取材

貴重な絵コンテが配られまさに青空アニメ教室となった「Fate/stay night [UBW]」スタッフトークイベント


2015年4月4日から2ndシーズンの放送が始まった「Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 」は、徳島で開催された「マチ★アソビ vol.14」で「リアルタイム試聴会」や「#16オリジナルエディション上映」など上映会中心のイベントを実施しました。上映会だけではなくマチ★アソビ最終日には制作元のufortableの徳島スタジオからスタッフが集まり、制作の裏話を披露するスタッフトークイベントが屋外で行われ、さながら青空アニメ教室のようでした。

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] スタッフトークイベント
http://www.machiasobi.com/events/staynight.html

マチ★アソビ vol.14の最終日に行われたFate/stay night [Unlimited Blade Works] スタッフトークイベントは、アニプレックスの高橋祐馬さんとufotableの近藤プロデューサーが司会を務めます。


高橋さんと近藤プロデューサーに続いて、ufortableの徳島スタジオから作画監督の茂木貴之さんと原画の内村瞳子さんが登場しました。


イベントの参加者にはFate/stay night [UBW]の#01と……


#015の絵コンテのコピーが配布され、これを見ながらトークが進められます。


絵コンテとはアニメや映画といった映像作品を撮影する前に作られ、1つのカットの詳細を説明するものです。例えば、#015の絵コンテではイリヤの顔がアップになったイラストが描かれていて、右側には「ゆっくり顔を上げ、血が地面ににじんでいく」という動きの説明と「……あれ……いたい、いたいよ」というセリフが書かれています。


茂木さんは#01の衛宮士郎とランサーが戦うカットの原画を担当。担当時に特に力を入れたのは「魔力の表現」の部分で、完成したアニメを見ると魔力はCGっぽく見えますが、実は手描きであることが明かされました。手描きの上からさまざまな要素を付け足してくという、手描きへのこだわりがufotableにはあり、作品にとって正しい表現方法とスタッフたちがやりたいことのバランスを考えつつ落とし込むそうです。


絵コンテの右端に書かれている「0+12」という数字は、フレームではなく「0秒12コマ」、つまり0.5秒の尺を意味しています。「0秒12コマ」の間に絵コンテに描かれていることを表現しましょう、ということ。


#01の絵コンテには「!」「バッ」「ギリンッ」「バーン」といった動きの擬音のようなものが書き込まれているのがわかります。これは打合せ時の「ここはポスターがバッとなって、やりがギリンッって当たって、ポスターがバーンとただの紙になる」というやり取りが書かれたもので、気持ちが入り込んだ打合せの雰囲気が伝わってきます。


絵コンテ1ページ分の原画は3日くらいかけて作成されますが、映像になると絵コンテ1ページ分で3秒18コマにしかなりません。20数分ある1話を作るのにどれほどの時間がかかるのか……。


茂木さんによると、その数秒に「好きなアニメーターさんが使っていた技」など自分のやりたいことを詰め込むとのこと。ちなみに、茂木さんが好きなアニメは「STAR DRIVER 輝きのタクト」という作品で、特に同作品の中で使われているエフェクトを参考にすることがあるそうです。


内村さんはFate/stay night [UBW]の#15のバーサーカーにやりが刺さってイリヤが慌てふためくシーンを担当。ファンにとってはものすごくつらいシーンですが、「どれだけファンの心をえぐれるか」を考えながら楽しんでいたという話を明かし、これには会場が爆笑に包まれました。


内村さんが担当したシーンは、放送時に部分的に黒塗りの処理が施されていましたが、パッケージ版では未処理の映像を楽しめます。また、「Fate/stay night [UBW]」では「アーチャー対ランサー戦」など大量のエフェクトが使われるシーンが登場しますが、放送時には色を落とすという処理がされています。こちらもパッケージ版では未処理の鮮やかな映像を見ることができるそうです。


トーク中には作画監督が修正した後の貴重な絵が公開されました。下記は血まみれになったバーサーカーの手を握るイリヤ。


ギルガメッシュの手によって目をつぶされたイリヤ。これは内村さんが担当したシーンで、ファンの悲鳴がこちらにも伝わってきます。


こちらも内村さんが担当したシーンのイリヤです。


ここでufotable徳島スタジオのスタッフが登壇しました。スタッフの中には徳島出身の人が複数名いて、近藤プロデューサーの出身地から新たなる優秀な人材が次々と登場しているわけです。


スタッフによれば、徳島スタジオにいる人のほとんどが作画担当で、職場の雰囲気は和気あいあい。徳島スタッフの技術は成長著しく、「これは徳島に振ってください」と三浦貴博監督自ら指名することもあるとか。


トークショーの最後には「参加者に何かプレゼントしたい」という徳島スタジオの思いから作られたスタッフの寄せ書き入り色紙が参加者に送られることになりました。


寄せ書き入り色紙は1枚しかないので、それを引き延ばした特大ポスターもプレゼントされます。また、寄せ書きを刷ったコピーも6枚用意され、合計8人にプレゼントされることになりました。


プレゼントはジャンケンで決定。


勝ち残った人がステージに上がって、さらにジャンケンを行いプレゼントの割り当てを決めます。せっかくということで、ジャンケンは徳島スタッフ対お客さんで行う勝ち抜き方式でした。


プレゼントの当選者が決まったところでトークショーは終了。まさに青空アニメ教室といった感じでトークは進められ、普段は知り得ないお話に耳が傾きっぱなしでした。なお、トークショーの後は、「Fate/stay night [UBW]」関連アイテムで超高額決着があったチャリティオークションが行われたので、そちらもチェックしてください

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in 取材,   アニメ, Posted by darkhorse_log

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