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Amazonのジェフ・ベゾスCEOに根掘り葉掘りインタビュー


Business Insiderのヘンリー・ブロジェットCEOは、Amazonのジェフ・ベゾスCEOとはAmazonがサービスをスタートしたばかりの頃からの古いつきあいだそうです。そんなブロジェット氏が、Business Insiderの年次カンファレンスにてベゾス氏にインタビューを行い、めったに突っ込んだインタビューを受けないベゾス氏に対してビジネスとプライベートの両面から容赦なく質問を浴びせまくっています。

Amazon's Jeff Bezos on profits, failure, succession, big bets - Business Insider
http://uk.businessinsider.com/amazons-jeff-bezos-on-profits-failure-succession-big-bets-2014-12


ブロジェット氏がベゾス氏に投げかけたのはAmazon製のスマートフォン「Fire Phone」のことからAmazonでの仕事のこと、ベゾス氏の後継者のこと、出版社との関係、さらにはプライベートな話題まで様々。その対談の一部はこんな感じだったようです。

◆Fire Phoneについて


ヘンリー・ブロジェット(以下、HB):
一体Fire Phoneに何が起こったのですか?

ジェフ・ベゾス(以下、JB):
まず最初に言っておきたいことは、Fire Phoneは初期段階であるということです。我々はAmazon上で繰り返し継続していくべきサービスをたくさん持っています。例えば「Auctions」と呼ばれるサービスを覚えていますか?これは上手くスタートできなかったサービスです。しかし、Amazonは少しずつ変形していき、現在はAmazon以外の販売事業者がAmazon内に店舗を展開するAmazonマーケットプレイスを展開しており、ここから得られる収入はAmazon全体の売り上げの約40%を占めるにまで成長しました。

もしも我々のハードウェアチームが作成している大量のポートフォリオを見れば、誰もが驚愕するでしょう。Kindleでは現在7世代目の端末となる「Kindle Voyage」が販売されており、これはとびきりの製品です。Fire Phoneと同じように、Fire TVやFire TV Stickなどの開発には苦労しています。他にもちょうど販売をスタートしたばかりの「Amazon Echo」というプロダクトもあります。

このように、我々は多くのデバイスビジネスに取り組んでいるわけで、スマートフォンについても素晴らしいプロダクトをリリースする予定なのでもうしばらく待って欲しいところです。

HB:
Fire Phoneでは何を間違えたのでしょうか?もしくは間違いはなかったと思いますか?

JB:
何が間違いだったのかを分析するには多くの時間が必要です。チャレンジとは、本質的に失敗しやすいものです。しかし、少数の大成功によりそれまでの数多の失敗を補うことができます。実際に、AWS・Kindle・Amazonプライム・マーケットプレイスといったサービスは、すべて多くのチャレンジの末に得られた成果の例です。私の仕事のひとつは、チャレンジを続けるチームを励まし続ける、ということなんです。

私はこれまでにAmazon.comで何千億円以上の失敗を繰り返してきました。これを聞いて皆さんはPets.comやKosmo.comといったサービスを思い出しているかもしれませんね。こういった失敗は麻酔なしで歯根管を治療するのに似ているかもしれません。全くもって楽しいものではないかもしれませんが、それはどうだっていいんです。本当に重要なことは、チャレンジしない企業や失敗を恐れる企業では、結局崖っぷちの状態ではのるかそるかの勝負に出ることができない、ということです。私は常にチャレンジし続けてきた企業ならば、大きな賭けにもチャレンジし、そして勝つことができると考えています。

HB:
我々は携帯電話の進化をもう少し待つべき、ということですね。これにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?

JB:
数年後の私に聞いてみてください。

◆仕事について

By JD Lasica

HB:
つい1年ほど前にヘリコプターで緊急搬送されるという恐ろしい経験をされましたが、最近はどれくらいAmazonでの仕事に傾倒しているのですか?

