決して終わることのない仕事「ゴールデンゲートブリッジの塗装」とは?


サンフランシスコにある巨大なつり橋のゴールデンゲートブリッジは、毎日多くの観光客が訪れるスポットとして知られています。多くの人をひきつけてやまないゴールデンゲートブリッジですが、その裏では終わることのない塗装作業が行われているのはあまり知られていない部分。その隠れた仕事の裏側をCityLabが公開しています。

The Never-Ending Job of Painting the Golden Gate Bridge - CityLab
http://www.citylab.com/work/2015/04/the-fascinating-neverending-job-of-painting-the-golden-gate-bridge/390453/

1937年に完成したゴールデンゲートブリッジは全長が2737メートルあるつり橋で、サンフランシスコの観光名所として知られています。完成から約80年経過した2015年現在でもゴールデンブリッジは色あせることなく輝きを放っているのですが、その影には優秀な塗装工の存在を忘れてはいけません。

37歳のチャド・アランさんは2011年からゴールデンゲートブリッジの塗装に従事してきた人物です。アランさんによると、ゴールデンゲートブリッジは塗装のことを考えて設計されていないので、塗装には大変な苦労がつきものとのこと。最も高い部分は高さが273mもあり、橋の細部はたどり着くのも困難な場所にあります。高い場所で作業を行う場合は、大きなゴンドラに乗って作業を行い、時には命綱を体に付けただけの状態の時もあります。


高所や橋から飛び出たような場所で作業を行っているときに、近くをトラックなどの大型車両が通過すると、作業している場所でも大きな揺れを感じるそうです。大きな揺れは作業をしているうちになれますが、アランさんが作業中に最も怖いと思うのは、橋の下にある海。海に落下するのが怖いというわけではなく、橋の下で大きくうねっている波を見ているとなぜかはわからない恐怖感に襲われ、作業に集中するのが難しくなるそうです。

また、塗装工の作業には何本ものブラシや重い装備がつきもの。重装備を背負い、命綱で体を支えながら高所で作業することを思うと、考えるだけで足がすくんでしまいそうです。

そういった困難な環境下で、橋を塗装したり「リベット」と呼ばれるネジのような部品のサビを取る作業を行ったりするわけです。ゴールデンゲートブリッジには約60万個のリベットが使われていて、それを1つ1つサビ取りするのは途方もない作業で、とても1日で終わるわけがありません。そういうわけで塗装工の作業に「今日で完了」という日は訪れないそうです。


ゴールデンゲートブリッジの長い歴史の中では、運の悪いことに作業員が落下してしまうという事故が発生したことがあります。1967年には、作業員の足場が崩壊し、さらには命綱まで切れてしまい、作業を行っていた男性が落下し死亡するという事故が起きました。安全に配慮していても、高い場所で作業をする上で落下の危険はつきものということです。

ゴールデンゲートブリッジでは事故以外でも人が亡くなってしまうことがあります。実は、ゴールデンゲートブリッジは自殺の名所としても知られており、2014年までに1653人もの人が橋から飛び降り自殺をしていて、世界一飛び降り自殺の多い建造物となっています。塗装工が今にも飛び降り自殺をしようとしている人に遭遇することもあり、塗装工のとっさの判断によって自殺を未然に防いだ例があるとのこと。なお、記事執筆現在では、自殺防止のために飛び降りた人を受け止めるネットをつけるなどの工事が行われています。


困難な場所で作業をし、時には自殺者に遭遇することもあるという大変な塗装工ですが、ゴールデンゲートブリッジで働くからこその光景に出会うこともあります。アランさんによれば、橋の上で作業しているときに大きなクジラを見かけたり、橋が霧に包まれる素晴らしい景色を見られたりすることがあり、その光景は記憶にずっと残るほど美しいとのこと。ただし、最大の喜びは「世界でも有名な橋を守る」という仕事から感じられる誇りだそうです。

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