取材

新日本プロレスの棚橋&真壁が絶賛する新世代アクションフィギュア「S.H.Figuartsキン肉マン&ウォーズマン」レビュー


1980年代にバンダイから発売されて日本中の少年をとりこにした「キン肉マン消しゴム」は、ゴムゆえの制限があるためヒーロー同士を戦わせるのは想像の世界がもっぱらでしたが、20年以上の時を経て最新の技術を投入することで、実際に技のかけ合いを楽しめる新世代アクションフィギュア「S.H.Figuartsキン肉マン&ウォーズマン」が発売されると知り、一足早く実物に触れ、さらにはプロのトップレスラーに体感してもらい、そのクオリティの高さを確かめてみました。

S.H.Figuarts キン肉マン スペシャルページ | 魂ウェブ
http://tamashii.jp/special/kinnikuman/


大プロレス祭り2015の会場であるディファ有明に到着。


新日本プロレスのお正月恒例のビックイベント「WRESTLE KINGDOM 9」(通称・イッテンヨン)の前日に行われるファン感謝祭の大プロレス祭りでは、東京ドーム大会の対戦レスラー同士がリングで意気込みを語ったり……


調印式が行われたりと、一大イベントへのファンの熱がいやが上にも高まります。


その大プロレス祭りの会場入り口に、「S.H.Figuarts キン肉マン」が展示されていました。


S.H.Figuarts キン肉マンは、最新のアクションフィギュアの技術を投入して、「技をかけられる動き」を実現した「新(ネオ)・格闘素体」とのこと。


「技をかけるための動き」と「技をかけられるための動き」を追求。


「可動指」によって相手を確実にホールドでき、こんなアクションさえ可能になったというわけです。


さっそく発売が目前にせまったS.H.Figuartsのキン肉マンシリーズを見せてもらいました。これは「S.H.Figuarts キン肉マン」のパッケージ。


裏面はこんな感じ。


箱を開けるとキン肉マンが登場。顔と手は付け替え可能です。


手首や肘だけでなくひざや足首まで可動するキン肉マンは全高14.5センチ。


後ろはこんな感じで「筋肉の鎧」をまとっています。


はち切れんばかりの筋肉を再現。


腹筋もリアル。さらに、上体を反らせられるようになっています。


肘と手首はこんな感じ。


手首はスポッと取り外すことができ……


交換用可動手首を付け替えれば指で相手をホールドできます。


首も前後に動くので、絶妙なバランスを保つことも可能。


大腿筋も「筋肉感」満載。


膝の関節はこんな感じ。


足首まで可動式。


頭部は全部で3種類。シーンに応じて変更できます。


一方、こちらが「S.H.Figuarts ウォーズマン」。


裏面


箱の中にはウォーズマン。ベアクローを装着済み。


ウォーズマンは全高14.5センチ。


後ろ姿


なお、ベアクローは取り外せ……


手の甲部分を交換することも可能です。


無表情なマスク姿に加えて……


ウォーズマンスマイルや


たまにかく汗も、交換用頭部で再現。


さらに、S.H.Figuartsのキン肉マン&ウォーズマンと同時発売されるのが「魂STAGE ACT.リングコーナー


マットに取り付けられる専用アームで空中でのアクションも再現可能となっています。


さっそく「キン肉バスター」を再現。


こんな感じでアームにヒーローを固定することで空中シーンを完璧に実現できるというわけです。


ウォーズマンの「パロ・ スペシャル


ウォーズマン目線でも楽しめます。


さらに、第2弾として商品化が決定したロビンマスクの試作品も見せてもらいました。


試作品とは言え、すでに完成の域。


◆プロレスラーに触ってもらった
見るからにハイクオリティなことが伝わるS.H.Figuarts キン肉マン&ウォーズマンですが、実際に触って技をかけ合うことでこそ真価を発揮します。というわけで、S.H.Figuarts キン肉マン&ウォーズマンのデキはどれほどかその実力を測るべく、大プロレス祭に参加している現役のトッププロレスラーに判断してもらうことにしました。

・棚橋弘至編
2014年は東京スポーツ社制定のプロレス大賞MVPを獲得し、改めて「プロレス業界の顔」となった新日本プロレスの棚橋弘至選手。IWGPヘビー級王者の棚橋選手に、S.H.Figuarts キン肉マンを見てもらい感想をもらうべく直撃取材してみました。


GIGAZNE(以下、「G:」)
キン肉マンを見ていたのはコミックですか?アニメですか?

