レビュー

初音ミクとコラボしたYAMAHAのミニミキサー「AG03-MIKU」をいろいろ触ってみました


音響機器を多くラインナップするヤマハは、2015年5月に初音ミクとコラボレーションしたミニミキサー「AG03-MIKU」を発売します。製品版には、初音ミクの歌声を使った音楽制作を買ってすぐに始められるソフトをバンドルした「初音ミクおためしセット」が同梱されるのですが、今回はミキサー本体を一足先に借りることができたので、いろいろと触ってみることにしました。

AG03-MIKU - ウェブキャスティングミキサー - ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/products/music-production/interfaces/ag03-miku/


コレが編集部に届いた初音ミクとのコラボレーションで生まれた「AG03-MIKU」。音楽・音声用の3チャンネルを搭載したミキサーで、PCと接続してウェブキャスティングなどにピッタリの構成となっています。パネル上にデザインされた初音ミクのイラストがファンにはたまらないところ。


製品版には、クリプトン・フューチャー・メディアが開発したバーチャルシンガー・ソフトウェア/歌声ライブラリの「初音ミクV3(ORIGINAL/DARK)」の39日体験版、サウンド素材「SONICWIRE」のフリーサンプル、「VOCALOID4 Editor for Cubase」の39日体験版、そしてSteinbergの音楽制作ソフトウェア「Cubase AI」のダウンロード版ライセンスが同梱されているので、買ってすぐに音楽制作とウェブキャスティングを始めることができる、というわけです。

AG03-MIKU - ウェブキャスティングミキサー - ヤマハ株式会社


ミキサーのパネル上部には入出力関連の端子がまとめられています。左から、マイク/ライン兼用のコネクタを装備した1chには、コンデンサーマイクなどを接続可能なファンタム電源を搭載。2chはギター/ライン切り替え式のインプットを持ち、ライン入力はステレオに対応しています。一番右には出力系統がまとめられており、モニターアウトはピンジャックと標準プラグの2系統、ヘッドフォンアウトを2系統備えています。FOOT SWと書かれた端子は、エフェクトのON/OFF切り替えを足元で行うフットスイッチを接続する端子。


シンプルにまとめられ、わかりやすそうなミキサー部。パッと見た目は複雑そうですが、実際にさわってみると操作しやすくまとめられていることが実感できるので安心です。なお、ミキサーの基本設計は同じく2015年5月発売予定のAG03と共通となっています。


音声を入力する1chには音量調整用のフェーダーが搭載されており、より細かな操作が可能なのがうれしいところ。フェーダーの横には入力レベル調整用のゲインツマミと、音質を操作する「COMP/EQ」ボタンと「EFFECT」ボタンがレイアウトされています。


1chの横にはヘッドセット入出力端子や、外部音楽プレーヤーとの接続端子を配置。その下にある「TO PC」スイッチは、USB接続したPCへどの音を送るかを決めるスイッチ。「DRY CH 1-2G」は1-2チャンネルに入力された音をそのまま送り、AG03-MIKUを24bit/192kHzのハイレゾ対応オーディオインターフェースとして使うモードです。「INPUT MIX」は、音量バランスを調節したミックスをPCに送るモード。「LOOPBACK」は、マイクの声や楽器の音にUSB接続したコンピューターやiPadで再生するBGMや効果音をミックスし、もう一度PCへと送る(ループバックする)モードで、ウェブ配信を行う際に適しています。


その下には、2-3chとUSB接続したPCの各ボリュームを調節するツマミが配置されていました。


そして一番右には、上から電源スイッチ、レベルメーター、モニターミュートスイッチ、そしてスピーカーツマミとヘッドフォンツマミがレイアウトされています。各ツマミの音量は、出力端子に書かれたスピーカーとヘッドフォンのイラストがある端子に対応しているのでわかりやすくなっていました。


背面には、5V電源供給用のMicro-USB端子と、PCと接続するためのUSB 2.0端子がありました。USB 2.0でPCと接続している場合には、5Vの電源を供給する必要はありません。


ということで、まずはPCとAG03-MIKUを接続。ケーブルは製品に付属しているので別途用意する必要はありません。


電源を入れたら、使う準備はOK。


詳細なミキシング操作などは別の機会にレポートするとして、今回は多彩な音作りが可能になるソフトウェア「AG DSP Controller」の効果のほどを試してみます。このクラスのミキサーには非常に珍しい、PCと接続するタイプのDSPコントローラーを内蔵しているのがAG03-MIKUの隠れたポイント。ミキサーとPCを接続し、作業しやすさを考えて一回り大きな液晶モニタに操作画面を表示させました。手前にあるiPadは音源再生用に用意したもの。


「AG DSP Controller」を立ち上げるとまず表示されるのがこの画面。「EASY」モードの表示画面では、画面には1チャンネルのボリュームと、内蔵されたギター用アンプシミュレータの調整ツマミ、そしてエフェクトツマミの3つだけが表示されています。次に、「EXPERT」をクリックすると……


AG DSP Controllerをフルに活用できる画面に切り替わりました。PC画面ならではのグラフィカルな表示で、直感的に操作できそうな雰囲気が漂っています。


1チャンネルと2チャンネルには、コンプレッサー(COMP)とイコライザ(HPF/EQ)をそれぞれ搭載。表示横のアイコンをクリックすることで効果のON/OFFを切り替えることができます。


「PRESET」をクリックすると、ボーカルやスピーチ用、楽器用などに設定されたプリセットを選ぶことができます。


2チャンネルにはCOMP/EQに加え、ギターをつないでアンプの音を再現するギターアンプシミュレータを搭載。ゲインのHigh/Low切り替えや音質ツマミなど、ギターを触ったことがある人ならすぐに使えるデザインになっています。


そして、一番右には音にリバーブをかけられるエフェクト(EFFECT)を搭載。YAMAHAが誇るSPXシリーズの名を冠したプロセッサ部分で、調整できるパラメーターも多岐にわたる本格仕様。1チャンネルと2チャンネル共通のエフェクトになっています。


「PRESET」からは、デフォルト設定に加えてホール・ルーム・ステージの3種類のリバーブを選択することが可能です。


ということで、実際にミキサーに音を入れてDSPでぐりぐりといじくってみました。従来のこのクラスのミキサーでは実現が難しかった非常に多彩な音作りができるという、AGシリーズのメリットをよく感じることができると思います。

YAMAHA「AG03-MIKU」で使えるDSPソフト「AG DSP Controller」で音をいじってみた - YouTube


YAMAHAのウェブキャスティングミキサー「AG03-MIKU」は2015年5月発売予定。価格はオープン価格となっていますが実売価格で税込1万5000円程度になるものとみられており、手軽にミキシングしたりネット放送に活用できそうな製品となっていました。製品版に同梱される「初音ミクおためしセット」の各ソフトは今後改めてレビューする予定なのでお楽しみに。


なお、発売に先立ってYAMAHAはAG03-MIKUのイメージPVをYouTubeで公開しており、こちらもよくわかる内容になっています。

ウェブキャスティングミキサーAG03-MIKU - YouTube

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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