取材

しまなみ海道を望む尾道で自転車ごと宿泊できる複合施設「ONOMICHI U2」に泊まってきました


広島県尾道市と愛媛県今治市を瀬戸内の島伝いに結ぶ「しまなみ海道」は、本州と四国を結ぶ重要なルートであると同時に、CNNの旅行記事で世界で最も素晴らしいサイクリングルート8選に選ばれるほど国内外の自転車乗りの間では人気の高いルートです。そんなしまなみ海道の本州側の起点である尾道には、自転車を部屋に持ち込んで宿泊できるホテルなどが入ったサイクリスト向け複合施設「ONOMICHI U2」があるということなので、本格的なサイクルシーズンが始まる一足前に利用してみることにしました。

Cycle, Travel and Good things|ONOMICHI U2
https://www.onomichi-u2.com/

◆サイクリストの聖地「しまなみ海道」
しまなみ海道は尾道市と今治市を結ぶルートで、その延長距離はおよそ70km。自動車道は別の、自転車にピッタリなルートが設定されており、多くのサイクリストが集うことで知られている日本有数のサイクリングルートです。

サイクリングマップ | サイクリング | SHIMAP しまなみ海道観光マップ


日本のサイクリストのあいだでも「定番」とされ、日本中から愛好者がやってくるしまなみ海道ですが、2014年にはCNNの「The world's most incredible bike routes(世界の最も素晴らしいサイクリングルート)」の一つに選ばれたこともあります。

Cycling across the sea in stunning Hiroshima - CNN.com


◆サイクリスト向け複合施設「ONOMICHI U2」
そんなしまなみ海道の本州側にあるのが「ONOMICHI U2」。元は港湾の倉庫として使われていた建物をリノベーションして、特にサイクリストに向けた複合施設として生まれかわったものだとのこと。


元港湾倉庫だけあって建物の片側は海に面しており、海沿いにはプロムナードが備えられていました。


ひとたび足を踏み入れると、内部はこんな感じ。高い天井をいかした空間の中にホテルやレストラン、バーやサイクルショップなどの施設が入っています。


まずはホテルの「HOTEL CYCLE」にチェックイン。サイクリスト向けだけあって、カウンターの前にもサイクルスタンドが備えられているので、自転車に乗ったままチェックインすることが可能。


HOTEL CYCLEは、ONOMICHI U2のおよそ3分の1のスペースを占める施設。建物の中に2フロアのホテルが作られるという不思議な造りになっていました。ダウンライトで照らされる内部はかなりスタイリッシュな雰囲気が漂っています。