棚橋弘至選手(以下、「棚橋」):
最初はアニメからですね。その後にコミックも見ていました。

G:
好きなキャラはいますか?

棚橋:
ロビンマスク、ウォーズマン、バッファローマンケビン(マスク)ですね。ケビンによく似てると言われます。

G:
子どもの頃は、「キン肉マンごっこ」で遊びましたか?

棚橋:
キン肉マンごっこはしてなかったのですが、イラストはしょっちゅう描いていましたね。授業中のノートに。今でもするっとロビンマスクの絵を描けます。

G:
印象深いキン肉マンのシーンは何ですか?

棚橋:
バッファローマンが鉄柱に貫かれる場面とか子ども心にも衝撃的でしたね。悪魔超人から正義超人へ生まれ変わるストーリーとか、感動しました。

G:
キン消しは?

棚橋:
やってました。

G:
最新の技術で生まれた「キン消し」の進化版であるS.H.Figuartsのフィギュアを見てみてどう感じますか?

棚橋:
筋肉に見ホレますね。大腿四頭の形とか、(キン肉マン・ウォーズマン・ロビンマスクの試作版で)筋の入り方とかそれぞれ違いますよね。腕の太さとか横から見ると分かりやすいけれど、ロビンの方がシャープなんですよ。一見すると同じに見えるかもしれませんけど、この腹斜筋のディテールがウォーズマンの方が細かったりとか。

G:
ご自身の筋肉も鏡などで細かくチェックするのですか?

棚橋:
そうですね。絞り具合とか、集中的に鍛えてる部分とかのチェックはしますね。筋肉量の多さにスピードが比例するので。筋持久力とか瞬発力にいかにつなげるかが大事ですね。

可動域のすごさ、一つ一つの筋肉の美しさに感動していた棚橋選手。「百年に一体のフィギュアですね。まあ、量産されるんでしょうけど(笑)」


G:
対戦したい超人はいますか?

棚橋:
キン肉マンやプロレスの醍醐味は「キン肉マンくらいの(通常の)サイズの選手がものすごく大きい選手と戦うところ」だと思うのです。なので、魔雲天とかサンシャインとか、どうやっても勝てないだろっていう超人と戦ってみたいですね(笑)

G:
タッグを組むなら?

棚橋:
タッグを組む意味とかも大事ですし、あとはぱっと見で「タッグ」とわかるコンビが好きなので、棚橋と似ている選手がいいな。そうなるとエースという意味でやっぱりキン肉マンですね(笑)


G:
フィギュアは集めてますか?

棚橋:
はい。結構、棚がいっぱいになってきてます。

G:
どんなフィギュアを集めているのですか。

棚橋:
仮面ライダーとバキですね。勇次郎とか。筋肉がぱっと見で分かるのがいいですね。ああいう風になりたいというイメージで筋トレしてます。なりたい体をイメージすると効果も上がるので。オーガだったり。

G:
キン肉マンだと?

棚橋:
でかい筋肉の選手が好きなので。ビックボディとか。けれど、ウエストとか太くてもバッファローマンの「厚み」とかは好きですね。

G:
実際にできるできないは別にして、キン肉マンの中でやってみたい技はありますか?

棚橋:
超人的なジャンプ力を必要とする技ですね。空中の滞空時間が長いじゃないですか。空中に放り投げた相手にスリング・ブレイドを決めてたたき落とした後に上空からハイフライフロー。自分の技のコンボになっちゃいました(笑)

G:
このシリーズでプロレスラーのフィギュアを作るなら誰を作って欲しいですか?

棚橋:
藤波さん、武藤さん、棚橋で並べたいですね。新日の正統派の系譜を。

棚橋選手は試作品のロビンマスクがかなりお気に入りの様子でロビンマスクとの2ショットをパシャリ。ちなみにブログTwitterはスマートフォンで更新しているとのこと。


・真壁刀義編
続いてS.H.Figuarts キン肉マンを見てもらったのは、新日本プロレスの真壁刀義選手。IWGPヘビー級王座やG1クライマックス制覇などタイトルを総ナメにしてきて、今や「スイーツ真壁」としてもすっかりお茶の間でおなじみの真壁選手はキン肉マンの大ファンとのこと。


G:
好きなヒーローは誰ですか?

