レビュー

夢に潜入してアイデアを植え付ける「インセプション」がモデルのボードゲーム「Dream Heist」をプレイしてみた


2010年に公開された映画「インセプション」の「夢には階層がある」「夢の階層が深くなるにつれ時間の進み方が遅くなる」「夢の中で死ぬと虚無の世界に行き、現実世界に帰ってこれなくなる」という特殊な設定をボードゲームに落とし込んだのが「Dream Heist」です。インセプションとボートゲームが融合すると、どのようなゲームになるのか気になったので実際にプレイしてみました。

Dream Heist
http://www.pilot-study.com/index.html

Dream Heistは、インセプションで登場した夢共有装置を保管するためのアタッシュケース風のパッケージに入っています。


パッケージはかなり大きく、iPhone 6とサイズをくらべるとこんな感じ。


パカリとオープン。


中にはゲームボード・サイコロやコマ・カラフルなブロック・カード・説明書が入っています。


ゲームボードはかなり大きく、プレイするにはそれなりのスペースが必要。


カラフルなブロックは赤・紫・青・緑・白の5色で得点計算に使います。


映画に登場したトーテムにそっくりなものはコマとして使用。


「DESIGNER」「INFILTRATOR」「THIEF」「SHIFTER」と書かれているのはアイデアカード。


コレは円形のボードを時計回りに進んでいるのか、反時計回りに進んでいるのかを告知するクロックワークカードです。


サブコンシャスカードと呼ばれるカードはプレイヤーを補助するお助けカード的な位置づけになっています。


Dream Heistでは各プレイヤーがミッションをクリアする必要があります。そのミッションの詳細が書かれているのがミッションカードです。


パッケージの中身を確認したところで実際にプレイしてみます。今回は分かりやすいように2人でチャレンジ。Dream Heistのプレイ可能人数は2人~5人までです。


まずはコマとして使用するトーテムとブロックを選択し、選んだブロックと同じ色のクロックワークカードをもらいます。今回は銀色のコマのようなトーテムと、チェスのコマ型のトーテムを選択。


ゲームを始める前に、各プレイヤーは自分の色のブロック1つをボードゲーム上部に並んでいる数字の「1」の場所にセット。これはポイントを表していて、ゲットしたポイント数だけ移動させます。


3種類のカードはプレイ前によくシャッフル。


ミッションカードは他のプレイヤーが3枚だして、その中から1枚選択。


ゲットしたミッションカードがコチラ。


アイデアカードは4枚ずつ配ります。


残ったアイテムカードをボードのTHIEFと書かれている場所にセット。白色のサブコンシャスカードはゲーム開始時に配る必要はなく、そのままSHIFTERと書かれたゾーンに山札として置きます。これでプレイ準備は完了。


ゲームを始める前にザックリとですが、ルールを説明。ボードはマークという人の夢を表しており、マークが夢から覚める前に全てのミッションを終了させて、その時に最もポイントを稼いだ人が勝利する、というのがゲームの大まかな流れです。


ボードは青のDESIGNER・赤のINFILTRATOR・緑のSHIFTER・紫のTHIEFという4つのゾーンに分かれています。よく見ると、マスが並んでいる円が合計4つあるのが分かり、これは外側からそれぞれ第1階層・第2階層・第3階層・第4階層と呼ばれるエリアです。


マスの種類は全部で4つで、左から「アイデアを植え付ける」「サブコンシャスカードを山札から1枚取る」「サブコンシャスもしくはアイデアカードのどちらか一方のカードを山札から1枚取る」「アイデアカードを山札から1枚取る」という意味です。4種類のマスしかないので、覚えるのは簡単。


第4階層の円の真ん中にあるのはLIMBO(虚無)と呼ばれる場所。一度落ちてしまうとなかなか抜け出せないそうです。


ゲームのルールのカギを握るのがミッションカード。ミッションカードの左側には4色に色分けされた4つのミッションが書かれていて、それぞれを1つの階層で遂行する必要があります。ミッションは「アイデアを植え付ける」マス(雷マーク)で実行可能。


例えば、左にある数字が4で青色の背景にDESIGNERと記載されたミッションは、青色のDESIGNERのゾーンにある雷マークのマスに止まった時にのみ実行できます。ただし、実行するにはDESIGNERカードを4枚所持している必要があるというわけ。ミッションが実行される階層は指定されていないものの、各階層で1つのミッションしかこなすことができません。つまり、ゲームは第1階層でDESIGNERのミッションを、第2階層でSHIFTERのミッションを行う……といった具合に各階層で4つのミッションを実行するのが目的です。4つのミッションを完遂するとボーナスポイントとして、カード上部に記載されている数字が得点に加算されます。このカードの場合、全ミッション達成で加算されるのは26点です。


文字で読むよりも見てもらう方がゲームの面白さがよくわかるので、ご託はここまでにして実際にプレイ開始。まずはコマを第1階層の「FIRST」と書かれた場所にセット。


次にサイコロを振りますが、振る前に時計回りに進むのか、反時計回りに進むのかを宣言する必要があります。今回は時計回りを選択。


出た目の数は6なので、コマを時計回りに6マス進めてサブコンシャスカードのマスに止まりました。


サブコンシャスカードを1枚山札から取ります。ゲットしたサブコンシャスカードは「DESIGNER」カードとして使用可能とのこと。


1回サイコロを振った時点で緑のSHIFTER・赤のINFILTRATORが各1枚、青のDESIGNERが3枚ある状態。


一方相手は、1投目で雷マークの「アイデアを植え付ける(ミッションを実行する)」マスに止まりましたが……


アイデアカードの枚数が不足しているので、ミッションは実行できず。要するに止まり損でした。


こちらも3投目にしてようやく雷マークでストップ。ミッション実行のチャンスです。


ラッキーなことに赤色のINFILTRATORカードが3枚あり、ミッションを実行しようとしますが……


コマが止まったゾーンは青色のDESIGNERゾーンなので、ミッションを行うには青色のDESIGNERカードが必要。赤色のカードを持っていても意味がありません。


「せっかくミッションを実行するチャンスだったのに……」と肩を落としますが、次のターンで赤色のゾーンにある雷のマスに止まることに成功。赤色のINFILITRATORカードを3枚使用してミッションを実行します。