ホテルの部屋もおしゃれな雰囲気が満点。ゆったりとした広さのデラックスツインルームはこんな感じでした。室内は暗めに設定されていました。


壁には、ロードバイクのハンドルを利用したサイクルラックが取り付けられているので……


持ち込んだ自転車を壁に掛けておくことができます。


ガラスの向こうにはなにやら別の空間が。


シャワー、バス、トイレのスペースでした。


壁面のレンガは壁紙ではなく、きちんとブロックを積んで作られたもの。かなりこだわりをもって作られていることがひしひしと感じられます。


この部屋にはシャワーとは別にバスが備えられていました。ベッドルームとはカーテンで仕切ることもできるので、ゆったりとバスタイムを堪能することも可能。


ガラスで仕切られたシャワースペース。大きめのシャワーヘッドが備えられ、お湯の流量も申し分なし。


サイクリングで疲れた体を、自分のバイクを眺めながらバスで癒やすこともできるスペースとなっていました。


部屋を堪能したところで、施設内を散策してみました。ホテル2階部分から1階部分を望む光景。


あちらこちらに自転車乗りにうれしい設備が整えられています。


ホテルの隣にはベーカリーやカフェ、レストランなどが並ぶスペース。すぐ横で焼いたばかりのパンが並べられていました。


レストランスペースや……


雑貨を取り扱うショップなど


自転車ブランド「ジャイアント」のショップが入っているのもサイクリストには心強い存在。しまなみ海道を走る前に、しっかりメンテナンスしてもらうことも可能です。


また、シティバイクから本格的なロードバイクまで、さまざまな自転車のレンタルサービスも提供されていました。


この場所限定の、しまなみ海道オリジナルジャージも販売されていました。


ホテルにチェックインした際に渡されたウェルカムドリンクのチケット。これを施設内のバーで利用すると……


MUMMのグラスシャンパンと引き替えることができました。比較的高価なホテル利用料にはなりますが、こういったサービスの厚さに十分に利用する価値を感じる瞬間。


静かに更けていく尾道の夜。


◆翌朝・しまなみ海道へ出発
朝になると、ONOMICHI U2の周辺には多くのサイクリストが集まって来ました。


取材に訪れた当日には、しまなみ海道を縦断するスタンプラリーイベント「しまなみ縦走2015」が開催されていました。


合計15か所+1か所のチェックポイントでスタンプをもらうと記念品をゲットできるというイベント。サイクリングの聖地を盛り上げようという楽しそうなイベントでした。


走り始める前にまずは腹ごしらえ。施設内のレストランで朝食をとることができます。焼きたてのパンやコーヒー……


そして新鮮な野菜、フレッシュジュースなどが並んでいました。


たっぷりの野菜とパン、そして卵料理とハム・ソーセージをオーダー。


ふわふわのオムレツを食べていると、1度は「走るぞ!」と入れた気合もすっかり抜けてしまいそう。


しっかり炭水化物をとって、長い道のりに備えておきます。


◆サイクリストの聖地「しまなみ海道」へゴー
しまなみ海道へのスタートは、まずは渡船で向島に渡るところから。イベント開催中だけあって多くのサイクリストが列を作っていました。


島に上陸したら、サイクリングのスタート。今治までのルートには写真のように青いラインと残り距離が書かれているので、行き先に迷ってしまうことはありません。


1つ目の橋となる「因島大橋」に到着。


しまなみ海道を走ること、それは数々の坂道へのチャレンジと言っても過言ではありません。橋を渡るたびに50メートル前後、高いところでは100メートルに近い高低差をこなす必要があるのがチャレンジしがいのあるところです。とはいえ、心が折れてしまうような激坂はなく、適度な疲労感を得る程度なので初心者にも安心。


因島大橋は、車道から一層下にある専用路を走るようになっていました。


橋を渡ったところでスタンプポイント。全ルート制覇のモチベーションにもなるので、このようなイベント開催日を狙って訪れるのもオススメです。


道中のチェックポイントには、ボランティアでキャンディやドリンク、フルーツなどを提供するところもありました。まさにサイクリストにとっての聖地とはこのこと。


因島を抜け、次なる橋「井口橋(いくちばし)」に到達。再び橋の高さまで軽いヒルクライムを行うと……


絶景かな。車道と同じ橋の最上面からの眺めは最高でした。


橋を渡り、3つめの島「生口島」では、パームツリーが植えられた海岸沿いを進みます。


生口島のチェックポイントは「サンセットビーチ」など数か所に設けられていました。


思わず、ジャージ姿のまま飛び込んでしまいたくなるような瀬戸内の海。


レモンの産地だけあって、地元の中学生がレモンをかぶってお手伝い。


イベントとは別に、ボランティアではっさくなどのフルーツを提供してくれる「おばさん会」のみなさんも。地元の人たちの気持ちに触れられるしまなみ海道でした。


この日は時間の都合で今治へのゴールは断念し、来た道を引き返すことに。夕日を浴びる因島大橋の姿にリベンジを誓った瞬間でした。


帰りも渡船を利用して尾道へと帰還。


ONOMICHI U2の前にはコインシャワーが隣接しているので、汗を流してサッパリできるのもありがたいところです。


帰路につく前に、再びONOMICHI U2でみやげ物などを物色。


いわゆる「尾道ラーメン」のセットなどは別の場所で探す必要はありますが、レモンやはっさくなどの地元の産品を使った商品が多く並べられていました。


サイクリストにありがたい設備がそろったONOMICHI U2では、1周年を記念したさまざまなイベントやキャンペーンを実施しているとのことなので、しまなみ海道未経験の人も、はたまた何回もチャレンジしたことがある人も1度訪れてみても良さそうでした。

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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