取材

すさまじい装飾で登録有形文化財にも指定されたお風呂屋さん「船岡温泉」に行ってきました


大正12年に料理旅館「船岡楼」として創業し、京都・西陣の若旦那衆を主な客層として贅を尽くして豪華絢爛に発展していったお風呂屋さんが「船岡温泉」です。現在はアンティークとなっている「和製マジョリカタイル」という色とりどりのタイルが壁に敷き詰められ、ヒノキ風呂や露天風呂からは欄干や庭園も眺められるという、すさまじい「町のお風呂屋さん」に行ってきました。

KING OF 銭湯 船岡温泉【隠れた名スポット 船岡温泉街】 | 裸で見る芸術 京都の銭湯
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船岡温泉の住所は京都府京都市北区紫野南舟岡町82-1。


阪急西院駅から205系統のバスで20分ほど揺られ、大徳寺前で降車し10分ほど歩くと、「船岡温泉」の看板が見えてきます。


平日は15時からなので、それより前に到着するとまだのれんが掛かっていない状態です。


閉店時間は25時、日祝日は開くのが早くなって8時から25時までとなっています。


のれんがかかるとこんな感じです。開店時間になると、さっそくお客さんが入っていっていました。


建物正面にある軒唐破風は昭和3年に作られたとのこと。


船岡温泉は通常、あたり前ですが脱衣所から向こうは撮影禁止なので、今回は事前にお願いして特別に開店時間前に撮影させてもらうことができました。受付はこんな感じ。


入浴料は中学生以上が430円、小学生が150円、乳幼児が60円となっています。


受付の横には「御婦人方」「御殿方」と書かれたのれん。


まずは「御殿方」というのれんの向こうにある男湯から見てみます。


これが脱衣所。壁にはマジョリカタイルと呼ばれる表面にデコボコのある装飾タイルが使われており、部屋は意匠をこらした欄間でぐるりと囲まれています。そして天井には鞍馬天狗と牛若丸の彫刻が飾られています。


色鮮やかで非常に細かい作りのマジョリカタイルは今となっては希少なもの。英国のヴィクトリアンタイルを模して大正~昭和10年代にかけて日本で作られたものであり、現在ではアンティークとしてインターネット上では1枚1000円から4000円ほどで販売されています


レトロな時計も存在感があります。


デザインもさまざまですが、脱衣所は緑色のタイルを中心にまとめられていました。


デコボコがなく、絵が描かれたタイルも使われています。


男湯と女湯を仕切る欄間は昭和8年から船岡温泉を切り盛りしていた2代目の大野伍一郎さんが設置したもので、上海事変が題材。


ロッカーはこんな感じ。


鍵付きロッカーの中には黄色いカゴが入っていました。


脱衣所と風呂場は菊水橋の欄干でつながれており、窓からは日本庭園が伺えます。


脱衣所にはマッサージチェアや……


体重計などが置いてあります。


ドライヤーは1回30円。


これが風呂場に続く入り口。


扉を開けて、これが通路。ここにもマジョリカタイルがびっしりと張り巡らされています。


お風呂に入る時は、洗面台に置いてある桶を持って行きます。


ため息のでるほど美しいタイル。


触ってみると、表面はデコボコしていました。


色の組み合わせも絶妙で、いつまでも眺めていたくなるほどです。


通路を抜けてお風呂場に到着。脱衣所の絢爛豪華なレトロ感と打って変わって、こちらは現代的な感じです。


手前からくすり風呂や……


高温深風呂


そして、その横には複数のお風呂の集合体があります。


あわ風呂


エスティジェット風呂


船岡温泉の電気風呂は2代目の伍一郎さんが病院の低周波治療器をヒントにして通産省に何度も出向き、日本で初めて導入されたと言われています。


訪れた時は吐いていませんでしたが、本来はライオンが水を吐く水風呂も。


そして奥には……


サウナ


マットも置いてありました。


洗い場はこんな感じ。


石けんやシャンプー&リンスなども置いてあるので、手ぶらで来ても大丈夫そうです。


男湯と女湯を仕切る壁の上には瓦が敷かれていますが、これは5代目の松之助さんが「外人さんが喜ぶかな、思て」ということで作ったそうです。


そしてお風呂をぐるっと回って、風呂場入り口の隣に「露天(桧風呂)」と書かれた扉を発見。


扉から出ると、ヒノキ風呂がありました。


ヒノキ風呂からは欄干や小さな庭園が臨めるようになっており、430円で入っているお風呂屋さんとは思えないほどの癒やしの空間です。


池の中を泳ぐ鯉。


裸婦の彫像なども置かれていました。


さて脱衣場に戻ろう……と扉に向かったところで、別のお風呂があるのを発見しました。


これは打たせ湯。


壁にボタンが設置してあり、ボタンを押すと天井からお湯が流れてくる仕組みとなっていました。


続いて、「女湯」と書かれたのれんの向こうへと向かいます。


これが女湯。部屋の配置は男湯の対称となっていますが、設備はほぼ同じ。


「脱衣所での写真撮影 お断り致します」との貼り紙。写真に収めたくなる美しさですが、心のカメラで収めましょう。


風呂場への入り口に向かいます。


ここも男湯と同じくカラフルなマジョリカタイルで敷き詰められています。


通路を通って……


入り口右側には打たせ湯。


女湯はこんな感じ。少し男湯とは雰囲気が違います。


くすり風呂があり……


あわ風呂・エスティジェット風呂・電気風呂などが一体となった大きなお風呂があるのは男湯と同じ。


高温深風呂もあります。


しかし、男湯の場合は露天風呂となっていたヒノキ風呂は、室内に設置されていました。


ヒノキ風呂の隣には洗い場。


ぐるっと振り返って、入り口の隣に「露天風呂 水風呂 サウナ室」と書かれた札が設置された扉を発見。


外に出ると、岩風呂の露天風呂がありました。


岩の上には水を吐く龍。思わず飛び込みたくなってしまいますが、手前は水風呂になっているので、勢いよく入ってしまわないように注意。


奥には温かい露天風呂になっていました。


岩風呂からも菊水橋を眺めることが可能。


優雅な風景が広がっています。


お風呂からあがると、牛乳やコーヒー牛乳が入った冷蔵庫が受付の隣に置いてあるので、湯上がりの一杯を楽しめます。


休憩スペースと自動販売機もあるので、お風呂上がりにゆったりすることが可能。


テレビも置いてありました。


また、船岡温泉から歩いて数分の場所には平成11年に廃業した銭湯「藤森湯」を再生させた「さらさ西陣」というカフェがあり、そこでも和製マジョリカタイルに埋め尽くされた当時の雰囲気を楽しめます。


ここも軒唐破風。銭湯を再生させたということで、お店の前には銭湯のマークがついています。


中はこんな感じ。マジョリカタイルが張り巡らされたソファ席。真ん中にある壁は男湯と女湯の仕切りだったものです。


テーブル席。


元銭湯なだけあって広々とした空間です。


本も置いてあるので、お風呂から上がったあとにまったり時間を過ごすのもよさそうです。

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in 取材, Posted by logq_fa