「死亡者数の多い死因第1位はインフルエンザだった」など、過去110年間にわたる死亡者数と死因の遷移

By Leo Laporte

1900年から2010年までの死亡者数と死因の移り変わりをまとめたグラフが「The New England Journal of Medicine」に公開されており、過去には考えられなかった死因が近年増加していることなど、興味深い事実が見えてきます。

The Burden of Disease and the Changing Task of Medicine — NEJM
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1113569


サイトを訪れ、「Interactive Graphic」と書かれた下にあるアイコンをクリックすると別ウィンドウが開き、インタラクティブに操作できるチャートが表示されます。以下ではそんなチャートをあれこれ触って色んな統計を表示させてみました。


1900年から2010年までの10万人における死亡数の変移を10年ごとに表わしたのが下記のグラフ。1900年代で約1700人を示すグラフは1950年代まで下降をたどり、それ以降は少しずつ減っていき、2010年には約800人まで減少しました。


産まれた直後からの平均余命、つまり平均寿命の変移をグラフ化したものが下記のグラフで、全体を通して平均寿命が増加しているのがわかります。ただし、1918年ごろにグラフがガクッと落ち込んでいますが、詳細は後に記載。


1900年から2010年までの10万人における死亡数の棒グラフを死因トップ10で色分けしたのが下記になります。パッと見たところ、1900年と2010年では色に大きな違いが見られるので、大きな変化の見られる死因をピックアップしていきます。


まずは心臓病。1900年には死亡原因の第4位だった心臓病ですが、その後は死亡者数をじわじわと増やし、1930年には死亡者数トップになり、2010年まで1位の座についています。


心臓病が原因で亡くなった人の数の遷移を表わした線グラフを見てみると、1920年から1950年にかけて一気に増加しているのがわかります。1970年ごろまで約370人前後をキープしていましたが、それ以降は徐々に減り、2010年には約200人へと減少。


1900年からじわじわと数を伸ばし、1930年には2番目に死亡者数の多い死因となり、その位置を2010年までキープしたのは、一般的にも死と結び付けられやすいガン。


線グラフを見てみると、ガンが原因で亡くなった死亡者数は徐々に増加して、1990年代にピークを迎え、その後は少しだけ下降。


インフルエンザの死亡者数は過去100年間に劇的な変化がありました。上のグラフを見てみると、1900年から1920年までは死亡原因のトップもしくは2番だったものの、1940年から50年にかけて一気に数が減少。インフルエンザウイルスが発見されたのは1933年ですが、それ以前にワクチンの製造が進められていて、1940年以降に死亡者数が減ったのはワクチン接種が一般レベルにまで浸透したからだと予想されます。線グラフで死亡者数を表わした下のグラフには、死亡者数が多すぎてグラフの上限を突き破り、上のグラフにはみ出してしまった年があります。これは1918年から1919年にかけて世界で流行したスペインかぜによるもの。スペインかぜの感染者数は世界で約6億人で、死亡者数は4000~5000万人。アメリカでは50万人の死者が出て、日本でも39万人が死亡したとのこと。


1900年ごろにインフルエンザについで死亡者数の多かったのは結核です。ただし、1928年に世界で初めて抗生物質が発見され、1944年に抗結核薬が登場してからは劇的に死亡者数が減少しています。


こちらも結核同様、1900年代前半には死亡者数が多かったものの現代では死亡者数が著しく減った感染性胃腸炎で、1940年以降は死亡者数の多い死因トップ10から姿を消しました。


100年前から死亡者数に大きな変化が見られないのは脳血管疾患です。高血圧症や高脂血症などを原因として突如発症する脳血管疾患は予測や予防が大変難しいため、100年前から比べても劇的な死亡者数の変化はありません。


1940年代から突如現われるのは糖尿病。過去には目立たなかった糖尿病ですが、生活習慣の変化と共に発症数が増え死亡者数も増加したというわけ。


糖尿病より一足早い1930年にトップ10に登場する死因は「自動車・バイクによる交通事故」です。アメリカでは1910年以降に大衆車の普及が始まり、それに合わせて交通事故による死亡者数も増えたようです。


1990年と2010年に突然トップ10に入ってきたのは自殺。アメリカではイラクやアフガニスタンから帰還した兵士の自殺が深刻化し、自殺者増加の1つとなっています。

・関連記事
現実にあった6つの奇妙な死因 - GIGAZINE

自分が病気になったとき、患者に勧める療法とは別の選択をする医師が多いことが判明 - GIGAZINE

事故や殺人を除いた死因を年代・性別・人種別に比較した図 - GIGAZINE

5年後にはコンピューターは「におい」から人の病気を判別するようになる - GIGAZINE

アメリカ人の死因として多いものはいったい何か - GIGAZINE

地球温暖化によって広がる可能性のある5つの病気 - GIGAZINE

WHOによる2030年までの死亡原因予想 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log