ミッションを実行したら円の外側にブロックを使用したカードの枚数、つまりブロックを3つを並べます。第1階層でミッションを実行し、3つのブロックを置いたので、1点×3の3点をゲット。第2階層ではブロック1つにつき2点、第3階層では3点、第4階層では4点獲得でき、階層が下がると獲得できる点数が高くなります。


点数を獲得したら、上部にセットしたブロックを移動させます。これで持ち点は4点になりました。


1つの階層につき実行可能なミッションは1回なので、もうこれ以上第1階層にいる必要はなく、第2階層に移動します。


第2階層に移動するにはサイコロを振って合計の目が2の倍数であれば移動できます。サイコロは1ターンに1回しか振れないので、2の倍数が出るまでターンを消費することに。なお、第3階層へ移動するにはサイコロの合計が3の倍数、第4階層へは4の倍数にならないと行けません。


「エイヤッ!」と気持ちを込めてサイコロを振ると8が出ました。2の倍数なので第2階層へ移動できます。


階層を移動した際は、ゲーム開始時と同じように円の最上部にコマをセットして、時計回りで進めるか、反時計回りで進めるかを宣言してからサイコロを振ります。


という具合にしてゲームは進行。第2階層でも大きなトラブルはなく緑色のSHIFTERのミッションを完遂し、第3階層へ……。


第3階層ではミッションを実行する前に「次の階層へ進む」というサブコンシャスカードをゲットしたので、サイコロを振り各ゾーンでミッションを行う必要がなく、そのまま次の階層に進めます。通常であれば第4階層へ移動するにはサイコロで4の倍数を出すという難易度の高い壁をクリアしなければいけないのですが、今回はそれすら必要なく、早速サブコンシャスカードを使って第4階層へ移動。


第4階層はマスの全てが雷マークのスペシャルステージ。これは「夢の階層が深くなるほどアイデアを植え付けやすい」という映画の設定を反映しているそうです。


第4階層のマスがすべて雷マークということは、ミッションを実行するのに必要な枚数のアイデアカードを所持している必要があります。今回は青色の「DESIGNER」カードを4枚持っているので、雷マークに止まればミッションを実行可能な状態。アイデアカードの枚数が不足している状態で第4階層に来ても、何もすることがなく別の階層へ移動するはめになるので注意が必要です。


一方その頃、相手はまだ第2階層にたどり着いたばかり。自分と比べるとかなり遅れを取っているように見えますが……


相手はミッションを実行できないままカードを集めまくっていったので、山ほどアイデアカードを所持しており、いつでもミッションを実行可能な状態です。盛り上がって参りました。


3ターンが必要でしたが、何とか第4階層でミッションを実行することに成功。


ただし、相手も時を同じくして第2階層をクリア。2人とも第3階層へ向かうことに。


2人で同じ階層をプレイしていた時に事件が発生。自分のコマを移動させた先には、相手のコマがすでにありました。


この場合、先にマスにいたコマがLIMBOに落ちてしまいます。最下層にあるLIMBOから脱出するには、元いた階層へ移動する際に必要な目をサイコロで出す必要があります。つまり、第3階層からLIMBOに落ちた今回は3の倍数を出さないとLIMBOを抜け出せません。


これでリラックスして戦えると思ったのですが、相手は1回目で3の倍数を出すことに成功。


すぐに第3階層に戻ってきました。なお、LIMBOから脱出した時は、元いたマスではなく階層の最初にコマを戻して再プレイになります。


何事もなく数ターンが進んだところで、自分のコマが紫色のゾーンにある雷マークに止まり、ついに最後のミッションを実行することに成功しました。ここで最後のミッションが成功したことを高らかに宣言。プレイヤーのうち1人がミッションを完了すると、それから先は10ターン続く「FINAL KICK」というモードに変わります。FINAL KICKではいずれのプレイヤーも10ターン以内に第1階層に戻らないと、夢の持ち主であるマークが目を覚ましてしまい、LIMBOに落とされてしまいます。第1階層に戻るにはサイコロの目を振って倍数を出して1階層ずつ戻る必要があるので、ミッションが残っている人は早急に完了させて急いで戻らなければいけません。


FINAL KICKモード開始から4ターン後、自分は第1階層に戻ることができましたが、相手はミッションの実行を優先しており、まだ第3階層にいます。


相手は第4階層にまで進み最後のミッションを完遂。これで得点争いはかなりきわどい勝負になりそうです。


しかしながら、相手は10ターン以内に第1階層に戻ることができず……


あえなくLIMBOに落ちていきました。FINAL KICKモードが終わればゲームは終了し、LIMBOに取り残された相手は10点減点です。


無事に第1階層にたどりつければ減点はなし。4つのミッションを完遂しているので、ボーナスポイントを加算し……


合計62点をゲット。


相手は40点しかなく、見事に勝利しました。


初めはミッションを次々と実行できていたので余裕を持って勝てそうでしたが、所持しているアイデアカードが少なかったため、序盤の余裕が後半にはほとんどなくなっており、かなりハラハラする展開でした。1ゲームのプレイ時間は約30分で、人数が多いほど盛り上がりそうです。Dream Heistは映画「インセプション」を見たことのある人だけでなく、見たことがない人でも十分楽しめるボードゲームになっていました。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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