メモ

Apple Watchの貸出サービスが開始される意外な理由とは?


2015年4月10日から予約受付が開始された「Apple Watch」の貸出サービスがアメリカの「Apple Watch Lease」で開始されようとしていますが、なぜ貸出サービスをスタートさせしようとしているのか、その理由をApple Watch Leaseが公式サイトで公開しています。

Apple Watch Lease
http://www.applewatchlease.com/

You'll be able to rent an Apple Watch -- but should you? - Apr. 14, 2015
http://money.cnn.com/2015/04/14/technology/rent-apple-watch-lease/index.html

Apple WatchはこれまでのApple製品とは異なる体験ができる端末ですが、同デバイスの貸出サービスを開始しようとしているApple Watch Leaseは「Apple Watchは購入するのではなく借りるほうが良い」と考えています。どうしてかというと、その理由はAppleの製品開発スタイルにあるそうです。


3年前に発売された11インチMacBook Airはいまだに600ドル(約7万1000円)で販売されていて、ユーザーも古いモデルだと理解した上で同デバイスを購入しています。古いモデルの値段がいまだに高い理由は、新しいモデルとの間に大きな性能の違いがないからです。

ただし、初代Apple Watchは既存のApple製品とは異なる、というのがApple Watch Leaseの考え方です。Apple Watch Leaseによると、次世代のApple Watchは初代モデルから大幅にバージョンアップし、初代Apple Watchはすぐに時代遅れになるだろうとのこと。

これほどまでにはっきりとした考えを打ち出せるのは、Apple Watch Leaseが「Time(時間)」と「Buyability(購入のしやすさ)」という概念に基づいて製品の価値を分析しているからです。「Buyability」とはあまりなじみのない言葉ですが、下記の3つの特徴を持っており、特徴を理解すると言葉の意味が何となく分かります。
・Buyabilityは価格に反比例。価格が低くなればBuyabilityは上昇します。
・機能の品質と量に比例します。
・使い勝手に比例します。

つまりBuyabilityが高いほど、ユーザーは製品を購入しやすいというわけです。

下記のグラフはApple Watch LeaseがApple製ではない製品の「Time」と「Buyability」をプロットしたもの。通常の製品では、時間が経つと価格が低くなり、技術の進化に伴い機能の品質も下降。機能も古くなり、操作性も以前より相対的に悪くなるため、Buyabilityも下降していくというわけ。


iMacを「Time」と「Buyability」の観点からグラフ化すると下記のようになります。3つ並んだ線は上から最新モデルを示しています。iMacは3年前のモデルでも最新モデルと性能に大きな違いがなく、グラフは時間と共に緩やかな曲線になっていて、時間が経過してもBuyabilityの減少はわずかです。


MacBookはiMacと比べると製品寿命があまり長くないとのこと。なぜかと言うと、最新モデルに価値のある特徴・機能が加えられるため、最新モデルが登場すると既存モデルのBuyabilityは急激に下がります。


iPhoneの製品寿命はMacBookよりもはるかに短く、次世代のiPhoneが発売されると、Buyabilityがより高い位置にプロットされます。これは、次世代のiPhoneが常に価値のある機能・特徴を追加しているからです。そのため、時間が経つと急激にBuyabilityが低くなります。古いiPhoneは新iPhoneと競合することは難しいということです。


では、Apple Watchはどうなっているのでしょうか。Apple Watchは非常に短い期間で、次世代モデルがリリースされると考えられているのでBuyabilityは下がりやすくなり、大きな変更が加わることで、既存のApple Watchよりも高い位置でBuyabilityがプロットされる予想です。数年間後には初代モデルになかった機能・特徴が次々と追加される可能性があり、これはiPhoneのグラフと少しだけ似ています。iMacやMacBookのように、数世代古くても現役として利用できる、という状況になるには時間が掛かりそうです。


購入者はすぐに古くなってしまうような製品にあまり興味を持つはずはなく、販売店側も次世代製品が発売されることによって売れ残る可能性が高い製品にはある程度のリスクを感じます。また、販売店側も次世代製品が発売されることによって、売れ残る可能性が高い製品に興味を持つはずがありません。それでも販売する必要に迫られた場合、1000ドル(約12万円)もしたApple Watchを250ドル(約3万円)でたたき売る可能性があります。

貸出サービスを開始する理由は、Apple Watchがすぐに次世代製品と競合できない時代遅れのものになり、次世代製品の登場で起きる、大きな価値の低下を防ぐことができるからです。Apple Watch Leaseは10カ月150ドル(1万8000円)という値段でサービスを開始する予定で、購入する人は安くても4万円程度する新品を買うよりも借りたほうが安く済む上に、次世代モデルの登場で所有しているApple Watchの価値が下がってしまうというような事態を避けられるというわけです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Apple Watchは実際のところ買うべきなのか? - GIGAZINE

「Apple Watch」の日本での価格や全38モデルの詳細まとめ、200万円超のモデルも - GIGAZINE

大阪一番乗りで約200万円の「Apple Watch Edition」を試着してきました - GIGAZINE

Apple Watchの予約で最も人気があったモデルと組み合わせが判明 - GIGAZINE

Apple Watchのバッテリーはどれくらい持つのか詳細が判明 - GIGAZINE

Apple Watchはどれくらい頑丈なのかハンマーやドリルで検証するとこうなる - GIGAZINE

Apple Watchで使えるアプリはどんな感じなのかまとめ - GIGAZINE

in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.