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Uber登録ドライバーが客を誘拐してレイプする事件発生、他の国でもトラブルあり

By tourtrophy

アメリカ・ボストンで発生したタクシー乗客に対する誘拐・暴行事件で、配車サービス「Uber」のドライバーが訴えられる事態になっています。

Prosecutors accuse Boston Uber driver of abducting, raping passenger | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/12/prosecutors-accuse-boston-uber-driver-of-abducting-raping-passenger/

マサチューセッツ州・Middlesex郡検事長のMarian Ryan氏が公表した声明によると、訴えられたのはUberの登録ドライバーであるAlejandro Done容疑者(46歳)。容疑者は12月6日の夜にサービスを利用した女性客に対してカードでの支払いを拒否し、ATMで現金を引き出すよう指示。その後、人気のない場所へ車を走らせたうえで女性を殴打・強姦した疑いがかけられています。

Ryan検事長は「容疑者はドライバーであるという地位を利用して女性につけこみ、いったん車内に誘い込んだ後には抵抗できないという弱みを利用した」と声明でコメント。UberのスポークスマンはArs Technicaの取材に対し「警察の法執行に対して緊密に協力し、捜査を支援するために全ての可能な行動をとる」という声明を発表し、容疑者のことを「卑劣」という言葉で表現しているとのことです。

◆ハイヤー・タクシー配車サービスの「Uber」とは
UberはスマートフォンのアプリやPCからタクシー・ハイヤーを呼び、アプリ上で支払いを行えるサービス。2009年にアメリカ・サンフランシスコでサービスが開始され、日本でも2013年12月からのテスト運用を経て2014年3月には正式サービスが始まっています。

スマホで簡単にハイヤーを呼べるサービス「Uber」を利用してみました - GIGAZINE


日本では当初「ハイヤー」を配車するサービスだけが提供されていましたが、2014年8月からは「タクシー」の配車サービスも始まっています。

Uber、日本でタクシー配車サービス「uberTAXI」をスタート - ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20140805_660930.html

従来のタクシー会社との違いがわかりにくい面もあるUberですが、最も大きな違いはドライバーの所属形態にあります。UberのドライバーはUberの社員ではなく業務請負人としてUberに登録する形態がとられており、Uberは依頼があった時にタクシー・ハイヤーを配車することと利用料金の徴収を行うことがメインの業務となっています。

◆Uberにまつわる世界中でのトラブルなど
従来とは異なる新しいビジネスモデルをタクシー業界に持ちこんだUberですが、先進的な仕組みに対して現状の法整備との整合性に苦しむケースが発生していることも事実。以下の報道では、スペインにおいて「ドライバーが所定の登録を行っていない」がために「既存のタクシーサービス業者に対してアンフェアな競争を起こしている」ことを理由に、またタイでは未登録かつ保険未加入のタクシーサービスは認められないことを理由に、それぞれUberに営業停止の判決が下っていることが報じられています。

Uber banned in Spain, India, and Thailand due to 'illegal' operations | The Verge
http://www.theverge.com/2014/12/9/7359655/uber-banned-in-spain-india-and-thailand-due-to-illegal-operations


さらに、先述のボストンでの事件に先立って、インドでもUberのドライバーによる女性レイプ事件が発生。この事件を起こした容疑者は過去にも別の女性レイプ事件で逮捕されており、ニューデリー市内でのサービス提供を禁じられていたにもかかわらずUberが十分な身元調査を行っていなかったことが問題視されています。事件を受け、インド交通省は「www.Uber.com」のドメインを用いる全ての交通サービスの提供を禁止する命令を下しています。

Uber banned from operating in Indian capital after rape accusation | Reuters
http://www.reuters.com/article/2014/12/08/us-india-rape-uber-idUSKBN0JM0CE20141208


これらの事件に関してはUber内部での体制を問題視する見方も存在しています。過去においてはUberのドライバーは乗客が過去にUberを利用した全ての履歴を閲覧できる状態にあったことがわかっており、利用客のプライバシーが筒抜けの状態にあったことが問題になったこともありました。

