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TPPの資料がまた流出、アメリカが著作権に関する戦慄の提案を推し進めていることが明らかに

By DonkeyHotey

Wikileaksがリークした新しいTPP草案の知的財産に関する章には、デジタル著作権管理(DRM)、著作権侵害が起きた際のインターネットサービスプロバイダ(ISP)が負う責任の範囲、著作権規約の期間、企業秘密などに関する新しい文章が記載されており、その内容は恐るべきものとなっています。

Latest TPP Leak Shows US Still Pushing Terrible DRM and Copyright Term Proposals—and New Threats Arise | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2014/10/latest-tpp-leak-shows-us-still-pushing-terrible-drm-and-copyright-term-proposals


◆DRM回避の規制
DRMを回避する法律がアメリカには多々存在するにも関わらず、アメリカ合衆国通商代表部(USTR)はTPPに参加する他の国に、異常な回避規制に関する条項を受諾するように迫っていることが明らかになっています。リークされた情報によると、DRM回避を禁止する条項には例外が設けられているものの、それは「立法上、規定上、管理運営上のプロセスなどに悪影響が実際に出ているもしくはその見込みが大きい場合、非侵害使用を許可する」というもので、かなりの特殊な事例でのみ効力を発揮するものと見られています。

By Thomas Angermann

この回避規制をアメリカ以外の国々が受諾してしまえば、多くの国のイノベーションや自由な表現を規制することにもつながるだろう、とのこと。

◆著作権規約
前回リークされた際の草案では、TPP加盟国がそれぞれ完全で柔軟性の高い著作権を保持できるような提案がされていましたが、最新の草案ではこれらが完全に削除されているそうです。さらに、最新の草案では著作権は一部の指定事項のみ保持できるようなものに変更されており、ほとんどその案一択しかないような状態になってしまっている、とのこと。

By opensource.com

さらに、著作権の延長期間に関する部分は未決定のままだそうで、国際法の著作権延長期間をはるかに超えるような期間著作権を延長できるようにするためのものでは、と考えられています。

◆企業秘密をどのように処理するか
新しい草案では、企業秘密の取り扱いに関する詳細が追加されており、無許可での使用については有罪とする、と明記されています。なお、草案に記されている企業秘密に関する取り扱いは、現在アメリカで施行されている企業秘密法よりもはるかに厳しい内容であり、ジャーナリズムのような公益となるものでも例外とされるケースがなくなる見込みです。

By Timothy McCormack

◆ISPの責任範囲
著作権侵害が起きた際にISPが負う責任範囲に関しては、以前から論争の的になっています。ISPの責任範囲については、一般ユーザーが著作権侵害を起こした際の避難所的な役割を担うのが一般的な原則だ、と電子フロンティア財団(EFF)は提案しています。

しかし、ISPの責任として一般ユーザーを保護するには、ISPがアメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のような法律を受け入れる必要があるかもしれず、場合によってはコンテンツ侵害の申し立ては裁判所命令なしで除去されるようになるかもしれない、とのこと。

By Joe Gratz

なお、長く論争の的となっているのは、ユーザーが商用規模で著作権侵害の責任を追及された際に「商業的なアドバンテージ」を見るのか「金銭的な損益」を見るのか、という点だそうです。

◆パブリックドメイン
TPP加盟国は歴史上初めて、「豊富でアクセス可能なパブリックドメインの重要性」に関する条文で合意に達しました。しかし、これによりどのようなアクションが行われることになるのかは現在のところ不明で、実際にこの条文が何かしらの義務を課すこともありません。

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in メモ, Posted by logu_ii

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