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Googleのスパム対策チームリーダーのマット・カッツ氏が語るお金と投資への望ましい姿勢とは?

By liz west

Googleのスパム対策チームを率いて検索エンジン最適化(SEO)問題の対策にあたっているマット・カッツ氏の発言は、SEO対策を行うウェブ管理者にとって金言として注目されています。その検索エンジンの最適化に造詣の深いカッツ氏が、自身のブログでお金と投資に対する考え方を公開しています。

Nine hard-won lessons about money and investing
https://www.mattcutts.com/blog/make-money-investing-tips/

◆簡単には株で儲けられない
2000年頃、カッツ氏はオンラインバンクから「口座を開設すれば400ドル(当時のレートで約4万2000円)のプレゼント」という甘い言葉に誘われて口座を開設したことがあるそうで、そのときにCisco株に投資したとのこと。当時のCisco株はあらゆるビジネス誌が推奨する安全な株だったはずが、ドットコムバブルがはじけると、1株60ドルだった株価は12ドルまで暴落。結局、カッツ氏は少し値を戻した18ドルで株を売却することになり大きく損をしたとのこと。

By Petr Dosek

400ドル(約4万2000円)を受け取った後に高い授業料を払うことになったカッツ氏ですが、「良い銘柄」というお墨付きを信じて多くの人が損をする一方で、「一部の人」は自分の金を使わずに利益をむさぼっていることに気づいたとのこと。株で楽して儲けようというのは「アマチュアのフットボール選手がNFLのプロ選手に闘いを挑んで勝とうとするようなもの」で、株で簡単に儲けようという安直な考えは捨てるべきだとカッツ氏は考えています。

◆誰も自分のお金を気にしてくれない
「創業間もないGoogleに加わる事ができたことについて非常にラッキーだった」と語るカッツ氏は、宝くじを当てたり、起業して成功したりいきなり大きなお金をゲットすることに成功した人に向けたアドバイスとして「『他人は自分のお金を大切には考えてくれない』ということを知っておくべきだ」と述べています。

カッツ氏はかつて金融ブローカーにコマーシャルペーパー(CP)を「簡単で安全」な金融商品として勧められ、4~5%の利子がつくことから購入したことがあるとのこと。しかし、金融危機が到来するとCPは償還されない事態に。このとき、金融ブローカーの「この商品は安全です」というセリフはしばしば「青天の霹靂でした」というお決まりのセリフに変わるものだということを知ったとカッツ氏は述べています。カッツ氏は、証券マン、銀行員、ファイナンシャルアドバイザーや実際に資産の運用を任せている人でさえも「自分の資産について気に掛けてくれると期待してはいけない」と述べています。自分の資産を守るのは自分だけだとのこと。

◆ウォール街に友はいない
1940年に出版された名著「投資家のヨットはどこにある?」は、「顧客が証券会社や銀行に払う手数料は確実に存在するが、リターンを得られるかは不確実であること」を皮肉混じりに指摘した上で、投資家が金融システムで食い物にされるウォール街の実体を暴きましたが、70年以上経った現在もウォール街の本質にはなんの変化もないとカッツ氏は考えています。

ウォール街はシンプルな物事を複雑に仕立て上げることに長けており、複雑なシステムや金融商品の性格を完全に理解することなくウォール街で資産を増やそうとするならば、それは気づかないうちに商品の複雑さとともに損失を被るリスクが増大しているということだとカッツ氏は述べています。

By Anant Nath Sharma (www.thelensor.tumblr.com)

◆スタートアップの利点
多くの人が巨額の資産を持ち利子や配当などの資産運用だけで暮らしていける生活に大きな憧れを抱いているものですが、誰かに雇われて給料を得るために働いているという人が大半です。カッツ氏は、起業することは「企業オーナーになれたり株式を得られたりすること」と同時に「給料も得られること」という2つの理由から、資産家とサラリーマンの中間的な位置づけとして魅力的だと考えています。しかし、成功が保証されていないことや経営者となれば雇われの身とは比べものにならないほどの重圧とリスクが待ち受けていることから万人にはオススメできないとのこと。ただし、若いならばリスクを取ってでも起業するのはアリかもしれないとカッツ氏は述べています。

◆成功した後にすべきこと
スタートアップで成功したり宝くじに当たったり、理由は何であれ大金をゲットすることに成功した後にどうすべきかについて、ゲットした大金をイーロン・マスクのように新しいビジネスにつぎ込むのではなく「配当や利子で食べていけるだけのお金は別に分けておくべき」だとカッツ氏は述べています。

そして資産運用は株式と債券にバランス良く投資することをカッツ氏は推奨しており、若い場合は株式に重点を、すでに大金をゲットしているなら債券に重点を置いてポートフォリオを形成するのが良いと述べています。

By epSos .de

◆継続した勉強
カッツ氏は具体的な資産運用方法として、出資したメンバーによって運営される金融機関であるクレジットユニオンの活用、金融ファンドVanguardの利用、地方債の購入などについても検討していますが、自身もどのような資産運用が良いのかについて現在も勉強中とのこと。ブログで書いた内容に、不勉強ゆえの間違いがある場合には、どんどんとコメントを残し指摘して欲しいと述べています。

なお、コメント欄で寄せられた「ビットコインを運用していますか?」という質問に対しては、「ビットコインの相場にだけ熱中するのは良いアイデアとは思いません。ビットコインの持つ、海外への送金でかかる手数料などのコストをなくしてくれる利点を活用するのが良いアイデアだと思います。ビットコイン市場はまだまだ混迷しているのでビットコイン関連のスタートアップへの投資はしていませんが、ビットコインの利点を活用するスタートアップが登場するのを楽しみにしています」と回答しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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