スマホで呼べるハイヤーサービス「Uber」の過去の乗車の履歴は社員にアクセスされ放題だとの告発 - GIGAZINE


さらに各国ではUberに対する逆風が勢力を増しているケースも見受けられます。フランスでも「所用のライセンス取得が満たされていない」ことを理由に、Uberの格安版サービスであるUberPopの営業を2015年以降に禁止する判断がフランス政府によって下されています。

France Says It Will Ban Uber’s Low-Cost Service in New Year - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2014/12/16/business/international/france-says-it-will-ban-ubers-low-cost-service-in-new-year.html


UberPopは通常のUberよりも料金が低く設定されているサービス。ウェブサイトで公開されている価格だと、開始料金が1ユーロ(約146円)、毎分ごとの加算額が15セント(約22円)、1kmごとの加算額が95セント(約124円)、そして最低料金は4ユーロ(約486円)と料金が設定されています。これは既存のタクシーサービスの最低料金である6.6ユーロ(約970円)よりも低いものとなっており、さらに営業に必要なライセンス登録も規定されていない(必要ない)ということになれば既存の勢力から反対の声が挙がるのも当然といえそうです。

Uber - Paris
https://www.uber.com/cities/paris


また、その料金システムを巡って別の問題が生じているケースも。2014年12月15日にオーストラリア・シドニーで発生した人質事件の際にUberの乗車料金が急騰したことを巡って非難の声が挙がっています。

Uber imposes 4X surge pricing in wake of Sydney crisis, then free rides | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2014/12/uber-imposes-4x-surge-pricing-in-wake-of-sydney-crisis-then-free-rides/

これは、Uberの需要が急増した場合に自動で利用料金も引き上げられるというUber独自の「サージ・プライシング(Surge Pricing)」と呼ばれる料金体系システムによるものだったのですが、緊急事態で避難のためにUberを利用したら高額の利用料を請求されるということで、大きな反発を招く事態となっています。後にUberは「私たちの気持ちは、事件の影響を受けた皆様やニュー・サウス・ウェールズ警察と共にあります」として通常料金との差額を利用者に返金する措置をとっています。

◆さらに規模を拡大するUber
このように既存の勢力との衝突や、ドライバーによる暴力事件などの問題を抱えながら進むUberですが、さらにドライバーを増やして勢力の拡大を狙う動きが進められています。2014年9月に立ち上げられたUberMILITARYでは、アメリカ軍を退役した老若男女の元軍人を5万人規模で募集するという取り組みが進められています。

UberMILITARY
https://get.uber.com/cl/ubermilitary/


アメリカでは退役軍人の雇用が問題となっており、Uberがその受け皿として雇用の場を提供する姿勢を見せています。ただし、上記の募集サイトで「新たな収入の機会」と書かれているほど安易ではないという現状も存在していることが伝えられています。

Uber is recruiting 50,000 veterans as drivers | The Verge
http://www.theverge.com/2014/11/4/7150225/uber-is-recruiting-50000-veterans


また、Uberの設立者であるトラヴィス・カラニックCEOは毎月5万人のペースで新たにドライバーを登録させてサービスを拡大する構想を発表しています。

Uber Adding 50,000 New “Driver Jobs” a Month, Up From 20,000 in May | Re/code
http://recode.net/2014/09/08/uber-adding-50000-new-driver-jobs-a-month-up-from-20000-in-may/


ドライバーによる犯罪行為は論外としても、現在のUberは新しいビジネスモデルと既存の社会とのズレに直面しており、またUberが提供するサービスの内容と、実際のユーザーがUberに対して期待する内容のミスマッチにあえいでいる状況と言えそうです。新しいものには常に抵抗する勢力が現れるのが世の常と言えますが、果たしてUberは成功を収めることができるのでしょうか。

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