取材

「笑顔の仮面」を被って人々が踊りまくるフィリピンの奇祭に行ってきた


陽気でホスピタリティ溢れる人々をイメージするフィリピンで、特に有名なお祭り・マスカラフェスティバルに行ってきました。

こんにちは!世界新聞特命記者の赤坂惟名です。世界一周中の私は先日まで、フィリピンのバコロドという街に滞在していました。


フィリピンのバコロドには、年に一度みんなが笑顔になる「Masskara Festival(マスカラフェスティバル)」があります。


フィリピンはかつて、スペインとアメリカの植民地だったという歴史があります。massは英語で「たくさんの」を意味し、karaはスペイン語で「顔」を意味します。Evenearには「お祭りの由来は1930年にさかのぼる。ネグロス島は砂糖の産地として有名だったが、国際的な砂糖価格の暴落が起こり、人々の暮らしは困窮した。その苦しみを乗り越えるために始まったのが“マスカラ・フェスティバル”と言われる。苦しいときも笑顔を忘れずに困難に立ち向かった人々の思いが込められている」とあります。その由来と名前の通り、笑顔のマスクがこのフェスティバルの最大の特徴です。そんな素敵なお祭りが、偶然にも私の滞在中に開催されるとの事なので、気合いを入れて参加して来ました。

◆マスクが最重要項目
このマスカラフェスティバルは実に3週間に渡り開催されます。今年は10月1日から10月19日に開催されました。いかにもお祭り好きのスペイン人の歴史を受け継いでいるな……という印象です。

10月に入った途端、街はデコレーションが始まります。「ハイライト」と呼ばれ、一番盛り上がるのは3週目の最終金曜日夜~日曜日夜です。


街にも突如、マスク屋さんが出現します。大きさ・柄共に様々な種類のマスクが売り出されています。


お祭りのメインの通りとなる「ラクソンストリート」のレストラン等もマスクを飾り始めます。

少し離れたチャイナタウンの大きなマスク


日本料理屋さんの少し日本風なマスク


大規模でクオリティも素晴らしいマスク


中には、ちょっとコメントしづらいクオリティのマスクまで……こういったマスクを見ているだけでも飽きません。


フェスティバル中には近くのショッピングセンターでは、マスクと衣装のコンテストが開催されていたりします。どれも豪華で個性的で、目が釘付けになります。


◆お祭りが一番盛り上がる「ハイライト」
ハイライトの週に入ると、現地人も街も、輪をかけて落ち着きがなくなります。金曜日には大通り「ラクソンストリート」の一部分・1km近くが完全に歩行者天国となり、クラブのような屋外ステージが6個ほど出現します。


みんな楽しそうに踊っています。フィリピンの人達は爆音のクラブミュージックが大好きという印象です。私が滞在していた1ヶ月間だけでも、お祭りに関係なく、毎週末のように様々な場所で屋外クラブが開催されたりしていました。


そんな、爆音のなかでも現地の子ども達が自然と楽しそうに踊っていました。そんな姿を見て、自然とこちらも微笑んでしまいます。


偶然ですが、このお面も無料でゲット出来ました。日本で、小さい頃お面を買ってもらった記憶はありませんが、こうして被ってみるとお祭り気分を味わえて、私も地に足が着かない感じに。


ラクソンストリートには、たくさんのお店が出ます。日本の縁日の様な状態ですね。そこで、東南アジアで良く見かけ、フィリピンでは、バロットと呼ばれる「孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵」を食べてみました。


バロット自体は普段から食べる事はできますが私は食べたことがなく、お祭りの勢いで食べました。そのときは酔っ払っていて、暗闇で食べたので問題ありませんでしたが、次の日に写真を見て少しギョッとしました(笑)


他にも、フィリピンでは珍しい生ビールを飲んでみたりもしました。もちろん、文句なしに美味しかったです。


とりあえず、現地の人も観光客も、みんなが楽しそうにお酒を飲みながら騒ぎ倒している、前々夜祭・前夜祭という印象です。


◆これこそがハイライト
さて、なんだかんだと目白押しのハイライトですが、いよいよ最後の土日に念願の「マスカラダンス」を見ることが出来ます。普通のガソリンスタンドでもプチダンスショーが開催されています。


まずは、大きなスポーツセンターでコンペが開かれます。毎年課題曲が決まっているようで、約20チームが同じ曲を、違った衣装・マスク・大道具・パフォーマンスで競い合います。


どのチームも衣装が個性的で、次はどんな衣装のチームかな?と、見ているだけで飽きません。


各チーム、入場方法・退場方法に工夫を凝らしたり、どのような大道具をどう使うかで変化を出していたり……


全員でそろえるのか、グループに分かれて演出するのか。


ストーリー性があるのか等、それぞれのチームに個性が出ていて、見ていて面白かったです。


会場にもたくさんの現地人が訪れており、絶えず声援を送ったりしていました。パフォーマンスの素晴らしいチームが出た時の声援はひとしおでした。


夏のような暑さの中、大きなマスクを被り、様々な衣装を着て、全力で踊っています。時には、曲が終った直後に倒れてしまうダンサーも見かけました。その姿に感動と青春を覚えたのは言うまでもありません。


こちらは、2013年の優勝チームのパフォーマンスです。

Masskara Festival 2013 Champion: Barangay 16 - YouTube


◆ど迫力のパレード
ここで終らないのが、ラテンのお祭り大好き精神でしょう。この後、スポーツセンターから街の中心部まで、ダンサーが踊り歩きます。距離にして約1kmほど。


地図でいうと、こういう感じです。正確には、この地図で「アラネータアベニュー」を通っていました。


コンペの段階で倒れそうなほど頑張っているダンサーが、更に全力で1kmも踊り歩きます。これは、もう、尊敬に値するパフォーマンスです。


そんな中でも、時にはおどけて寄って来てくれる人もいたりします。


実はこのダンサーさんは、なぜか「レディーボーイ」の方達が多いのです。レディーボーイはタイに多いイメージですが、バコロドは街やレストランでもたくさんのレディーボーイを見かけました(マニラはそこまで多くない印象でしたが)。ウェイター(ウェイトレス?)の方々が、常に女らしい所作を崩す事なく接客している姿を見て、感動の日々でした。


プロフェッショナル精神を持つダンサーの方々のイキイキとした姿を見る事が出来るフェスティバルでした。世界的に有名なフェスティバルと比べても、とても近い距離で見ることができます。


さて、日本ではあまり知名度のない「マスカラフェスティバル」ですが、いかがでしたでしょうか?パレード中にレディーボーイのダンサーさん達がキレッキレのダンスで、自分の横を通って行く時は、心臓がドキドキして仕方ありませんでした。現地の人の興奮やイキイキと楽しんでいる様子が、自然と私を何度も「笑顔」にしてくれました。そんな素敵なお祭りに参加出来て、今は感謝の気持ちでいっぱいです。

文・取材:赤坂惟名

監修:世界新聞 sekaishinbun.net


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in 取材, Posted by logc_nt

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