無料でドローン飛行禁止区域を登録できる「No Fly Zone」はなぜ必要か?


ドローンには高性能なカメラをつけることができるため、ドローンの飛行にはプライバシー問題や、落下・墜落による危険が常につきまといます。今後ドローンが増え続けると、空一面にドローンが飛び交うようなことになりかねないわけですが、そんなことにならないよう登録した住所付近を信号によってドローン禁止区域に設定できる「No Fly Zone」が登場しています。サービス開始から24時間で1万人以上の申し込みがあったそうですが、なぜこのサービスが注目されているのか、最近のドローン事情をふまえてまとめてみました。

No Fly Zone
https://www.noflyzone.org/

「No Fly Zone」がどのようなサービスなのかは、以下のムービーで説明されています。

No Fly Zone - YouTube


ドローンは優れた技術を駆使した素晴らしい製品ですが、カメラを搭載できるため、人々のプライバシーを侵害する恐れがあります。そこでプライバシーを守りたい場所の住所を「No Fly Zone」に登録しておけば、ドローンに向けて「飛行禁止区域である」ということを伝える信号が送られるようになります。ドローンにとっては目に見えない壁ができるようなものということ。


No Fly Zoneは飛行禁止区域の登録を無料で受け付けており、住所入力後に名前とメールアドレスを登録すればOK。現状では一部のアメリカ限定サービスとなっています。


なお、Ars Technicaによると、No Fly Zoneにはサービス開始から24時間で1万人以上の申し込みがあったとのこと。提携している企業はDroneDeployPixiePathEhangHEXO+YUNEECHorizon HobbyRCFlyMapsとなっており、ParrotDJIといった有名ドローン企業はまだ参加していません。

ドローンがさらに発達していくことで、人間が立ち入れない場所の調査や、Amazonが計画している「ドローン配達」など、人々の暮らしを豊かにする可能性は十分に考えられます。アリババもドローン配達のイメージムービーを公開すると共に、すでにテスト配達を実施しており、ドローンの需要が増えるほどにNo Fly Zoneのようなサービスが必要になってくるというわけです。

ドローンの飛行禁止区域を登録制で募集するサービスはNo Fly Zoneが初めてですが、ホワイトハウスに酔っ払いがDJIのドローンを墜落させた事件では、DJIがファームウェア更新でホワイトハウスを含むワシントンのダウンタウン周辺を飛行禁止区域に設定しました。ただし、リリースされたファームウェア(v3.10)に問題が見つかったため、DJIは公開から2日で元のファームウェア(v3.08)にダウングレードするよう呼びかけています。現在、ワシントン周辺は飛行可能ですが、空港付近などの飛行禁止区域は引き続き設定されています。

また、アメリカとメキシコの国境付近で2.7kgの違法薬物メタンフェタミンを取り付けたドローンが墜落した事件も報じられているため、今後ますますドローンの飛行禁止区域は増加すると見られています。


WIREDによると、アメリカ政府および連邦航空局(FAA)がドローンの許可に対して重い腰を上げないのは、プライバシー問題や墜落事故以外にも、半自動火器類を搭載した「武装ドローン」を危惧しているためであるとのこと。

実際に政府関係者のサミットで、シリア反政府勢力が作り上げた武装ドローンが装甲車や護送車を破壊するムービーが再生されたこともあるそうです。また、アメリカ国土安全保障省(DHS)のカンファレンスで展示されていた「小型爆弾付きドローン」をダニエル・ハーバート氏が撮影してブログにアップロードしたところ、DHSから直接削除依頼がありハーバート氏は投稿を全て削除したという出来事もあったとのことで、ドローンが新たな脅威として捉えられていることがわかります。

Why the US Government Is Terrified of Hobbyist Drones | WIRED
http://www.wired.com/2015/02/white-house-drone/


ただし、アメリカのニュース専門放送局CNNが報道にドローンを使用可能になるドローン研究契約をFAAと結ぶなど、安全なドローンの活用方法も模索されており、今後のドローンの運用については、各国の法律や、No Fly Zoneのようなサービスによって調整されていくはずです。

なお、スターウォーズの制作陣はリークを防ぐためにドローンの接近を知らせる「DroneShield」を購入したことが報じられています。将来的には一家に1台、DroneShieldのようなデバイスが必要になる日が来るのかも。

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