アルツハイマー病の原因物質が若者の脳で初めて発見、20代の脳にも危険

By Emilio Garcia

アルツハイマー病を引き起こす原因には「アミロイドの異常蓄積」があると考えられており、これは加齢とともに進行するものと考えられています。しかし、通常ではアルツハイマー病で研究されない脳のある分野を調査したところ、20代の若者の脳にもアミロイドが蓄積している部位が存在していることがノースウェスタン大学フェインバーグ医科大学の研究で明らかになりました。

Neuronal amyloid-β accumulation within cholinergic basal forebrain in ageing and Alzheimer’s disease | Brain
http://brain.oxfordjournals.org/content/early/2015/02/26/brain.awv024


Alzheimer's in Young Brains: Evidence of Disease Begins in Young Brain
http://time.com/3727071/alzheimers-young-brains/

脳で生成されるタンパク質の1種であるアミロイドは、脳に新しいニューロン結合を形成することで、適応能力を維持したり、記憶力を強化するなどの働きを持っています。しかし、アミロイドが異常に蓄積すると脳内に粘質のプラークが形成され、正常な脳神経細胞に干渉することでニューロンが破壊され、アルツハイマー病を引き起こす原因になるといわれています。

アミロイドの蓄積は年齢とともに発生すると考えられていましたが、ノースウェスタン大学フェインバーグ医科大学の認知神経学・アルツハイマー病センターの研究によって、アミロイドの蓄積が20代の若者の脳内でも発生していることが明らかになりました。研究を主導したChangiz Geula教授らは20歳~66歳の健常者、70歳~99歳の健常者、60歳~95歳のアルツハイマー病患者の脳を分析し、全ての脳の前脳基底部からアミロイドの蓄積を確認したとのこと。

前脳基底部は記憶・注意力に関する部分ですが、アルツハイマー病の研究では通常は検査されない部位となっています。この研究結果によって、前脳基底部にはアミロイドが蓄積を受けやすい細胞群が存在することが判明。剖検標本であるため、これらの若い個体が実際にアルツハイマー病を発症していたかどうかは確認できませんが、アルツハイマー病を引き起こすプロセスが20代から始まっていることを示しており、将来的にアルツハイマー病の発症を促進することがわかっています。


そのためGeula教授は、「若い脳におけるアミロイドの蓄積を減少させることができれば、アルツハイマー病の発症を防止できるかもしれません」と話しています。異常に蓄積したアミロイドを除去する有効な方法は見つかっていませんが、すでに有望な化合物が発見されており、臨床試験でテストが進められている段階です。Geula教授は、アミロイドによってプラークを形成してしまう遺伝要因を持つ人であっても、アミロイドの除去がアルツハイマー病治療に有効である、と考えています。

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in サイエンス, Posted by logw_ny