罪のない人が命を落とすという痛ましい事故が後を絶ちません。飲酒運転による事故を予防するために、アメリカではドライバーが飲酒していないかを判別するアルコール検出システム「Driver Alcohol Detection System for Safety(DADSS)」の開発が進められています。飲酒運転を防止するDADSSとはどのようなシステムなのかがYouTubeで公開されています。

Driver Alcohol Detection System for Safety – Technology Overview - YouTube


自動ブレーキ機能やレーンキープ機能など、安全運転を実現するシステムが次々と登場し、自動車は日々進化しています。


そんな中、1秒に満たない短い時間でドライバーが飲酒していないか判別するシステム「DADSS」が考案されています。


全米50州では血中アルコール濃度が0.08%以上の状態での運転は飲酒運転として法律で禁止されています。なお、これは呼気1リットルあたり0.15mg以上で酒気帯び運転として罰せられる日本に比べるとかなり寛容な基準です。


また、アメリカでは21歳未満のアルコール摂取は法律で禁止されています。しかし、21歳未満の飲酒運転ドライバーによる事故が後を絶ちません。この21歳未満の飲酒運転をゼロにするのがDADSSの大きな目的の1つです。


DADSSは、「BREATH-BASED SYSTEM(呼気アルコール検出システム)」と「TOUCH BASED SYSTEM(接触型アルコール検出システム)」の2種類のシステムから成り立ちます。


呼気アルコール検出システムでは、ドアやハンドルステムからドライバーの呼気を吸収して……


赤外線によって呼気を分析。


二酸化炭素とアルコールによって吸収される赤外線の量が異なることを利用して、それぞれの割合を検出して摂取したアルコール量を算出します。


アルコールレベルが高いと判断されると……


メーターパネルで警告表示が出されます。


なお、ドライバーから出される呼気のみをターゲットにできるので、助手席の人が飲酒状態でも誤作動の心配は無用です。


接触型アルコール検出システムはシフトノブやイグニッションボタンに取り付けてアルコールを検出します。


指が検出器に触れると血中アルコール濃度を即座に測定。


皮膚に近赤外線光を照射してスペクトルを読み取り、血中のエタノール濃度を検出します。


衝突回避用の自動ブレーキシステムなどのように、安全性を高めるアシスト技術としてDADSSの開発が進められています。


アメリカ運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は業界団体の代表者とDADSSプログラムに関する検討会を実施中。運輸省長官のアンソニー・フォックス氏は「飲酒運転が原因で起こる交通事故による死亡者は年間1万人にのぼります。飲酒運転を予防するには教育と意識改革が重要なのは言うまでもありませんが、DADSSのような高度な技術によって、より多くの命が救われる可能性があります」と、技術的に飲酒運転を予防する必要性を強調しています。NHTSAと業界団体では5年以内にDADSSに必要な研究開発を完了させる計画とのことです。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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