JB:
腎臓結石は本当に痛かったのでオススメしませんね。とにかく私の見解としては、私がAmazonで行う仕事はまだ他の人にとっては難しいだろうということ。そんなわけで、今後も私の企業での役割は続くことになるでしょう。

Amazonがこれまで成長してきたように、私の仕事も変化しています。例えば、現在の私のメインの仕事は「文化」を維持するために必死に取り組むことです。この「文化」というのは、創意や失敗への意欲、大きなチャレンジに挑む意欲などのことを指します。


しかし、私は永久にAmazonにいるわけではありません。Amazonを普通じゃない存在にしているいくつかの特徴は、現在既に深く根深い企業文化としてAmazon内に浸透しています。実際、私が既に根付いた企業文化を変えようとしても、これを変えることは不可能でしょう。この企業文化は勝手に強まってきており、非常に良い素晴らしいものになっています。

我々はスカウトしてAmazonに外部から人を迎え入れたりもしますが、時々Amazonが非常につまらない場所であることに気づく人がいます。これは、Amazon内には十分な競争的な熱意が存在しないからです。通常、企業が1年間の計画を練る際には「どこがうちのライバルになる?どうやってそのライバルを打ち破る?」といった具合に競合相手を想定します。しかし、Amazonにはそのような文化がありません。それではAmazonには計画がないのかというとそういうわけではなく、朝起きてシャワーを浴びながら「顧客のために何を発明できるか?他とは違う方法でどんなことができるか?経験をどうやって向上させることができるか?」などなどを常に考えているような企業がAmazonというわけです。

◆後継者について

By James Duncan Davidson

HB:
自身の後継者を育てる計画はありますか?

JB:
もちろん。私の後継者を育成する計画は存在します。

HB:
引き継ぎに値する人はいますか?

JB:
います。絶対に。

HB:
誰ですか?

JB:
秘密です。

◆出版社とAmazonの確執について

By Megan Trace

HB:
出版大手のHachetteと価格交渉で熾烈な争いを繰り広げていますが、何よりも先に、Amazonに向けられた敵意の多さに驚いたのでは?

JB:
私の見解としては、我々はこれまで報道やメディア、さらには顧客から非常に優遇されてきたと感じています。私の元には苦情などは一切来ていませんからね。

小売業者とサプライヤーとが激しく交渉することは、まったくもって目新しいことではありません。今回は例外的に公になりましたが、大抵の場合はそうはなりません。小売業者にとっては、顧客に代わってサプライヤーと値段の交渉を行うのは当たり前のことであり、我々はそれを行っているだけですよ。

HB:
もしも交渉が存在せず、あなたが全ての本の値段を決定できるとしたら、作家の未来はどうなりますか?

JB:
最も重要なポイントは、本と本が競争しているわけではない、という点です。本は、ブログやニュース、ゲーム、TVなど空き時間に行われるあらゆる物事と競い合っているんです。本は読むのに時間がかかり、非常に大きな関わりあいが必要です。もしも自分の視野を狭くして、競合の本に勝つことだけを考えていたならば、非常に悪い決断を下すことになってしまうでしょう。

世間に長文を読む健全な読書文化を築きたいならば、我々が本当にすべきなのは、より本を入手しやすくすることです。実際に、本の一部はそれほど高価ではなくなってきています。しかし、私の考えでは本はまだ高すぎます。本のために30ドル(約3500円)を払う、というのはいくらなんでも高すぎます。

現在のインターネットが普及した時代にあって、大抵の読書用ツールは簡単に読書ができるようにと、読書に対する抵抗感を減らすための取り組みが行われています。インターネットはあなたのスマートフォンに三段落程度の文章を届けるのに完璧なツールです。Kindleは読書に対する抵抗を少しでも減らせるようにと作り出されたもので、Kindleは完全に本でありながら、印刷内容や言語を60秒以内に変更可能なデバイスになりました。

我々は既に電子書籍分野で10年間も働いており、これまでの期間で大きく進歩することができました。我々は簡単かつお手頃な価格で本を入手できるように世間を変化させました。これはとてつもない成果です。Kindleチームはひたむきに素晴らしい成果を残しており、多くの人々がより多くの本を読むようになってきているという事実もあります。

HB:
それは素晴らしいです。しかし、あなたが静かに破壊しようとしている出版社という存在が変化しなければ、このままでは本を書きたい人がいても、物書きという仕事を辞めざるをえないのではないでしょうか。

