人類がアルコールに手を出したのは約1000万年前

By David Kaczmarek

人類は狩猟から農業を始めたことで食糧の備蓄が可能になり、人類は安定した食糧を得ることができました。その過程の中で果実や植物を発酵させる「アルコール」が作られるようになり、現代ではぶどうからワイン、麦からビールが製造されています。そんなアルコールが初めて発明されたのは約9000年前と考えられていましたが、人類のハッピーアワーがなんと約1000万年前の中新世時代から始まっていた、という研究結果が発表されています。

Human ancestors developed a taste for alcohol 10 million years ago - LA Times
http://www.latimes.com/science/la-sci-sn-human-ancestors-alcohol-20141201-story.html


サンタフェ大学の生物学者マシュー・カリガン氏は、「人類がどの時点でアルコールを分解する腸内酵素の生産能力を獲得したのか」ということを確定させる研究結果を米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表しています。研究によると、チームは「クラスIVアルコール脱水素酵素(ADH4)」が霊長動物の腸内に存在することに注目しました。

カリガン氏の研究チームの調査によると、約1000万年前に人類から分化したと言われるゴリラの体内から、舌・食道・胃でアルコールを分解する働きを持つADH4が豊富に見つかることが分かりました。人類と同系の先祖を持つチンパンジーやボノボに対しても同様の傾向が見られるとのこと。そのためADH4の生産能力を持たないオランウータン・テナガザル・ヒヒに関してはアルコールの「酔い」をたしなむことができません。つまり、ゴリラやヒト科の祖先が偶然に発酵した果実などを食べると酔っ払う可能性がありますが、オランウータンはお腹を下してしまうため、発酵した食物を避けるということです。

約1000万年前にヒト科の祖先がアルコールをたしなんでいた仮説として、約1000万年前というと中新世の中期にあたり、急速な気候の変化によって東アフリカの樹上で暮らしていたヒト科の祖先は地面で生活をはじめ、木に成っている果実ではなく、地面に落ちた果実を食べるようになりました。中には腐敗が進んで発酵した植物もあるため、段階的に発酵した果実から得られる「酔い」という感覚を理解していったのでは、と考えられています。

By Terje

なお、約5000万年前に人類から分化したとみられるマダガスカル固有種のアイアイもADH4の生産能力を持っているとのこと。アイアイは果物・樹液・花蜜を主食としているため、発酵しても食べられるように生産能力を向上させたと見られています。お酒は飲み過ぎると体に毒ですが、日々の生活をリラックスしてくれる楽しい気分になれるのも事実。この気持ちが理解できるのは人間・ゴリラ・チンパンジー・ボノボ・アイアイだけ、ということになります。

・関連記事
26種類のお酒・アルコールの名前についてその由来がわかる「26 Alcoholic Drink」 - GIGAZINE

お酒をいつでもどこでも手軽に摂取できる粉末状アルコール「Powdered Alcohol(Palcohol)」 - GIGAZINE

酒に飲まれて意味不明な行動をしてしまった人たちの「酔っぱらい列伝」 - GIGAZINE

これが本当のビール腹、身体の中でビールを醸造し酔い続けていた男性 - GIGAZINE

2000円で買える酒・タバコ・麻薬などの量は世界各国でどれぐらい差があるか? - GIGAZINE

駅ナカでゆっくり日本酒の飲み比べができる「のもの 上野店」で飲んできた - GIGAZINE

アルコールはある特定の記憶を強化することが明らかに - GIGAZINE

たった24時間で3年分もウイスキーをおいしくする「Whiskey Elements」 - GIGAZINE

良いウイスキーを作る蒸留所には必ずネコがいる - GIGAZINE

冷やした石を氷代わりにしてジュースやお酒を冷たくする「Whiskey Rox」 - GIGAZINE

脱・ワイン初心者、ソムリエに寿司のネタに合うワインのうんちくや役立つ豆知識を山ほど語ってもらいました - GIGAZINE

284

in サイエンス,  , Posted by logw_ny