自動車のもっと便利な未来の技術に触れられる「国際オートアフターマーケット2015」
究極のハイテク産業である自動車は、IT技術の発達によりもっともっと便利になると予想されています。そんな未来の自動車をとりまく環境やインフラなどにつながる技術に触れられるイベントが「国際オートアフターマーケット」です。今年で13回目となる「国際オートアフターマーケット2015」で自動車関連のIT技術をチェックしてきました。
International Auto Aftermarket EXPO ~第13回国際オートアフターマーケット EXPO2015~
http://www.iaae-jp.com/
会場の東京ビッグサイトに到着。
国際オートアフターマーケット EXPO2015は2015年3月11日から13日にかけて開催されました。
さっそく西ホールの展示ブースに入場します。
◆イナゴ株式会社
まずはイナゴ株式会社(iNAGO)のブースから。
iNAGOはSiriやCortanaのような音声アシスタントで「自然な会話とインタラクション」を実現するクラウド型プラットフォームを展示。一般的な音声アシスタントは質問に対して回答するだけのツールですが、iNAGOは質問のコンテキストを認識して「今、何を聞かれているのか」を正確に理解して、単に命令に応えるだけでなく提案をしたり「対話」をすることができるとのこと。
この技術を活用したのが無料のAndroidアプリ「mia(ミア)」です。
mia(ミア)|音声対話アシスタント - Google Play の Android アプリ
音声対話アシスタント「mia」がどんな風に会話して検索を手伝ってくれるのかは以下のムービーを見れば一発で理解できます。
mia(ミア)と会話しながらレストランを探すとこんな感じ - YouTube
好みの店を提案してもらった後は、Googleマップのナビ機能を使えばドライブ途中での検索も非常に捗るというわけです。
もちろんmiaには車載用の「ドライブモード」も用意されています。
mia(ミア)のドライブモードで音楽を検索 - YouTube
iNAGOはmiaを相手先ブランドのキャラクター用のエンジンとしてOEM提供しており、すでにケイオプティコムやヤマダ電機のキャラクターなどに採用されているとのことです。
◆NTTドコモ
続いてはNTTドコモのブース。ドコモは車載用モバイル通信端末の開発にも力を入れているとのこと。
これは現在、開発中の「ミラー型テレマティクス端末」。ミラーの中にスマートフォンや車載端末の情報を表示できます。
端末はPioneer製。SIMカードを挿して通信できるれっきとしたモバイル通信端末です。
これはスマートフォンでドライバーの運転特性を記録して、安全な運転ができるよう、サポートしてくれるアプリ。
ユーザーの運転特性を検出する車載用モジュール「通信型OBD端末」はこんな形。
上下が前後のG、つまりブレーキと加速のデータを表しているとのこと。この例のドライバーはグラフの交点から下に集中するポイントがあるため、よく急加速しがちであることが可視化されています。
これは「ポータブルSIM」。現在のスマートフォンなどの通信端末の情報を管理するSIMカードのように差し替えることなく情報を受け渡しできるとのこと。
自動車のナビ画面の右にポータブルSIMの受信器を搭載すれば……
タッチ操作でナビに情報を受け渡すことが可能。例えば、クラウドに保存した目的地の登録情報をSIMでヒモづけておけば、他人の自動車のナビを自分仕様にカスタマイズできるので、カーシェアリングなどへの応用が期待できそうです。
◆メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは「ディストロニックプラス」など最新のレーダーセーフティシステムを展示。
ディストロニックプラスがどのような機能なのかは、以下のムービーを見れば分かります。
メルセデス・ベンツのディストロニックプラスで前方の車両を自動追尾 - YouTube
前の車両をしっかりと追跡。
急なブレーキにも対応します。
スリーポイントテッドスターの中のレーダーでディストロニックプラスを実現しています。
また、フロントガラスに搭載したカメラでは道路の「白線」を検出。車線を越えた場合にステアリング(ハンドル)を微振動させて警告してくれます。なお、ドライバーが警告に反応しない場合は自動補正ブレーキで車線内に戻そうとするとのこと。
さらに、リアバンパーのセンサーは後ろから接近する車両を検出。死角エリアに入った自動車が接近するとドアミラー内蔵のインジケーターランプで注意喚起してくれます。
◆トヨタ自動車
トヨタブースに到着。
「Intelligent Transport Systems(ITS)」技術を活用した「協調型運転支援システム」についての展示を行っていました。
これは交差点に設置された無線装置を使って、右折時に前方から接近してくる車両や横断歩道を渡る歩行者など、ドライバーが見つけにくい存在を教えてくれるシステム。すでに愛知県で導入され、実証実験が行われているそうです。
その他にも、前方の赤信号や……
緊急車両の接近も通知してくれます。
さらに自動車同士で通信を行い、先行車両の加速・減速を完璧に捉えて一定の距離を保つ「通信利用型レーダークルーズコントロール」も展示。
通信利用型レーダークルーズコントロールの威力は以下のムービーで確認できます。
通信利用型レーダークルーズコントロール - YouTube
通信利用型レーダークルーズコントロールシステムでは、先行車両の走行データを後行車両と共有。
これにより完璧な連携が実現。
あたかも連結したかのようなランデブー走行が可能になります。
現在主流のミリ波を使ったレーダークルーズコントロール(上)では、先行車両の急ブレーキに反応するのにタイムラグが生じるのは避けられませんでした。
タイムラグのせいで車間距離が広がってしまうレーダークルーズコントロール(上)に対して通信利用型レーダークルーズコントロールシステム(下)は安定した車間距離を保ち続けられます。
トヨタも他社と同様にビッグデータの活用を研究中。
地図上の赤い点はABSが作動したポイント。このような地点は緊急的なブレーキをかけてしまう外部環境的な要因があるそうで、トヨタはこれらの地点を行政と一緒にチェックして原因を特定し改善することで、「事故の芽をつむ」という地道な活動を行っているそうです。
◆NAVITIME
巨大なブースを構えて気合が入っていたのがNAVITIME。
ナビではなく渋滞情報の表示に特化したのがiOSアプリ「渋滞情報マップ」
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 渋滞情報マップ by NAVITIME - 高速道路のリアルタイム交通状況
渋滞している道路やライブカメラの映像を確認できる渋滞情報マップの使い勝手はこんな感じです。
「渋滞情報マップ」で渋滞情報とライブカメラの映像を確認 - YouTube
これは現在開発中の「つながるメーター」という、メーター内にスマートフォンアプリの情報を表示する機能。メーターシェアトップの日本精機との共同開発製品とのこと。
通信にはBluetoothを使用。オーディオや車両情報、さらにはバックモニターにもなる予定です。
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