サイエンス

睡眠時間が短くても健康的な人は一体どういう生活をしているのか?

by elycefeliz

7時間以下の睡眠が続くといろいろな病気の発症リスクが上昇したり、慢性的な睡眠不足は脳の神経にダメージを与えたりと、睡眠時間が少なくなることによる弊害がよく取りあげられますが、そもそも睡眠時間が少なくても健康的な生活を送っている「ショートスリーパー」と呼ばれる人たちがいます。NYMagのScience of Usコーナーでショートスリーパーの女性にインタビューを行うことで、知られざるショートスリーパーの生活リズムを解き明かしています。

What It’s Like to Need Hardly Any Sleep -- Science of Us
http://nymag.com/scienceofus/2015/02/what-its-like-to-need-hardly-any-sleep.html

睡眠時間の短い「ショートスリーパー」の人たちがどれくらい存在しているのかというはっきりとした数字は分かっていませんが、人口の1%程度がショートスリーパーにあたると推測されています。彼らは一般的な平均睡眠時間よりも短い睡眠でもリフレッシュして目覚めることができ、刺激剤などの助けを借りずに数多くのタスクをこなしていくことができるそうです。たとえばトーマス・エジソンはショートスリーパーだったと言われており、「細胞は眠らない」という名言を残しています。

by lukexmartin

フロリダに住む43歳のショートスリーパー、Jenn Schwaner氏は、平均して1日3~4時間しか眠らなくても、疲れを感じないそうです。Schwaner氏は3歳のころから毎朝5時に起きる生活を送っていたのですが、当時は睡眠時間が短くても平気だということに医学的な理由はないと思っていたとのこと。

by Patrick

20歳で結婚して3人の子どもを授かり、さらに里親としても積極的に活動しているSchwaner氏は、「私は子どもを育てるために生まれてきたのだ」と常々思っているそう。なぜなら夜中に起きて授乳したり、四六時中子どもにつきそって睡眠時間が確保できなかったりすることは、彼女にとって全く問題にならなかったためです。しかし、結婚相手の男性は眠りが浅く、物音を立てるとすぐに目を覚ましてしまう人物であったため、二人の生活スタイルはかみ合わずに結局離婚してしまったそうです。

by Vic

彼女の1日は目覚まし時計なしでも午前3時から4時の間に目が覚めるところから始まり、軽い仕事や洗濯・掃除を済ませた後の6時30分から8時30分までの間に子どもたちを見送ったり赤ん坊を託児施設に預けたりします。その後、9時から17時の時間帯に法廷速記官として勤務し、仕事の後は子どもたちを迎えに行って、ご飯やお風呂を済ませた後、24時までには眠るというのが1日のサイクル。お酒をたくさん飲んだ日でも、2時に寝て6時には目が覚め、二日酔いにはなったことがないそうです。年を取ってから肉体的な衰えは少々感じるものの、頭脳は子どもの頃からずっと明晰であり、「1時間PCで作業して、洗濯物を片付けて、またPCでの作業へ戻り、夕食を準備して、さらにPCで作業する」というルーチンを繰り返すことは、多少のストレスはあるもののまったく疲れを感じないそうです。病気にかかったときはベッドで寝転んでばかりいるのがつらく感じるが、そもそもあまり病気にならないとのこと。

by flik

Schwaner氏が初めて自身がショートスリーパーであることに気づいたのは1年半前のこと。それまでは睡眠時間が他の人よりも短いということに悩み、起床時間が長いという側面を大切にせず、眠気がなくてもとにかく眠るためにあらゆることを試していたとのこと。しかし、「物事を成し遂げるための時間が他の人たちよりもたくさんあるのはラッキーなんだ」と考えることで、今は起きている間にやることを時間いっぱい詰め込んで生きることに充実感を覚えるようになったと語ります。ショートスリーパーであることの最大の利点は、物事を成し遂げる時間が1日の間でたくさん確保できることですが、現在では「もっと1日の時間が長かったらいいのに……」という風に過去とは考え方が大きく変わってしまったそうです。

by Eduardo Diez Vinuela

「毎日の睡眠時間を測って、疲れが取れないと文句を言っている人たちに対して腹が立つか?」という質問に対しては、「自分の子どもたちが気の狂いそうなほど眠り続けることすらイライラする」と回答しており、長時間の睡眠で若者が人生をむだに過ごしていると感じているようです。必要以上に睡眠時間を長くとることを好んでいないとのこと。インタビューの最後でSchwaner氏は「人は死んだ後にいくらでも眠る時間があるのだから、生きている間は命を受け入れてできることをたくさんやるべき」と述べています。ショートスリーパーの生活をそっくり真似するのは難しいですが、起きている時間をむだにしないという生き方は参考にできそうです。

by Simon Bleasdale

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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