メモ

テスラ・Appleなど「ハイテクブランド」によって牽引されるショッピングモールの現状とは

By Steve R.

多くの店舗が集まるショッピングモールは日本でも大規模なものが目立つようになり、活況を呈しています。本場アメリカでもショッピングモールは長い歴史の中で新陳代謝を繰り返して来たわけですが、近年のショッピングモールでは売上の軸となるブランド構成に大きな変化が起こっています。

High-End Malls Get Boost From High-Tech Stores - WSJ
http://www.wsj.com/articles/high-end-malls-get-boost-from-high-tech-stores-1422402946?mod=rss_whats_news_technology

小売店を取り巻く環境が変化する中で、ショッピングモールのあり方も常に変化を求められてきました。単なる店舗の寄せ集めから脱却し、さまざまなレクリエーション施設を併設したモールなどが開発される様子は以前の記事でも取り上げたところですが、アメリカ・シアトル郊外にあるショッピングモールの「ベルビュー・スクウェア」は、そんな中でも特に高価な商品を取り扱うハイエンドなモールとして好調な業績を上げています。

By jose cardoza

ベルビュー・スクウェアには、電気自動車(EV)のテスラモーターズをはじめ、カメラブランドのLeica(ライカ)やApple、Microsoftといった高価な部類に入る商品を扱うショップが入居しており、モール全体の業績を引き上げる役目を果たしています。特にテスラモーターズの実績は顕著なもので、店舗面積1平方フィート(約0.1平方メートル)あたりの売上高が5500ドル(約66万円)という桁外れな実績をたたき出しており、モール全体の単位面積あたりの売上高も550ドル(約6万6000円)という成績を挙げています。これは、他のアメリカのモールの実績である478ドル(約5万7000円)を大きく上回るものとなっており、テスラをはじめとするハイエンドなショップが売上と集客の両面で大きく寄与しているものと考えられています。

By Paul Swansen

全米で38か所のショッピングモールを運営するWestfieldの共同CEOを務めるピーター・ローウィ氏は「それら店舗は非常に高いボリュームを生みだしています」と語ります。Westfieldでは全38か所のモールの中にApple Storeが16店舗、テスラのディーラーが6店舗、Microsoftのショップが6店舗テナントとして入っており、「モールの単位面積あたりの売上高は、これらの企業によって強く後押しされています」とコメントしています。

全米で120のモールに投資し、国内第2位の規模を持つモール運営企業のGeneral Growth Properties(GGP)は2014年に売上成長率6.7%を記録していますが、これはちょうどAppleがiPhone 6を発表した時期。同社のサンディープ・マスラーニ社長は「Appleの貢献がなければ、成長率は4%にとどまっていただろう」と、その影響力の大きさを語っていました。

一方で、従来からのGMS(総合スーパー)業態の色合いが強いJ.C.ペニーシアーズなどでは苦境が伝えられています。JCペニーの単位面積あたりの売上は2010年から2013年の3年間で30%減少したとのこと。また、シアーズは売り上げデータを公表していませんが、投資銀行のEvercore ISIの調べによると、同時期における実績は12.1%減少しているとみられています。

By Mike Mozart

従来型の業態に比べて活況を呈しているハイエンド型ショッピングモールの状況ですが、特に目立つのはやはり単位面積あたりの売上高の上昇と捉えられています。これはすなわち、高い単価の望めない商品を排し、より効率よく売上を構築できるハイテク・ハイエンド系商品を扱う店舗への移行が進んでいることを意味しています。前述のベルビュー・スクウェアのフロア構成を過去のものと比較したのが以下の図ですが、以前はEddie Bauer(エディー・バウアー)やTalbotsYankee Candleといった服飾、雑貨系の店舗が、2014年時点ではMicrosoftやApple、テスラといったブランドに置き換えられている様子がわかります。


先述の通り、テスラが記録した単位面積あたりの売上高は5500ドル(約66万円)という驚異的なものでしたが、Apple Storeの実績も1500ドル(約18万円)と、一般的な基準に照らし合わせるとこちらもかなり驚異的。これらのブランドが牽引力となる中でオープンしたハイエンドカメラブランドのLeica(ライカ)は、2万ドル(約240万円)以上という超高級機を販売するブランドであるため、こちらにも期待が高まっている様子は容易に想像できます。

かなり高価な部類に属するブランドでありながら、他を圧倒する実績を挙げているのはそれだけ多くのお金が動いている証拠。日本のビジネスモデルはアメリカの影響を多く受けていると考えられる中で、日本のショッピングモールでもこのような高付加価値商品が売上の牽引力となる状況が生まれるのか、関心が湧いてくるところです。

・関連記事
隆盛を極めたアメリカのショッピングモールの現在、これからの成長戦略とは? - GIGAZINE

あのピエリ守山が「もう廃虚とは言わせない」とリニューアルオープンするので実際に見に行ってきました~前編~ - GIGAZINE

映画館・水族館・スケート場などが揃う、恋人や家族連れで訪れたいドバイのショッピング・モール - GIGAZINE

ウォルマート・カルフール・テスコなど世界的な総合小売業はどの国へ進出しているのか - GIGAZINE

世界最大のスーパー「ウォルマート」VS世界最大の通販サイト「Amazon.com」 - GIGAZINE

in メモ, Posted by logx_tm