真壁:
僕はキン肉マンですね。それとバッファローマンが好きです。キン肉マンってダメ超人でしょ?僕、どちらかというとダメ人間なんですよ(笑)結構、似てるんですよね、彼(キン肉マン)と。

僕の高校って悪いヤツばっかりで、僕はある意味、落ちこぼれだったんですよ。兄貴はすごく頭が良かったんですけど。ずっと比べられるな、って思って俺も大学行きたいとなったんです。すべての分岐点はそこからなんですよね。親父も地方から出てきて苦労したので、大学行きたいなら頑張ってみろと勉強をやらせてもらったんですよね。まあ、そんなこんなでなぜプロレスラーかというのは疑問ですけど(笑)

G:
真壁さんは、ベビーフェイスとヒールの両方の要素をお持ちですよね。それで、バッファローマンが好きだったりしますか?

真壁:
そうですね。僕のやっているパフォーマンスとか発言とか、完全に悪魔超人なんですよ。ただ、その本質はある意味、正義超人でもあるわけですよ。要するに「お前ら、分かれよ!」っていう意味を込めて、僕は”ワルイコト”をやってるんです。その部分を分かってるヤツは多分分かってると思うんです。ただ、分からないヤツも多いので。

分からないヤツにはレスラーもいるんです。僕はレスラーにも教えたいんですよね。自分と同じ道にいるヤツに、何が正しくて何が悪いことかを教えたいんですよ。そうじゃなきゃ、人に良いファイトを見せることはできないと思うんです。さっき言ったとおり、僕は落ちこぼれから這い上がってきたので、いろんなコトを学んできたんですね。悔しい思いもさんざんしましたし。その分、反骨心で成り上がってきましたから。そこに何があったかというと、一つ一つのことに対する感謝だったり、仲間だったり、努力だったり。それって、”悪魔超人”でもちゃんとやってきたんですよ。そういう部分を後輩に教えていきたいんです。そう考えると、僕の「育ち」はキン肉マンなんだろうなと思いますね。


G:
キン肉マンで学んだことを今、後輩たちに伝えていると。

真壁:
そうなんです。僕ね、悪の限りを尽くしてきたんですよ。今から4年くらい前はヒールのレスラーで、対戦相手を大流血に追い込んでいたんで、忌み嫌われるレスラーだったんです。けどね、そこまで極端にやってくると、今度は人気が出ちゃうんです。そうするとヤキモチで裏切られたり、またベビーフェイスに戻ったりするんですけど。やっぱりね、良いこと悪いこと知ってないと、人に良いモノを見せられないですよ。

イイコトばかりやってきたヤツは、悪いことの誘惑に負けちゃうんですよ。悪いことは多少は知ってないといけないと思うんですよ。ベビーフェイス一本で頑張っている後輩を見ると、少し悪の道を味わった方がいいなと思います。そうしないと「素で」悪いやつになっちゃうんですよ。良いこと言ってて悪いやつになっちゃう。それはダメなんですよ。

G:
対戦してみたい超人はいますか?

真壁:
そうね。ベンキマンとか?3分以内で倒せるよね(笑)いやあ、でもね、キン肉マンやウォーズマンという第一線どころと戦うとなると命がけでないと勝てないですからね。(ウォーズマンのフィギュアを手にして)そもそも、ベアクローって反則だからね。人間では無理だからね。

G:
もし、キン肉マンの世界で戦うとして、正義側につきますか、悪魔側につきますか?

真壁:
すごいね。その選択。でも、僕はやっぱりバッファローマンだろうね。悪の生まれでありながらベビー(正義)につくだろうね。自分も超人になれるのであれば、バッファローマンのような生き方もかっこいいし、キン肉マンのようなドジで間抜けなんだけど、光るモノがあるヒーローもいいですね。プロレスの醍醐味なんですよね。やられてもやられても立ち向かうっていうのが。僕は、キン肉マンを捨てきれないですね。

G:
真壁選手の合体キングコングニードロップは悪魔将軍の「地獄の断頭台」をモチーフに誕生したとのことですが、キン肉マンの技を研究することはあるのですか?

真壁:
ありますよ。キン肉バスターは無理だなと思ったんです。キン肉ドライバーも無理。だけど、地獄の断頭台はイケるじゃん、と。空に投げることはできないですけど、いろいろ考えて、当時タッグを組んでいた矢野との合体だったらこれはイケるなと。キン肉マンから選ぶっていうことはありますね。そりゃそうですよ。ゆでたまご先生も夢を描いているわけで、その夢を少しでも現実に変えることができないかな、と。どれが自分の技に変えられないかなと見てるわけなんです。ロビンマスクのアルゼンチンは中西とかが、ウォーズマンのパロスペシャルは柴田が使ってたりするんですよね。キン肉マンから盗んでるに決まってるじゃないですか(笑)

G:
どんな技でも使えるとしたら、やりたい技は何ですか?

