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数式をイメージ化し直感的な数学の理解を助けてくれるゲーム「SineRider」


たいていの人が数式の美しさを理解することなく数学の勉強を終えてしまいますが、中にはごく少数の「数学は美しい」と感じられる人がいて、どんな風に数式が見えるのかなぁと思わされます。そんな不思議な数式を簡単にイメージでき、ゲーム感覚で数学の感性を磨けるのが「SineRider」です。

About SineRider
http://sineridergame.com/

今回はWindows PCにSineRiderをインストールして使ってみます。上記ページの下部にある「Download for Windows」をクリック。


ZIPファイルをデスクトップなど好きな場所に保存して、Explzhなどを使って解凍して、フォルダの中にあるSineRider.exeをクリックしてSineRiderを起動させます。


SineRiderの起動画面はこんな感じ。緑色の三角マークをクリックすると下にある複雑な数式のグラフが現れて、画面中央にいるソリに乗った二人が滑り出すムービーがスタートします。SineRiderは数式を入力してグラフを作り指定のポイントをソリで通過するタイムを競うゲームです。


画面上にマウスカーソルを合わせると出てくるバーの「Welcome」下にある「The Basics」をクリック。


すると、指定のポイントがX、Y座標の(0,-8)に現れました。この座標にソリに乗る2人を移動させられるように画面下にあるテキストボックスに数式を入力すればOKというわけです。


例えば「y=-20」と入力して三角アイコンをクリックすると……


y=-20のグラフが現れて、ソリが自由落下で指定のポイントを通過。


見事クリア。タイムは1.7秒でした。次のお題に進む場合は「Next Up:Constants」をクリック。


続いてy座標上に3つの指定ポイントが登場。「y=-5」というグラフでは……


ソリはy=-5のグラフまでしか落下できず、その下にあるポイントを通過できないためクリアならず。無情にもタイムは止まることなく進んでいきますが、もちろんこのまま待っていてもクリアはできません。


改めて「y=-20」と入力。


するとy=-20の直線までソリが落下して、指定ポイントをつぎつぎと通過して無事クリア。


次の問題では、「A」「B」「C」というポイントともに「3」という数字。これは「A→B→Cの順に通過しつつ『3』のポイントで3秒以上とどまる必要がある」という条件。


そのため、先ほどと同じ「y=-20」というグラフでは、「3」のポイントを通過してしまい、3秒間とどまることができないので失敗。


そこで「3」のポイントに近い位置にグラフがくるように「y=-15」と入力。


見事にクリア。


もちろんグラフは直線(1次関数)だけでなく、「y=-x^2-15」のように放物線(2次関数)を使って「底」を作ってクリアしてもOKです。


次の問題はポイントが右下がりでずらりと並んでいます。いま入力している「y=x-2」というグラフ(黒色)ではソリは左下方向に滑っていきクリアできなさそう。


そこで「y=-x-2」とグラフの傾きを変えて……


クリア。


傾きを「-1/4」にしたり……


傾きを小さくしつつ、y切片の位置を調整したり。ゲームをクリアしていくうちにだんだんと中学数学の記憶が蘇ってきます。


直線だけでは飽き足らず、「Parabolas(放物線)」のチュートリアルに挑戦。


2次関数のグラフの頂点やy切片を調整して……


クリア。


これは、転がり落ちる○と1秒以上の滞在が必要な「1」という2つのポイントが条件づけられた問題。


グラフをこんな形にすることでクリア。入力する数式(数値)を変更する度にグラフの形が変化するので、「どのパラメータをいじればグラフがどう変化するのか」を直感的に理解可能。教科書を見ても数学はちんぷんかんぷんだったという人でもSineRiderで遊んでいるうちに、なんとなく数式の意味が理解できそうです。


さらに「Waves(波形)」のチュートリアルをクリック。


こんな感じの波形(三角関数)を使ってクリアする問題が現れました。この問題では2つの落下する○をソリでヒットすればOK。つまり、三角関数の「谷」に2つの○を追い込めば良さそう。


数式をいじくって山・谷をこんな感じで配置すると……


ソリと2つの○はうまく谷に集まってクリア成功。


こんなグラフも……


数式を少しだけ変える事でグラフを変化させられます。


試しに「Out of Order」をクリックしてみると……


1問目からこんな問題。ソリは簡単には横方向に進められないのは当然として、A→Bの順にポイントを通過させる必要があるという無理ゲー……。


数式のパラメータをいじくるとグラフがどう変化するのが一目瞭然なSineRiderは、数学が得意な人も苦手な人も「数学を楽しむことができる」ゲームと言えそうです。

なお、Unity PlayerをインストールすることでSineRiderをブラウザ上でプレイすることも可能です。

SineRider
http://sineridergame.com/SineRider.html

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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