膨大なやることリストを管理してラクラク片付けられる「GTD」を簡単にマスターできる実用的ガイド

By Adam Walker Cleaveland

毎日を過ごすなかで「今日は帰りにティッシュを買って帰る」「あの日までにアレを終わらせないと」「部屋の模様替えがしたい」など、やりたいことからやらなければいけないことまで膨大なタスクが発生していくため、「やること」をどのように済ませていくか考えるだけで疲れてしまうもの。そんな頭の中のやることを簡単に整理して、考えることを少なくしてストレスなくやることをこなしていけるタスク管理システム「Getting Things Done(GTD)」を読むだけでマスターできる実用的なガイドが1冊の書籍レベルの内容でまとめられています。

GTD in 15 minutes – A Pragmatic Guide to Getting Things Done
https://hamberg.no/gtd/


◆「GTD」とはなんなのか?
「物事を遂行する」という意味を持つ「GTD(Getting Things Done)」は、個人が自らのタスクやプロジェクトをこなすことができるというライフハックの1種。単に「物事を遂行する」だけではなく、ストレスなく生産性を上げるという効果があり、「史上最高のモノを発明する」といった大きなタスクから「8月25日にエイダに電話してチーズケーキのレシピについて話す」といった簡単なタスクにいたる全てのやることを記録します。それだけだと良くあるToDoリストと同じように思えますが、「来週までに自転車を修理に出す」というタスクにつながる「自転車ショップまで自動車で自転車を運ぶ」といった全てのタスクをアウトプットすることで、タスクを片付けるために思い出すべきことを減らすことができ、ストレスが減少して貴重な脳の容量を空けて別のことに使えるようになるわけです。

仕組みとしては紙と鉛筆さえあれば子どもでもできるシンプルな継続リストで、パソコンでリストを作成することも可能とのこと。実際にどのようにしてGTDを実践していくのかについては、複数の「リスト」を活用していきます。

◆"In"リスト
「Inリスト」とは、GDTをスタートする第一歩となる、ふと思いついたアイデアやタスクを書き留めるためのリストです。「ニンジンケーキを焼いてくれない?」という頼まれごとや、ふとポスターで見かけて「行きたい!」と思ったサーカスのことなどを記します。コツは書き留めるまでの境界をできる限り低くすることで、ノートやスマートフォンを使うのがオススメ。Inリストは複数の場所に書き留めてもOKで、念頭に置くべきことは、思いついたことをすぐに書き出すことで脳の作業負荷を軽減することが目的であるということです。

まず最初は1時間以上かけて「やりたいこと」「やらなければいけないこと」を思いつく限り書き出します。これは脳の「オープンループ制御」のようなものなので、「歯ブラシの位置を変えたい」「借りていたティーカップを叔母に返す」「ベッドをペンキ塗りして色替えしたい」などなど、全てのことをInリストに書いてみましょう。Inリストが大量の項目で埋まった時、脳内にとどめていた事柄を排出が行われますが、続いてリストの処理が必要になります。

続いて書き終えたリストを処理していくわけですが、まず項目の1つ1つが「実用的かどうか」を分類していきます。例えば「インドネシア語を勉強する」という項目があった場合、「今すぐ必要かどうか?」を考えます。答えがNOである場合は、後述する「いつか/もしかしたらリスト」に移動させるとのこと。さらに、「興味深い記事を読んだけど理解しきれなかった!後で読み返さなくちゃ」のような、あとでリマインドが必要な項目に対してはカレンダーに書き出すか、後述する「備忘録ファイル」に分けていくとのこと。そしてInリストに残った「実用的な項目」を上から順番に処理していきます。

リストを処理する上で考えることは、タスクを完了させるために必要な「物理的/可視的行動」は何をすれば良いのか、ということ。この「物理的/可視的行動」を考えて実行することはGTDで最も重要な要素であり、「ケーキ」とか「宝くじ」という短絡的なことではなく、「アーサーとカミーユにメールしてケーキを焼く約束を思い出させる」という風に、自分が何をすればタスクが完了するのかを考えます。

このときInリストに残っている項目は、タスクを書き出したことや選別したことで完了までの「事前準備」を済ませているため、数秒考えればタスク達成までの経緯を思いつけるようなものばかりになっています。これはタスクを実行までのストレスを大幅に低下させる効果もあるとのこと。タスク完了までの道筋が分かったところで、次はそのアクションが「2分以内で終わるかどうか」を考慮します。「おばあちゃんに笑えるネコの動画をメールする」といった2分以内で終わるタスクなら即座に実行しますが、2分以上かかる場合は処理せず「終わるまでどのくらいかかるか」を計算します。

終わるまでの時間がわかったタスクは、締め切りがあれば「カレンダー」、またはできるだけ早く済ませたいタスクを書き出す「次のアクションリスト」に追加します。急ぎではないタスクや、すぐに取りかかれないタスクであれば「待機リスト」に追加し、1つのアクションで済まないタスクであれば「プロジェクト」に追加していき、Inリストを処理していくというわけです。もちろん、日々を過ごす中で新しいアイデアを思いついたらどんどん書き出しておき、Inリストに加えていくことも必要です。


◆"次のアクション"リスト(next actions list)
Inリストの項目から2分以上かかるけど、できるだけ早く終わらせたいタスクを分類するのが「次のアクションリスト」。「できるだけ早くやるアクションリスト」と呼んでもOKです。例えば「面白いネコの動画をYouTubeで見る」とか「Candy Crush Sagaをプレイする」というようなタスクがこのリストに入るようになります。

