ハードウェア

Apple Watchが速攻でバラバラに分解され、驚きの精密構造が明らかに


ついに2015年4月24日にApple Watchが発売されました。新製品が登場するやあっという間にバラバラに分解することで有名なiFixitが、予想どおりにApple Watchをバラバラに分解したレポートをさっそく掲載しています。

Apple Watch Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Apple+Watch+Teardown/40655

ということで、さっそく届いたばかりというApple Watch Sportを箱から取り出し。編集部で行った「開封の儀」でもわかるように、Apple Watch Sportは長いプラスチック製の箱に入っています。


今回バラバラにするのは、Apple Watch Sportの38mmモデル。画面にはセットアップ時に使う光る球体のような表示が見えています。


まずはバンドの取り外し。Plastic Opening Toolsを使って背面のボタンを押し、バンドを固定しているロックを解除。


バンド部分に内蔵されるバネ付きのピンを押すことで、横にスライドできるようになります。


バンドの端の細かい部分に「Assembled in China」(中国組み立て)と小さい文字で刻印されています。


バンドを取り外した部分にはモデル名の「A1553」が刻印されており、その横には謎のカバーがはめられています。どうやらこの奥には診断用のコネクターが隠されているようですが、この時点では取り外し方がわからなかったとのこと。


本体を開けるために、iOpenerを使ってディスプレイ周辺を温めて接着剤を柔らかくします。これは本体のどこを眺めてもネジのようなものは全く見つからなかったため。また、ここからは作業のやりやすさを考慮してバンドを再装着しています。


次に、Tech Knifeを使ってディスプレイと本体を分離。要は、カッターナイフを挿し込んでグリグリした、ということです。


隙間が空いたら、Opening Picksを挿し込んでさらに大きく開けていきます。


そして、ピンセットのTweezersを使ってディスプレイを分離。本体とディスプレイをつなぐケーブルを切ってしまわないように注意深い作業が必要とのこと。


本体とディスプレイをつなぐリボンケーブルはこんな感じ。非常に細かい設計のため、余裕はほとんど残されていない状態。


ケーブルのコネクターをTweezersを使って取り外します。


これでディスプレイを本体から分離させることに成功。


本体内部には、バイブレーション機能の振動を生みだす「Taptic Engine」と……


操作用ダイヤル「Digital Crown」の部品が見えています。


ちなみに、機械式時計のメカニズムを並べてみるとこんな感じ。やはり非常にコンパクトにまとめられている様子がわかります。


分解に使う道具も、Apple Watchと機械式時計ではずいぶんと違うようです。


Plastic Opening Toolsを使ってバッテリーを取り出し。両面テープで固定されてはいるものの、簡単に剥がすことができたとのこと。


使われているのは3.8V、0.78Whのリチウムイオンバッテリー。この38mmモデルのバッテリー容量は205mAhとなっており、同じスマートウォッチである「Samsung Gear Live」や「LG G Watch」の300mAhよりも容量は少なくなっています。


バッテリーを取り外したところで問題発生。内部にネジが見つかったのですが、このネジが非常に小さい特殊なものになっており、既存のドライバーでは回せないことが判明。


仕方ないので、既存の最も小さいドライバービットをさらにヤスリで削ることで、小さいサイズに対応することに。


これでやっとネジの取り外しに成功。


本体横にあるマイクをつなぐケーブルも分離。


ネジとケーブルを取り去ってTaptic Engineの取り外し。本体内でかなりの割合を占めるサイズになっています


Taptic Engineの機構はこんな感じ。スマートフォンのバイブレーション機能には回転式の小型モーターが使われることが多いのですが、Apple Watchでは回転機構を持たないリニア式モーターが使われています。


スピーカーユニットは非常に小さいサイズ。どのぐらい小さいのかというと……


ピンセットでつまむぐらいのサイズ。開口部にはゴム製のパッキンが取り付けられているのですが、「よくぞこの小さいところに取り付けたものだ」と驚かされる小ささとなっています。


電波送受信用のアンテナを取り外し。本体の隙間に押し込むように配置されています。


アンテナも非常に小型。これでWi-FiとBluetoothの接続を行っています。


サイドボタンを内側から取り外し。もはや素手では作業不可能なレベル。


ボタンにもゴム製のパッキンが取り付けられ、防水性が高められています。


最初に見つけた謎のカバー部分を裏側から分解。


すると、6ピン式のコネクターが出てきました。これに専用の装置をセットして、システムの診断に用いるものと思われます。


結局、カバーの取り外し方は最後まで分からずじまい。仕方ないので内側から押して外すしかなかったそうです。


Digital Crownを覆っていたカバーを取り外し。


そしてついにApple Watchの頭脳部である「S1」の取り外しです。S1は必要な全てのコンポーネントを1つのチップに統合したSiP(System in Package)となっており、見た目もかなりスッキリ。


しかし、裏側は意外とゴチャゴチャしている模様。


周辺機器に接続するためのケーブルが四方八方に伸びている状態です。


S1はパッケージ内にプロセッサ・メモリ・ストレージを内蔵したSiP。外観からはチップなどの様子を見ることはできません。S1はSamsungが製造を担当しています。


裏面のコネクター類を取り外すとこんな感じ。端子類が見えますが、主要部品は全く見えない状態となっています。


S1を外したところで、次はディスプレイ裏側を見てみます。タッチスクリーンをコントロールするためのAD7166チップがぽつんと実装されています。


注意深く内張を剥がすと、周囲の明るさを感知する光量センサーが出てきました。このセンサーは、ディスプレイの背面からでも外部の明るさを感知できるタイプのセンサーとなっています。


再び本体へ。Digital Crown周辺のコネクター・ケーブルをべりべりっと取り外し。


必要な部品がパッケージされた構造となっています。


最後に、Apple Watchの特徴の一つである本体裏側の心拍センサー部分を分解。赤外線LEDと可視光LEDを使うセンサーと、フォトダイオードが埋め込まれており、周囲には無線給電用のアンテナが見えます。


中心部分には、充電器にセットするためのマグネットが取り付けられていました。


Apple Watchをバラバラに分解して全ての部品を並べるとこんな感じ。指先ほどの大きさの本体内にこれだけ細かい部品が組み込まれているという、驚きの構造となっていました。


iFixitによる分解・修理しやすさは10段階の「5」で、平均的な難易度になっている模様。特にディスプレイ部分の取り外しと特殊な超小型ネジはハードルが高かったようですが、それさえクリアしてしまえば後は容易に分解できたようです。


iFixitは、Apple Watchに付属の無線充電器もバラバラに分解。本体部分のカバーをこじ開けると……


Apple Watchを固定するマグネットと、電力を送るためのコイルが出てきました。


コイルの周囲には基板が配置され、細かなパーツが並べられていました。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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