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Googleが伝説の「アビーロード・スタジオ」をストリートビューで360度体験できる「Inside Abbey Road」を公開


イギリス・ロンドンにあるアビーロード・スタジオの中を歩き回ることができる「Inside Abbey Road」が公開されました。同スタジオとGoogleが共同で制作したというサイトでは、「Googleストリートビュー」のような感覚でスタジオ内を歩き回り、さまざまな特設コンテンツを体験できるようになっています。

Inside Abbey Road
https://insideabbeyroad.withgoogle.com/en/welcome

1931年にオープンしたアビーロード・スタジオは、ビートルズをはじめ、ピンク・フロイドやクリフ・リチャード、近年ではレディオヘッドやOasis、レディー・ガガなどのビッグネームが使用するスタジオで、音楽の世界の歴史的建造物と呼べるスタジオ。音楽ファンなら1度は耳にしたことがあるスタジオで、一般の人はなかなか足を踏み入れることができなかったのですが、今回のコンテンツ提供開始により誰でもいつでもスタジオの中を見学できるようになっています。

ページを開くと、スタジオの建物への入り口ドアが表示されます。「Step Inside」をクリックすると、数々のレコード作品が生まれた現場に足を踏み入れることができます。


足を踏み入れてまず訪れることになるのが「第1スタジオ(Studio One)」ここでは、レコーディングのミックス体験やスタジオの様子を収めたムービー、詳細な説明を聞くことなどが可能です。


画面に表示される青や赤のアイコンをクリックすると、詳細な情報コーナーやYouTubeムービーを体験できるインタラクティブなページになっています。


ビートルズ作品に深く関わった名プロデューサー、ジョージ・マーティンの息子で、自身もプロデューサーであるジャイルズ・マーティン氏によるスタジオ解説を聞くことも可能。


それにしても広くて天井の高いスタジオ。それもそのはず、この第1スタジオはオーケストラを収録することもできる広さを持っており、映画「スター・ウォーズ」のサウンドトラックもこのスタジオで録音されているとのこと。


少し視点を移動させると、オーケストラ用に置かれたイスやピアノ、壁に掛けられたケーブルなどスタジオならではの光景を見ることもできます。


ミキサー卓が置かれたコントロールルームに移動するとこんな感じ。多くのレコーディングエンジニアが1度は憧れるアビーロードスタジオのコントロールルームです。


大型スタジオらしく、ミキサー卓も大型のものが導入されています。置かれているのはNeve社製「88RS」で、その価格は1億円にも達するという最高峰のアナログコンソール。デジタル全盛の時代でも引けをとらない高音質を誇り、特有のアナログサウンドには根強い人気が途絶えません。卓の上に表示された水色のアイコンをクリックすると……


楽曲のミックスダウンを体験できるようになっていました。ドラム・ギター・オーケストラ・ボーカルなど、バラバラに録音された音源の音量バランスをフェーダーで調節できるようになっており、お手本となる音源と聴き比べながら自分のミックスを体験することができます。最後には答え合わせができるようになっているので、ミックスの簡単な腕試しをやってみるのも面白いかもしれません。


画面左下にカーソルを動かすと、全体マップの一部を表示させることができます。マップ上のアイコンにはそれぞれコンテンツが隠されており、例えば「Sting」と書かれたアイコンをクリックすると……


名曲「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」などの曲をロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラと共演する歌手・スティングの映像を見ることができました。スタジオ内の至る所にこのようなコンテンツが合計70か所以上ちりばめられています。


次に、「第2スタジオ」に移動。ここ第2スタジオは、かつてビートルズが多くの作品を録音してきたスタジオで、元メンバーのポール・マッカートニーが「自宅の次に居心地がいい」と語った場所。ビートルズ以外にも非常に多くのミュージシャンがこのスタジオで作品を残しており、音楽好きなら知らないうちにこのスタジオの音を耳にしているはず。ある意味で「世界で最も有名なスタジオ」と言っても過言ではありません。


同じく第2スタジオでレコーディングしたバンド「Oasis」のレコーディング風景なども見ることが可能です。


もちろん、ビートルズにまつわるコンテンツも用意されていました。ちなみに、ポール・マッカートニーはこの第2スタジオが気に入りすぎてしまい、これにそっくりなスタジオを自宅に建設してしまったそうです。


第2スタジオのコントロールルームでも、いろいろなインタラクティブ体験を楽しむことが可能。


ビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のレコーディングに使ったという4トラックテープレコーダー「J37」を使ったコンテンツでは、昔ながらの4トラックテープレコーダーにいろいろな楽器の音をオーバーダビングして詰め込み、曲を完成させてみることができます。


また、スタジオに残されたレコーディングの記録なども閲覧可能。このレコーディング・シートは、1969年にビートルズが「オー!ダーリン」を録音した際に残されたもので、ジョン・レノンのサインが残されています。


「第3スタジオ」は比較的小さなスペースを持つスタジオで、より実験的な作品制作が行われていた場所とのこと。古くはピンク・フロイドといった大御所から、カニエ・ウェストやレディオヘッド、スパイスガールズにレディー・ガガといった名だたるミュージシャンが名を連ねています。


ほどほどの高さの天井を持つスタジオは、メインスペースに扉で区切られたブースがいくつも併設される設計。バンドが一斉に演奏する「一発録り」を行いやすい造りになっています。


第3スタジオには壁が鏡張りになって独特の残響によるサウンドを得ることが可能な「ミラー・ルーム」と呼ばれる部屋もあります。


また、アビーロードスタジオが持つビンテージマイクのコレクションを見ることが可能。マイクの周囲をぐりぐりとなめるように見ることができるので、マニアにもたまらない内容になっています。


「マスタリングルーム」では、アビーロード・スタジオでのマスタリング風景などを見ることが可能。例によってあちこちにコンテンツを示す「i」アイコンが置かれているので、おなか一杯になるまで楽しむことができます。


アナログレコードの原盤を刻む「カッティングマシン」の姿も。カッティングマシンには「ラッカー盤」と呼ばれるツルンとしたブランクディスクが置かれ、これをレコードのように回転させながら電磁石で制御された針で刻むことで、アナログレコードを直接作ることができる機械です。なお、削った後には削りカスが多く出るのですが、このカスがよく燃えるらしく、昔はボヤ騒ぎになることも多かったそうです。


このように、「Inside Abbey Road」は一般には立ち入ることが非常に難しいアビーロード・スタジオの様子を見ることができ、さらにさまざまな特別コンテンツを楽しめるようになっていました。歴史的建造物とも言えるアビーロード・スタジオですが、現実にはスタジオニーズの低下や高価と言われる使用料などが原因で、経営状態が芳しくないとも言われています。そんなスタジオの詳細を見ることができるInside Abbey Roadは、なかなか貴重な資料を残してくれていると言えそうです。

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