JB:
ノー。それは違います。出版社は比類ない収益性を持っており、現在の書籍出版業は以前よりも良い状態にあります。これは電子書籍のおかげです。

また、電子書籍は他のデジタルメディアと異なり、ほとんど著作権侵害が存在しません。これは、出版社と著者にとっては非常に良いニュースです。それまで著作権侵害で甘い汁を吸ってきた人々にとっては、この変化を受け入れることは非常に困難なことかもしれませんがね。

また、読書体験をより手軽なものにすることで、本が読まれる機会が増え、その結果著者の収入が減ることを防ぐことができます。それどころか、より手軽に読書にいそしむことができるようにすることで、著者の収入を増やすことも可能です。

◆ジェフ・ベゾスが毎日行うセクシーな行為

By Steve Jurvetson

HB:
あなたは最近50歳になりましたね。人生観の変化などはありましたか?

JB:
いいえ、まったく。私はいまだに仕事を愛しており、自分の人生を楽しんでいます。4人の子どもがおり、妻はいまだに私を必要としてくれています。少し奇妙かもしれませんが、私は毎晩皿洗いをしており、これが妻の好意を維持することにつながっていると思っています。

HB:
私もしてますよ。

JB:
皿洗いは私がすることの中でも最もセクシーなことであると確信しています。(笑)

The Everything Storeについて


HB:
あなたに関して書かれた本(The Everything Store)が最近Amazonで販売されていました。あなたはこれを読みましたか?

JB:
もちろん読みました。多くのことを言うつもりはありませんが、本の前半は非常にうまくAmazonの近年の企業文化を捉えている、と言えます。Amazonの歴史の中では多くの人々がさまざまな役割を担ってきました。そして、その多くはほとんど知られないままか、かろうじて言及される程度でした。恐らくいつか、私はそういった人々のことを本に記し、そういった人々の功績が認められるようにしたいと考えています。

HB:
あなたの奥様は、この本に対してAmazonを擁護する長文のコメントを書いています。そして彼女は「これは私の夫ではない」と記しています。一体誰が正しいのでしょうか?

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JB:
実際のところ私にもどこが間違っているのか分からないんです。

HB:
彼女は何に抗議しているんですか?

JB:
私は著名人です。著名人は、自分に対する誤解すべてに慣れるものです。また、自分が世間一般によく知られたことと思っていることも、それが実際にはそうではなかったりします。皆はビル・ゲイツが驚くべき父親であることを知らないかもしれませんが、私はそのことをよく知っています。しかし、それを説明するのは非常に困難です。私の妻のように、他の人々もそういった経験をしたことがありません。なので、私が言えるのは「そこは重要ではない」ということだけです。

◆ジェフ・ベゾスはどんな父親?

By Dave Gray

HB:
父親としてはどんな人物ですか?

JB:
私には3人の息子と1人の娘がいます。最年長が14歳です。長男は、学校のクラスで一番最後までスマートフォンを持っていませんでした。頻繁にスマートフォンをおねだりされましたね。クラスで唯一長男と同じようにスマートフォンを持っていなかった友人がスマートフォンを買ってもらったとき、長男は全てのクラスメイトにメールで「そして、ひとりになった」と送っていました。

私の子どもは皆それぞれ異なる性格をしています。本当に驚くくらいに。私は自分の仕事の都合上あまり頻繁に旅行に行くことはできませんが、それでも一緒に旅行をして多くの時間を共有しています。私がこういった場にあまり出てこない理由は、家が好きで、会社が好きなんです。

私の両親と祖父は素晴らしい見本になってくれました。私の母親は17歳の時に私を妊娠しました。母の父親、つまり私の祖父は母を高校に通わせ続けるために懸命に働いたそうです。1960年代のアルバカーキで妊娠した高校生の奥さんを養うのは非常に大変なことだったと思いますが、父親は勤勉で、エクソンで33年間働き養ってくれました。子どもの見本になる親の存在は非常に重要なものです。なので、私は子どもの見本になれるよう努力しています。

他にも現在Amazonが取り組んでいるドローンに関する話や、なぜワシントン・ポストを買収したのか、などについてもインタビューの中では触れられており、以下のムービーでそれらを確認することができます。

Interview: Amazon CEO Jeff Bezos - YouTube

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in メモ,   動画, Posted by logu_ii

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