真壁:
キン肉ドライバーで一発ですね。ムカつく先輩がいたら使います。実は僕、プライベートでもゆでたまご先生と仲良くさせてもらっていて、話すと長くなるんです。先日も15分くらい小話するつもりが3,4時間道場で話しこんじゃいましたね。

G:
内容は技術論?

真壁:
ううん。先生がどういう意図でこの選手を描いているのかとか構成についてですね。ファンとして気になるじゃないですか。もちろんプロレスラーとしても参考にしています。発想の仕方とか。

G:
良いお手本ということですね。

真壁:
そういうことです。だって、家で単行本を読んでいた、夢にまで見たキン肉マンですから。先生と話をさせてもらえるなんて、コラボさせてもらうなんて。最高じゃないですか。プロレスラーやってて良かったなと思いましたね。

G:
S.H.Figuartsについて感想を聞かせてください。

真壁:
かっこいいよねー!いやあ、素晴らしいよ、コレ。この動き(可動域の広さ)がいいですよね。技をかけられる、人間らしい動きができるのがよく分かるので、子どもたちがいじって楽しむのにものすごくいいですよ。人形同士で技をかけ合えるというのは今までにないので良いですね。むかし、キン消しで二つセットで技をかけるのあったけど、形が決まってたんですよ。これはやり返せるもんね。


(ウォーズマンを手にとって)このベアクローいいですね。アメリカンなレスラーが「来い!」っていう。その意味がすごく伝わりますよ。指があるのがすごいよね!手首も動くし。ウォーズマンのヘルメットもいいよね。後ろ姿ってあんまり見ないけど、リアルに見られる。これがすごくいいんだよね。これ、マスクはとれない?あ、頭が付け替えられるんだ。ウォーズマンスマイルもあるんだ。これはヤバイね。


G:
もしもこういうフィギュアとして真壁選手を作る場合、どういうポイントを重視しますか?

真壁:
ツラ(顔)ですね。こういうおっかない顔をしっかり作ってもらいたい。あとは、チェーンですね。


真壁:
僕、42歳なんだけど、この前後の人はすごく喜ぶと思う。でももっと下の世代の人は知らない人もいるよね。でもこういう素晴らしいキャラクターは全員知るべきだよね。そのパイプ役として俺たちレスラーがいるのもいいし、これは世に出さなきゃいけないモノだって思うよね。だって20年以上前のものが今、こうして世に出てくるってすごいことだもんね。ミラクルだよ。

今、キン肉マンみたいなわき上がるようなキャラとかマンガって少ないのかもね。「夢」の持つ力が弱まってきてるのかなって思うよね。世間に届きにくいって言うか。でも、そういう(夢をとどけるという)こと、僕らレスラーやキン肉マンならやれますよ。


G:
キン肉マン・ウォーズマンと、第2弾としてロビンマスクの登場が決まっているのですが、真壁選手は他にどのヒーローをS.H.Figuartsでフィギュア化してほしいですか?

真壁:
やっぱりバッファローマンでしょ。バッファローマンっていっぱい楽しみ方ありますよ。ハリケーンミキサーで相手をブッ飛ばしたり。

S.H.Figuarts キン肉マンを触ると思わず笑顔がこぼれてしまう真壁選手はバッファローマン推しでした。


S.H.Figuarts キン肉マンは、従来のフィギュアではできなかった「技」を実現するためにキン肉マンの熱烈なファンである開発責任者によって作られたフィギュアで、最新の技術で作った"現代版キン消し"です。技をかけられるよう関節を作ってから筋肉の造形をすることで「棒人形」状態でできたアクションができなくなることも多く、関節の制作・造形を繰り返して完成まで2年の歳月を要したとのこと。

S.H.Figuarts キン肉マン、S.H.Figuarts ウォーズマンともに4860円(税込)で、 魂STAGE ACT.リングコーナー が2700円(税込)で、2015年1月24日発売です。

S.H.Figuarts キン肉マン スペシャルページ | 魂ウェブ

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in 取材,   ハードウェア,   アニメ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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