◆"待機"リスト(waiting for list)
「誰かにメールを送って返信を待つ」「早く終わらせたいけど提出したレポートが戻るまで動けない」というような、すぐに取りかかれないタスクは「待機リスト」に追加します。ただし、ここに追加した項目がほったらかしになるのを防ぐため、毎日リストの項目をチェックしておく必要があるとのこと。

◆プロジェクト
早く終わらせたいものの、複数のアクションを要するタスクは「次のアクションリスト」ではなく、「プロジェクト」として複数のアクションとともにリストアップします。GTDにおいてプロジェクトリストに追加するタスクは多く、定義としては「1つ以上のアクションを要するタスク」は全てプロジェクトとして追加していきます。アクションを終えるごとに項目から終わったアクション削除していけば、完了までの経過を失わずに済みます。「次のアクションリスト」の項目を複数完了することでプロジェクトが完了することもあります。

◆タグ付け
「次のアクションリスト」には、そのアクションを「完了できる場所」「必要なもの」をタグ化してSNSのようにタグ付けします。例えば「ドッグフードを買い足しておく」に対しては「@街/@お店」とタグ付けしたり、「cuteoverload.comを閲覧する」には「@PC/@ウェブ」、「知らない人にほほえみかける」なら「@どこでも」のような感じです。タグはアクションリストの数によって多くなっていきますが、重要なのは一目で場所や必要なモノが判別できるタグにすることで、「@どこでも」のタグは何をするべきか迷った時に便利なアイデアとのことです。


また、人と会う予定がある時は、「予定タグ」をタグ付けるのも効果的。例えばフーバート氏とのミーティングを控えている時、予定日時までにフーバート氏に話したいことを考える必要があります。そこでミーティングのタスクに「@フーバード」などとタグ付けしておけば、ミーティングの予定を見た時に話す内容を思い返しやすくなったり、考える時間を作りやすくなるとのこと。

◆"いつか/もしかしたら"リスト(some day/maybe list)
「いつか/もしかしたらリスト」はせっかく思いついたアイデアをいつの間にか忘れてしまわないためのリスト。できるだけ早く済ませたいタスクは「次のアクション」、複数のアクションを要するタスクは「プロジェクト」に追加する一方で、「寝室の絵を買い換えたい」など「今すぐじゃなけどいつか将来的にやりたい」というタスクを「いつか/もしかしたらリスト」に追加すればOK。ただし、このリストは週に1度は見直して、他のタスクと調整して移し替えて処理していく必要があります。

By Andy Ciordia

◆カレンダー
「確実にこの日時に終わらせないといけないタスク」は、文字通りカレンダーに書き込んでおきます。日時が設定されたタスクをカレンダーに記入しておくことで、他のタスクに"希釈"されてしまうことがないため、スッキリと自分のやるべきことを考えられます。「やらなければいけないけど時間は決まっていない」というタスクは「次のアクション」に分類されます。

◆毎週の見直し
GTDのアイデアを考案したデビッド・アレン氏は、著書の中で「毎週の見直し」こそが成功のための重要な要因だと述べています。なぜなら、GTDを始めるとロボットでない限り必ず"抜け"が生じるためです。例えば、1週間の中で2つのアクションを要する「プロジェクト」のアクションを1つ完了すると、そのプロジェクトは1つのアクションで終えられるようになります。すると「次のアクション」への移動が必要なのですが、こういった作業を忘れないよう、毎週の見直しで行うというわけです。

毎週の見直しは少なくとも最低30分以上の時間をとるようにして、毎週金曜や日曜の午後など、見直しする日時も固定しておく必要があります。また、リストの記入漏れチェック以外にも、「次のアクション」のリストですぐに済ませる必要がなくなったタスクを見つけたら「いつか/もしかしたらリスト」に移すなど、GTDのリスト調整を定期的に行うことで、常にやるべきことを最新の状態で把握できるようになります。

◆ツール
GTDのシステムはここまで述べた通りで、後はしばらく使って新しいタスクのこなし方に慣れていく必要があります。GTDは気楽に実施することが重要であり、思いついたアイデアを書き出すときにストレスがあると、小さなアイデアを書かないようになってしまいます。そのため、小難しいツールを多用するのはあまりオススメできないそうですが、GTDとは直接関係のないものの、取り入れても問題のないツールとして「読むフォルダ」「備忘録ファイル」が提案されています。

「次のアクション」の中に「何かを読む」というタスクを入れていると、ついつい後回しにしてしまいがちとのこと。そこで読むタスクをこなす物理的な本や書類などのアイテムを「読むフォルダ」として常に携帯することで、歯医者の待ち時間などに読もうと思っていた本を読むタスクが少しずつこなせるようになります。

「備忘録ファイル」は43のファイルからなるフォルダで、この数字は1カ月30日+1日に12カ月の数を合わせたもの。このフォルダには、例えばコンサートの予定がある時に忘れてはいけないチケットを予定の日のファイルに追加しておきます。カレンダーと異なるのはタスクではなく持ち物を書いておくことで、「あの日にアレがいる」と思いついた時にメモしておくことで、出かける前に今日のファイルの中身を確認するだけで忘れ物をなくすことができます。備忘録として将来のリマインダーを設定できるというわけです。

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