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政府の諜報機関がインターネットの海底ケーブルから盗聴している方法

By lamentables

元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が2013年にアメリカやイギリスによる大規模な監視活動を暴露し、それ以降もアメリカやイギリスによる盗聴活動がたびたび報じられてきました。2014年11月25日にはイギリスとドイツのメディアにより、イギリスの諜報機関「GCHQ」が国内通信業者のサポートを受けながらインターネットの海底ケーブルを介して盗聴活動を行っていることが判明し、大規模な通信傍受の仕組みが明らかになってきました。

Cable Master List
(PDFファイル) https://netzpolitik.org/wp-upload/2014-11-Snowden-Cable-Master-List/data.pdf

Top Level Telecommunications: INCENSER, or how NSA and GCHQ are tapping internet cables
http://electrospaces.blogspot.jp/2014/11/incenser-or-how-nsa-and-gchq-are.html

イギリスのテレビ局「Channel 4」、ドイツのテレビ局「WDR」と「NDR」が共同制作した番組で、「NIGELLA」という通信傍受施設の存在が明らかにされました。NIGELLAは世界80カ国で事業展開している「Cable&Wireless」とインドに本社を置く「Reliance Communications」という通信業者のケーブルが交差する場所に設置されています。


NIGELLAの所在は、FLAG Cable Stationという施設の中。FLAG Cable Stationは「FLAG Telecom」が所有している施設で、世界に設置されている中でも大きな2本の海底ケーブルの終着地点の役割を担っています。1つはイギリスとアメリカを結ぶ「FLAG Atlantic-1(FA-1)」で、もう1つはイギリスから日本につながっている「FLAG Europe-Asia(FEA)」という海底ケーブル。


FA-1は当初FLAG Telecomに所有されていましたが、記事執筆現在はReliance Communications傘下の「Global Cloud Xchange」によって運営されており、もう1つのFEAもGlobal Cloud Xchangeが所有しています。

FA-1とFEAを接続するバックホールはFLAG Cable Station周辺のネットワークを管理しているCable&Wirelessが供給しているのですが、イギリスの諜報機関「GCHQ」から流出した機密文書(PDFファイル)から、通信の傍受がFA-1とFEAを接続するバックホールから行われていることが判明。また、通信傍受は「Computer Network Exploitation(CNE)」という組織により実行されていて、CNEはハッキング作戦のコードネーム「PFENNING ALPHA」と名付けられています。


FA-1とFEAを所有しているGlobal Cloud XchangeはGCHQとパートナーシップを結んでいる企業ではないため、GCHQはバックホール接続を供給しているCable&Wirelessのサポートを得て、通信傍受を行っているというわけです。

GCHQの機密文書には通信傍受をサポートしているCable&Wirelessがコードネーム「GERONTIC」と記載されていたので、正体が不明のままでしたが、ドイツのメディアや新聞によって企業名が明らかにされました。Cable&Wirelessは記事執筆現在で29本もの海底ケーブルと何らかの関わりを持っており、その内の9本を所有する各事業者とパートナーシップを結んでいます。


GCHQとCable&Wirelessの関係は今に始まったことではなく、第一次世界大戦の時から電報の受け渡しが行われるなど、何十年と続いてきたもので、今後も続いていくと予想されます。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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